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3-27

 湧き出る思念の量は相変わらずで、相当に恨みが深いのかもしれない

 闇にのまれた悪魔たちは闇と共に封印され、ほとんど闇と同化しているが、様々な力を持つルーナならば引きはがすことが可能だ

 闇には誰でも染まる可能性がある

 それが神だろうとだ

 

「また出ました! 今度は都心の方です!」


 アリアテが悪魔の思念の居場所を示す

 既に警官たちが応戦しているが、銃撃すら意味をなさない


「遅くなりました!」


 負傷した警官たちを癒すルーナ

 

(お姉ちゃん、暴れていい?)


「街とか壊さないようほどほどにね」


 サニーにシフトする


「オッケーお姉ちゃん。 力は使わないね」


 一瞬だった

 人が瞬きをするよりも早く、刹那の時で思念を倒しつくした


「え? 何が起こったんですか?」


 瑞美が目をパチクリさせて驚いている

 

「どうやってそこまでの力を? 明らかに一個人が持つ力の域を超えています」


 考え込むルーナ

 自分でもこの力が何なのかよくわかっていない

 何かに体を奪われそうになったときに逆に力だけを奪うようにその何かを体から追い出した

 その意見はサニーとの姉妹間で一致している

 

「分からないわ。 私たちにもね」


「あなたの力、それは神々の力を一身に受けたように視えます」


 ルーナ達もそれは考えていた

 そうでなければ上位の神々が自分たちにここまで構うわけがない

 しかし、シンガを含めてそのいきさつを教えてくれる者はいない

 この話は神々の間でタブーとされていたからだ


「とりあえず、今は悪魔さんを救うことを考えましょう。 アリアテ様、正確な位置はつかめましたか?」


「えぇ、この都心にある古い神社、そこの要石から強い気配を感じます。 それと、西の方、私の父上である上位の神様が祀られている神殿、そこの最上部の宝玉に封じられているようです」


 この世界には二柱の悪魔が封じられているようだ

 どちらもすでに封印が解けかかっており、予断を許さない状況


「急ごう、神社はどこに?」


「そこから南、街の中心部です」


 神社はすぐ近くにあるようだ

 すぐに向かうと、辺りに瘴気が満ち始めていた


「まずいです! 封印が、解けて」


 まわりに満ちていた瘴気が一気に集約し、真っ黒な球体が宙に浮いた

 それにひびが入り、砕け散ると、黒く染まった女性が出てきた

 その女性はキョロキョロと目を動かすと、ルーナの姿を捕らえて襲い掛かって来た


「な!?」


 ルーナが慌てて結界を張ると、なんと、結界は砕かれてしまった


「そんな、私の結界が…」


 気を抜いたわけではない

 単純に悪魔の力が上位の神々並みに強かっただけだ


「皆さんは下がっててください! この人の力、かなり強いです!」


 襲い来る悪魔の腕を交わしながら叫んだ


「サニー、お願い!」


 すぐにサニーにシフトする


「任せて!」


 振り下ろされた悪魔の腕をつかむ 

 

「ふん、なかなかだけど、あんたは私より、弱い!」


 そのまま投げ飛ばす

 

「ぐがぁ!」


 地面に叩きつけられ、クレーターのように地面がへこんだ

 普通の人間ならぐしゃぐしゃになっていただろう

 しかし悪魔はすぐに断ちあがり、再度攻撃を仕掛けてきた

 今度は手に闇を纏いながらやみくもに手を振り回す

 その腕が木に触れると、木は一瞬で灰になった

 サニーはその手を済んでのところで躱し続ける

 すると悪魔は大きく後ろに飛びのいた

 口を大きく開くと、そこに闇を凝縮して、放った


「まずっ! お姉ちゃん!」


 すぐにルーナにシフトして、最大限の結界を張った


 闇の弾が結界にぶつかる

 周囲を大きくえぐりながらそれは結界を激しくえぐるが、抉り切る前に消滅した


「ふぅ、なんて強力な…」


 悪魔は今のでも消えなかった相手に少したじろいだ


「サニー今よ!」


 サニーに再びシフトして、今度はこちらが光の塊をぶつける

 その弾は正確に悪魔にぶつかり、彼女の闇のみを打ち払うことに成功した


「やった!」


 闇を打ち払われ、倒れているのは褐色の女性

 ゆっくりと目を覚ました


「あ、れ? 私は何を…。 ここは一体」


 女性はまだ立つことができず、首のみを動かしてあたりを確認した


「大丈夫ですか?」


 ルーナが生命力を彼女に分け与える

 どうにか立ち上がるくらいまでは回復したようだ


「私はどうしたのでしょう? 神々に封じられてからの記憶が…」


 困惑しているようだ

 ルーナ達は彼女に事情を説明する


「そう、でしたか…。 私はどうやら恨みから闇にのまれてしまっていたようですね」


 悲しそうだ

 

 それから彼女は自分について語ってくれた

 かつてまだ下位の神々も、人間などと言った種族も生まれていない頃のことだ

 悪魔は神々とは争わず、細々と暮らしていた

 彼女、マリルリナも世界の片隅で弟と共に幸せに暮らしていたそうだ

 しかしある日突然、神々がこちらを侵略するかのように攻めてきたらしい

 それも、彼女たちを悪魔と名付けて敵としてだ

 それまではただ黒と呼ばれていた彼らは、争いたくなかったため、抵抗らしい抵抗もせずに成すすべなく消滅させられたり、封印されてしまった

 マリルリナの弟マルゼルラもこの世界に封じられたらしい


 何故今まで争いなどしなかった神々がそのような凶行に出たのかも分からないそうだ

 しかし、神々は明らかにこちらを憎んでいたらしい

 

「お願いします。 弟を救ってください。 あの子もきっと私のように」


「任せて! 私にかかれば簡単に終わるわよ」


 サニーがポンと自分の胸を叩いた


 ひとまずマリルリナはアリアテに預けられ、様子を見ることになった


「じゃぁ私たちは西の神殿へ行ってみます」


「お願いします。 あちらの方も封印が解けかかっています。 急いでください」


 そして、サニーといなみで西の神殿へと飛んだ

誕生日~(^^♪

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