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アナサ頑張る1

 少女は女神の眷属

 もともとはただの人間で、母親に捨てられた少女

 彼女は双子女神の娘となり、今までにないほど愛情を注がれて幸せに暮らしている

 そんな彼女は二人の役に立ちたいと考えていた

 何かやることはないかと聞いたが


「大丈夫ですよ。 キュレスさんの手伝いはパリケルさんの元弟子たちがやっていますし、戦闘訓練は桃さんやジェインさん、ゴーンさん、セリアンさんやグリドさんたちが行ってますし」


 確かにやることがなかった

 しかし女神の眷属となったアナサはこのままではいけないと考える

 そこで姉のような存在であるピニエに相談することにした

 彼女ももともとアナサと同じ魔人であるが、現在は聖人として教会でこれまでの罪を償うように女神に使えながら、聖女クノリリアと共に仕事をしている


「というわけなのよ。 私、もっともっとアウラ様の役にたちたいの」


「でもアウラ様自体が大丈夫とおっしゃったのでしょう? ならできることはないんじゃないかねぃ」


「でも、あたし今までさんざん迷惑かけたし」


「なら自分で見つけなさいよぉ。 その方がアウラ様も喜ばれるんじゃないかねぃ。 アナサが進んで何かをやることで成長を見せてあげるのよぉ」


「なるほど、さすがピニエ、ありがとう」


「いつでも相談に来なさいねぃ」


 微笑むピニエに再度お礼を言って教会を去った

 

「ふんふんふ~ん♪ ふん~ん~んん~♪」


 鼻歌を歌いながら自分の出来そうなことを探した

 街では女神の眷属であるとすでに伝わっており、ところどころであいさつされた

 彼女の容姿は以前とは違い、より神に近い姿をしている

 そのため魔人だったと気づくものはいない

 

 アナサは街で人々の悩みを聞き、解決することにした

 あるところでは魔物退治、あるところでは農園の手伝い、またあるところでは道路の整備と精力的に活動した

 その結果、彼女は自身に信仰心を集めることに成功した


「あれ? なんか違う気がするけど、まぁ役に立ててるからいいか」


 彼女の生活は今充実していた

 そんな彼女に女神からお願いを聞いてほしいと話が来る


「アナサ、あなたに情報収集をしてほしいのです」


「情報収集? 何のですか?」


「実は今上位の神々の間で不穏な空気が渦巻いているのです。 何か得体のしれない存在が出現したようでして」


「だからあなたには様々な世界でその何者かの情報を入手してきてほしいのです。 それと、以前ここに来た消滅の神シンガ様を覚えていますか?」


「あぁ、あのとても私たちじゃ敵いそうにないヤバそうな神様ですね?」


「えぇ、あの方がその得体のしれない何かにやられてしまったそうなのです。 体を砕かれてかけらとなったシンガ様はバラバラに異世界中に飛んで行ってしまったようで、上位の神様方から捜索の手伝いをするようお達しがありました」


「な! なぜ私たちの世界を滅ぼそうとしているやつを助けなければならないのですか!」


 憤慨するアナサを安心させるように二人は微笑んだ


「大丈夫ですよアナサ。 良い報告もあるのです。 シンガ様はこの世界を滅ぼさないよう上位神様たちに掛け合ってくださったらしく、この世界の危機は既に去りました」


「え? そんな簡単に取り消されるものなのですか?」


「えぇ、まぁ、私たちも戸惑っています。 正直上位の方々の考えは私たちのおよび知ることではなく」


「まぁ、そう言うことならやってみます。 ところで、どうやって他の世界に行けばいいのですか? 私にはそんな力ないですよ?」


「それに付いては問題ありません。 転移の神エインカ様から力を貸し与えてもらっています。 それをあなたに貸し与えましょう」


「なるほど、あともう一つ質問を。 私そんなに力は強くないですよ? もし敵と会った時は?」


「すぐに逃げてください。 何よりもあなたの安全が最優先ですから」


「わかりました。 それじゃぁ準備してきますね」


 会話を終え、意気揚々と準備をしに自分の部屋へと戻った

 旅に出ることも楽しみだが、何より母である女神に必要とされていることが実感できてうれしかった

 しかし、女神達は本当はアナサを旅に出したくはない

 それほどに可愛がっていたからだ

 

「準備できました!」


 女の子らしい可愛いバックパックを背負い、服装も身軽なものに着替えた

 これからは一人旅、助けてくれる人もいない

 だからこそ女神達は心配だった

 しかし、この旅でアナサは神として成長できるかもしれない

 いずれは自分たちの正式な後継者として迎え入れるために、彼女の成長は必要不可欠だった

 

「では、行ってきますね!」


 こうしてアナサは旅立った


個人的に気に入ってる子なので動かしたかったんです…

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