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オルファスにて

 キュレスたちはオルファスへと転移し、二柱の女神に出会った

 二柱ともすんなりと受け入れてくれる

 事情はパリケルからすべて聞いているため女神達はキュレスを保護することにした


 この世界の住人には訝し気な目を向ける者や、怖がる者もいたが、七英の気さくさと、他人を思いやれる性格によって段々と打ち解けていった


「現在この世界は消滅の危機にあります」


 ある日、そう女神に告げられた

 シンガという消滅の神が攻めてきたあの日のことを教えられる

 軍勢の神が召喚した兵たちはこの世界の者では太刀打ちできず、なすすべがなかった

 下位次元であるオルファスはすぐに消滅させられるはずだったが、そうはなっていない

 それはシンガの気まぐれによるもの

 パリケルに興味を持ったからであった

 

「確かに、あの子からは何か変な気配を感じたわ。 まるで神聖な、そう、神様が纏うような気配を」


 それがキュレスがパリケルを見た感想だった見た目も気配も人間そのものなのだが、ふとした瞬間に神の気配を纏うことがあるのだ

 それは何かを開発しているときや何かを考え込んでいるときなど

 

「やはり、ですか。 あの子はもともと初老の男性でした。 魂の根源を探る研究をしていたパリケルはその過程で自らを転生させました。 それは私たち底辺の神ではできない行為です。 あの子は、転生する前に魂の根源、神の領域に触れました。 そこから力を得たのでしょう。 まだどのような力なのかはわかりませんが、それはいずれ覚醒することでしょう。 恐らく上位の神々はそれを良しとせず、この世界を滅ぼすことにしたのかもしれません」


 衝撃的なことを女神から聞き、キュレスは開いた口がふさがらなかった

 人が神になる世界はあるにはあるが、そこは上位の神々に認められて実験的に成れているだけである

 神にはなれるが、絶対的な特別な力を持つことはない

 しかしパリケルはそれを自らの力で成した

 それだけの才能があったのか、たまたまなのかは誰もわからない

 一つだけわかるのは、彼女が覚醒して神格化したとき、上位の神々に匹敵しうるだけの力を持っているということである

 シンガはそれに興味を持ったのだ


「どうやったらその力を手に入れれるんですか?」


 キュレスはかなり興味を持ったようだが、女神は首を横に振った

 

「分からないんです。 よしんば手に入れることができたとしても、ほぼ確実に力にのまれ、人でも神でもない何かになるでしょう」


「そう、ですか…」


 パリケルの行為は魂その物に力を刻み込むのであまりにも危険だ

 通常の人間では不可能である

 それほどにパリケルは異様だった

 

(どうにかして手に入らないかしら、その力、きっとお姉さまのお役にたてるはず)


 キュレスはそう考えていた


「あの、あの方の研究施設はどこでしょう? 私も興味を惹かれました。 ぜひ見てみたいのですが」


「いいですけど、絶対に試してはだめですよ? 私たちでは暴走を止める手立てがありませんから。 一応監視もつけさせてもらいます」


「えぇ、そうしてください」


 試すも何も暴走してしまっては意味がない

 しっかりと解析して確実だと思える方法を探す

 それが今のキュレスにできることだった

 

 それから七英のテントラを連れてパリケルの研究室にて研究を始めることにした

 女神からもそう言うことならばと許可も得ることができたので、大手を振って研究することができるようになった


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