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 鹿山にたどり着くと、二手に分かれた

 ルーナとパリケルが潜入組、リゼラスは外で暴れて注意をそらす

 

「かなり危険です。 一応銃弾を跳ね返せるくらいの防御結界をかけておきますが、あまり私から離れると機能しなくなるので一通り暴れたらどこかに隠れてくださいね」


「分かった。 そちらも十分に気を付けてくれ。 まぁルーナ、君がいれば大丈夫だとは思うが」


「援護はこの俺様にまかせるぜな」


 ドンと平らな胸を叩くパリケル

 二手に分かれた三人、リゼラスはすぐに行動を起こした

 近くにいた兵をみねうちで叩き、そのすぐそばにいた兵も殴って叩き伏せた

 それを見ていた兵たちが慌てて集まり始める


「侵入者あり! 侵入者あり! 武装しているぞ! 件のテロリストに違いない、囲め、無力化するのだ。 場合によっては殺害も許可されている。 おい貴様、おとなしく投降すれば危害は加えん」


「それはできない。 お前たちにはしばらくの間眠っていてもらうぞ」


 リゼラスが刀を抜き放つと兵たちは銃器を構えた

 アサルトライフルのような武装、この世界の兵に通常配備されているものだが、魔物を倒すためにかなりの強化がされており、弾が当たり体内に侵入すると炸裂する仕組みだ

 一撃でも当たってしまえば致命傷は避けられない

 しかしリゼラスはその脅威の動体視力で躱し、刀で弾の軌道をそらし、または切り裂いて全く弾が当たらない

 兵たちはたじろいでいる

 その隙をついて一瞬のうちに囲んでいる兵の包囲網を突破した

 

「逃げたぞ! 追え!」


 兵たちはうまくリゼラスの方へと誘導されていった

 

「パリケルさん、こっちへ」


 パリケルの手を引くと、ルーナは光学迷彩を発動した

 これで周りからは見えないが、音などは聞こえるのでゆっくりと進む

 まゆかが確認された工場へと侵入し、彼女が閉じ込められている場所を目指す

 以前の施設と違って地下や上の階はなく、だだっ広い場所に機器が所狭しと並んでいる

 まゆかはここの最奥に捕らえられていた

 

 誰にも気づかれることなく素早く移動し、まゆかの元へたどり着いた

 拳に力を込め、機器を破壊


「なんだ!? 急に装置が…」


 周りの研究員は驚いている

 ぐったりとしているまゆかを抱え、パリケルを掴んですぐに施設から抜け出そうとしたが、それは叶わなかった


「やっぱり来た。 さぁ、エイシャ様の力を返しなさい。 おとなしく返せば今後手出しはしないわ」


 すぐに嘘だとわかる嘘をつくのはキュレス

 ルーナがおとなしく返そうが殺す気でいた

 それに、キュレスの後ろには以前よりも騎士が増えているようだ

 どうやら世界中に散った彼らを久慈川が集めてきたのだ

 彼らの目にもまた光はなく、キュレスたちと同じように操られている


 光学迷彩をいともたやすく見抜かれているのは七英騎士の一人、千里眼を持つテントラという若い男が捕捉したからだ

 

「エリヴィ、カリニア、装置を起動して」


 名前を呼ばれた二人は懐からルーナの力を吸い取る装置を取り出した

 一つだけでもルーナの力をある程度抑えることができたのだが、それが二人合わせて20個もある

 それらを起動してルーナに向かって放り投げた


「まずいぜな! ルーナ、こっちへ!」


 パリケルが背負っていた4号を投げた


「4号ちゃん! スーパーガトリング!」


 ネーミングセンスはともかく、その威力はすさまじかった

 あっという間にエリヴィとカリニアが投げた装置を砕く

 

「嘘でしょ!? この装置、前のと違ってアダマンタイト製よ?」


 キュレスは驚いた


「フン、4号ちゃんの弾は俺様が開発したヒヒイロカネとオリハルコンの合成金属ぜな。 アダマンタイト程度の金属目じゃないぜな!」


 胸を張っているパリケルを見てキュレスは悔しそうに唇をかみしめた


「何やってんのよエリヴィ! カリニア! あいつらを殺しなさい!」


 エリヴィは背負っていた槍を、カリニアは大剣を抜く

 二人は同時にパリケルに襲い掛かるが、その動きは4号が射出した糸によって止められた

 相手を縛る糸、こちらも合金でできていた

 ヒヒイロカネの伸縮性も備えているためまったく切ることができない


「あまり動くとバラバラになるぜな。 それ以上は動かない方がいいぜな」


 それを聞いても二人は動くのをやめない

 糸が食い込み、皮膚が切れ始めている


「うそ! 動いたら死ぬって言ってるのに!」


 4号に指示を飛ばして糸を戻させる

 拘束を解かれた二人は再びパリケルに襲い掛かる

 それをぎりぎりでルーナが止めた

 

 それを皮切りに騎士達とルーナの戦闘が始まる

 サニーに戦闘を任せるためにルーナはシフトする


(サニー、あの人たちを止めてあげて!)


(うん、お姉ちゃん、わかってるよ。 あの人たち、すごく苦しそうにしてる。 助けてあげなきゃ)


 サニーはその拳を構えて騎士達を迎え撃つ 


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