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3-26

 瑞美は迷っていた

 ルーナ達と共に戦うべきなのだろうか

 彼女たちは怪しいながらも、平和を守ってくれている

 それに、自分では手の回らない地域までカバーしてくれているのだ

 段々とわだかまりも解けていく


「アリアテ様、どうしましょう?」


「そうですね、これまでのあの子たちの行動を見るに、正しい心を持っているようです。 何者なのかはわかりませんが、ともに戦うということも考えていいかもしれませんね」


「アリアテ様でも正体が分からないのですか?」


「えぇ、でもこれだけは分かります。 あの子たちはこの世界の人間ではありません。 それにあのルーナと言う少女…。 彼女からは神聖なものを感じます。 私よりも上位の神々の気配を感じるのです。 それも、複数」


「よくわからないですけど、あの子は信じても大丈夫なのでしょうか?」


「えぇ、これからは協力して事に当たってください」


 そう結論が出たその時、またしても悪魔が出現した

 

「行ってきます、アリアテ様」


「気を付けて、いざとなったら私を呼んでください」


 心配してくれる女神

 感謝しながら戦いへと向かった


 すでにルーナとリゼラス、それにいなみが応戦していた

 歓声が響く

 いなみとルーナはどうやら本来の姿で戦っているようだが、魔法少女で見慣れているおかげなのか、人々はその姿に歓喜していた


 瑞美はそこに合流した


「私も一緒に!」


 ぐじゅぐじゅと湧き出る悪魔たちに魔法を放ち、次々と退治していった

 やがて湧き出たすべての悪魔を倒し、人々から喝さいを浴びた


「なぜ急に一緒に戦ってくれたんですか?」


「あなたたちが悪い存在じゃないとわかったからです。 あの、こんなこと言うのもおかしいかもしれませんが、これら一緒に戦ってください」


 丁寧にお辞儀をする瑞美

 

「元からそのつもりですから。 一緒に頑張りましょう!」


 瑞美と握手を交わしていたその時、パリケルが走って来た


「おーい! 大変なことが分かったぜな!」


 手に持っているのは通信機

 オルファスの女神と通信できる装置だ

 どうやらつながっているらしく、通話のライトが点滅していた


「とにかく話を聞いてほしいぜな」


「ザ、ザザー、あ、もう話していいの? キュレスです。 お姉さまいらっしゃいますか?」


「違うですにキュレスちゃん。 ルーナちゃんに大事なことを伝えるんですに」


「あ、そうだったわ。 ルーナちゃん、これから話すことをしっかり胸にとどめておいて欲しいの」


 キュレスが語る内容は驚くべきことだった

 悪魔は神の反存在、しかし、悪魔自体は争いを望んでいなかったというものだ

 かなり突拍子もなく、現にこの世界に悪魔の思念体が湧き出ているのだ


「今襲っている悪魔は闇にのまれた可哀そうな人たちよ。 できれば本体を見つけて助けてあげて欲しいの」


 悪魔はただ平穏と安寧を望んでいる

 そう聞かされてもにわかには信じれない

 夢でそう語られたと言っても悪魔たちによる虚言かもしれないのだ

 しかしルーナが調べてみたところ、キュレスに操られたり精神汚染を受けたような魔力反応はない

 

「とりあえず、今湧き出ている悪魔の思念を払って本体をどうにかして見つけます。 封印が解けるとどうなるんですか?」


「恐らく暴走、かしら。 目につくもの全てを破壊しようと動くと思う。 そうなる前に闇から解放してあげて」


 一緒だと思った

 自分も力に飲み込まれて何人もの人を殺した

 それは後々自分を苦しめることになる

 同じことをさせないためにも本体を探すことにした

 思念が漏れ出るほどということはこの世界に封印されているのは間違いないらしい

 それはこの世界の女神であるアリアテからも証言が取れた

 彼女も協力してくれると言っている

 思念はこの土地に漏れ出ているため、本体はここにいる可能性が高い

 

「悪魔が戦いを望まない種族だとしたら、なぜ神は彼らを悪と名付けた? アリアテ様、あなたは何か効いていないのですか?」


「申し訳ありません。 私達下位女神にはそのような情報は届かず、ただ悪魔を滅せよとの命令しか受けておりません」


 オルファスの双子女神もそうだったが、下位の神々はただ上位の神々の命令を聞いているだけのようだ

 一つの世界こそ任されているが、すべての世界にかかわることに関しては命令を聞くしかない


「確かに私もおかしいとは思っていました。 かつての戦争では悪魔は圧倒的に不利だったのです。 あれはまるで戦いを避けているように思えました」


 どうやらアリアテ自身にも思うことはあったらしい

 彼女の協力を得て、悪魔が封印されたと思われる場所を探り始めた


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