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3-21

 三人が慌てて引いたすぐ後のことだった

 突如街が何事もなかったかのように元に戻った

 その事象に気づいたのはルーナといなみだけ


「これは、街が元通りになって…」


「何言ってるぜな? そんなことより早くメリルを探すぜな!」


「え? だって、メリルさんは今そこに」


 たった今までメリルがいた方に目を向けるが、そこにはリゼラスと美智率いる日本のレジスタンスしかいなかった


「あれ? メリルさんは一体どこに?」


「だからそれを助けに来たんだろう? 大丈夫か二人とも」


 リゼラスが訳の分からないといった顔をしている

 だが、ルーナといなみは覚えている

 今しがたまでそこにメリルがいて、話しをしていたことを


「一体何が起こってるんだろう? メリルさんが消えて、皆助け出したことまで忘れてる」


 その時ルーナ達の目の前にテレポートで軍勢が現れた


「な、なんて数の兵たちだ…」


 率いているのは、捕縛していたはずの三人、それに先ほど逃げた三人だった

 後ろにはおよそ数万の一般兵、もちろんその手には能力者を無効化する装備が握られている


「射撃用意!」


 バロンが手をあげる


「まずい! 撤退しろ!」


 リゼラスが叫ぶが、一足遅かった

 

「撃てー!」


 兵たちは一斉にその手に構えた銃を撃った


「ハァ!」


 だがギリギリでルーナが防御用結界を展開

 弾は一発も届くことなく兵たちが打ち尽くすまで結界を保った


「ほぉ、ここまでの能力を有する者がいたとは驚きですね」


 バロンは先ほど負けたのを全く覚えていないようだった


「私が行きましょう。 同盟国であるアメリカのため少しでも役に立たないといけませんからね」


 そう言ったのはロシアのウイラだった

 彼女も負けたことを覚えていない

 いや、こちらのことを知らないかのようだ


「もしかしてこれって、改変されたんじゃ?」


「メリルさんが言ってたトラヴィスって人がですか?」


「うん、その可能性、というか多分確実にそうなんだと思う」


「私たちには効いていないみたいですね」


 二人はうなずきあうと、敵能力者たちへと一気に間合いを詰めた


「な! はやっ」


 ウイラが驚いたが、構わず能力者六人を一瞬でのす

 後ろに控えていた兵たちに動揺が走るが、すぐに立て直して銃弾を補充し、再び構えて撃ち始めた

 それをルーナがガードしつつ制圧していく

 およそ10分ほどですべての兵を制圧し終えた

 能力者たちは全員パリケルによって捕縛される


「さぁ、メリルたちアメリカのレジスタンスはどこへ行った」


「答える訳ねぇだろ。 お前ら馬鹿なの?」


 アイルは馬鹿にしたように笑う


「まぁそう簡単に答えるとは思っていない」


 ルーナは再び彼らを洗脳して居場所を聞き出した

 この地にて捕らえられたメリルはすでにワシントンへと身柄を移されたそうだ


「その時にはすでにあの女は死にかけていたから、もう死んでるかもしれねぇな」


 不吉なことを言うアイルを眠らせ、ワシントンへと移動する準備を始めた

 

「未来を改変された。 せっかくメリルさんを助け出せてたのに」


 悔しがるいなみ


「本当に変えられたのか? 私たちは何も感じなかったぞ?」


「一体どうなってるぜな? なんでルーナといなみだけ覚えてるんだぜな?」


(それはあの二人が俺たち上位の神と同じ力を持っているからだ)


 答えたのはパリケルが持つシンガの核だ

 

「ということはシンガ様も覚えているんだぜな?」


(うむ、確かにお前たちはメリルという人間を助けていたぞ)


 シンガが言うのならば間違いないのだろう

 

「とにかくワシントンへ行くぜな。 美智、頼めるぜな?」


「え、ええ、それにしても未来を改変しちゃうなんて、そんなのに勝てるの?」


「勝って見せます。 私たちにはその能力は効きません。 何とかなりますよ」


 みんなを励ますように張り切るルーナ

 全員美智のそばに来ると、一気にワシントンへと飛んだ


 アメリカの首都、ワシントンDC

 何事もないかのように人々が普段通りの生活を送っている

 

「本当にここなのでしょうか?」


「洗脳して聞き出したんだろう? 嘘を答えるとは思えんが」


「よし、なら俺様が町中のカメラにアクセスしてメリルを探すぜな!」


 人目に付かないところで四号を降ろすと、プラグを伸ばしてそのあたりにある電柱に刺した


「3分ほど待って欲しいぜな」


 パリケルが急ピッチで捜索作業を始める

 メリルの特徴を四号に打ち込み、カメラから取り寄せた情報と照らし合わせてメリルを捜索した


「お、見つけたぜな」


 二分ほどで探し出してしまった

 

「どうやらホワイトハウスって場所にいる見たいぜな。 う~む、かなり衰弱してる見たいぜな」


「急ごう! メリル殿を助け出すのだ!」


 少数で乗り込むことにし、美智、ルーナ、リゼラス、いなみ、パリケル、そして数人の元特殊能力者と共にホワイトハウス近くの公園へと飛んだ

  

 国の中心であるホワイトハウスはもちろん警備も厳重で、そう簡単には入れるものではないが、ルーナの隠匿の力でならば突破可能だ

 全員に隠匿をかけると、警備に当たらないよう注意しながら慎重に進んだ


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