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3-29

 様々な世界で悪魔復活の報告がなされる中、ラシュアはそれぞれの世界の管理神たちに指示を出していた

 上位の神では悪魔に対処することはできないため、中位以下の世界には手を出さないように注意を促した


「兄様、ルーナ達も悪魔に接触したようです。 が、映像が途切れ途切れでして、何者かに妨害されている可能性があります」


「ふむ、それで、あの子たちは無事なのですか?」


「はい、現在は映像も戻っているので無事は確認できています。 それに悪魔の気配は消えています。 どうやら消滅したようですね」


「そうですか。 無事ならいいのです」


 ラシュアは安心し、再び指示に戻った

 

(それにしてもなぜ映像が…。 私の能力が及ばない何かが起こったの?)


 監視の女神キュカは映像を再度確認する

 ノイズが走り、再び戻るとすでに決着はついていた

 その間はほんの一瞬で、本来は気にもしないほどだが、何か違和感を感じた




 魔法少女ミズミがいた世界からさらに転移したルーナ達

 マナの気配は多量に感じる

 魔法も存在しているのか、ところどころで魔法が使われているようだ


「この世界ならマナも一日二日で溜まると思います」


「黒族の気配はある?」


「少し調べてみないとわかりませんが、あの時のような気配は感じれないです」


「俺様の方でも調べてみるぜな。 黒族のサンプルならすでにインプット済みぜな」


 4号の機能を使って探索を始めた


 それからしばらくして探索用ドローンが戻ってきた

 

「う~ん、やっぱりこの世界に黒族は封印されてないみたいだぜな」


「あ、それとこの世界は魔物もいるみたいだぜな。 魔法もあるし、俺様たちがいた世界と少し似た世界みたいだぜな」


 周囲には魔物がうろついている

 敵ではないが、囲まれると厄介なので慎重に街へ向かうことにした

 

「僕、魔物とか見たことないんだけど。 正直怖い」


 いなみは今まで魔物などのいない世界にいた

 彼女のいた世界は魔力によって超能力を使える世界ではあったが、魔力を持った生物は人間以外にいなかったからだ

 

「そんなに恐れることはないと思うぞ。 火を吐いたり雷を放ってきたりはするが、基本は他の動物と変わらんからな」


「そう、ですか…」


 まだまだ不安はぬぐえないし、戦いにも慣れていない

 

「それじゃぁいなみちゃん、君は私と魔法の特訓だ。 魔物がいるなら丁度いい。 下級はなかなか上達したが、中級以上は覚えてもらわないとな」


「でも、世界が違うのになぜ魔法は同じなんだろう?」


「お、なんだかおもしろそうな定義だぜな。 そういうことを調べるのも面白そうだぜな」


(答えなら俺が知ってるぞ。 世界ってのは元々一つだけだったからな。 そこから枝分かれし、様々な世界が生まれたのだ。 元の基盤となる魔法が同じだったから枝分かれした世界も基盤は同じ。 多少の違いはあるかもしれんがな)


「あ、そうですか」


 シンガからすぐに答えを聞かされがっかりするパリケル

 

(なんだ? 答えが分かったんだからもっと喜ぶがいいぞ)


「は、はぁ」


 周囲を歩いていると、早速魔物が出てきた

 蛇の頭にクマの体を持った魔物

 大きさは3メートルほど

 

「出たぞ。 魔法を撃ってみろ」


「はい!」


 いなみは魔力を練り始めた

 

「フレアボム!」


 手から放たれた炎は魔物に命中したが、本来爆発するはずの魔法は燃え上がるのみにとどまった


「やはりいきなり中級は難しいか。 もう少し強めに魔力を練るんだ。 練ったらその魔力を炎にとどめて放出。 当たった瞬間に破裂するくらいの、そうだな、風船をイメージするといい」


 第2撃目を練って放出

 今度は当たると同時に爆発した


「できました!」


 ばらばらにはじけ飛ぶ魔物

 

「うむ、上出来だ。 あとはこれをいつでもできるように練習しよう。 しかし、二回で出来るとは思わなかったぞ。 やはりいなみちゃんは筋がいいよ」


 褒められて照れる

 真っ白な肌が赤く染まった


 それからも次から次へと襲い掛かる魔物をいなみが撃退する

 中位の魔法はほぼ扱えるようになった


「上位魔法は魔力の操作が難しい。 続きはまた今度にしようか」


「はい! ありがとうございます!」


 いなみは魔法をどんどん使えるようになっているのがうれしく、練習を続けようと思った 

 

「あ、町が見えてきましたよ。 ちょっと様子を見てきますね」


 ルーナは空を飛んで町の上空に来た

 見下ろすと、様々な種族がいるようだ

 

「どうやら私たちのこの姿でも大丈夫そうです」


「そう? 正直変化するのって翼の付け根が痛くなるから助かるよ」


「ですよね~」


 翼のある二人にしか分からない会話だ

 

 5人は安心して町に入ることにした

 小さな町だが、翼の生えた種族もちらほらいるため、稀有の目で見られることはなかった

 が、いなみはかなり目立っていた

 それはその美貌のためだろう

 ルーナも見られてはいたが、子供の姿のため、じっと見続ける者はいないようだった


「う、何か視線が痛いんだけど」


「まぁいなみちゃんはしょうがないな。 その見た目では」


 苦笑しつつ町を見て回った

 この世界のお金を持っていないため、宿を取ることはできなかった


「仕方ない。 次に転移できる期間が二日ほどなら野宿でもしよう」


 町を出て森へ向かい、パリケルの4号をテントに変形させると、そこでキャンプを張ることにした

 魔物払いの結界をルーナが施し、その日は疲れを取るため早めに就寝した


色々世界を回るのでサイクル速い時もありますって

超絶平和な世界とかも行く予定です


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