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キュレス3

 歩き続けて数日、東都へとたどり着いたキュレスたちはそこにいる調査隊に話を聞いていた

 突如として人が消えた原因はまだわかっていないが、世界各地で同時多発的に起こったらしい

 

「この世界の人間は馬鹿ばっかりなのかしら? どっかで異世界の研究とかしてないの? 絶対そこが原因よ」


 調査隊を見ながらキュレスはつぶやいた

 街には入れなかったためそのまま南下していくことにした

 追跡装置が反応しないためどこか騒ぎの起きている場所を探す

 

「それにしても人が消えたって言う騒ぎ以外何も起きてないですに。 ホントにここにいるんですに?」


 特に騒ぎは起きていないようだった

 ひとまず街の外にあった公園で目的地を見るために地図を広げていると、東都が騒がしくなった

 銃を撃つような音まで聞こえてくる


「あら、これはこれは、やっと問題を起こしてくれたようよ」


「あぁ、やはりここにいるようだな」


 東都からあの三人が飛びあがるのが見えた

 そこにもう一人少女の姿が見えた気がしたが、今は三人を追う

 

「っく、飛ぶなんて卑怯よ!」


「あれでは追いつけんな」


「任せるですに! あの子の臭いを追うですに!」


 彼女は猫の獣人だけあって臭いや音に敏感だ

 彼女なら三人を追うこともできるだろう


「さぁ、あの子の臭いの付いたものをよこすですに!」


「ないわよそんなもの」


 ルーナの臭いの付いたものなど持っていなかった

 三人の時が止まる


「いいから追うのよ! 見失っちゃうじゃない!」


 ハッと我に返った三人と騎士たちは慌てて空を飛ぶルーナ達を追って走り出した

 

「ちょ! 追いつけるわけないじゃないあんなの! なんて速さで飛ぶのよ!」


 空気を裂き、まるでジェット機のようなスピードでどんどん見えなくなっていった


 結局追いつけるはずもなく、キュレスはその場で地団駄を踏んだ

 

「ま、まぁいいわ。 向かった方向は分かってる。 グリド、あっちの方角はなんて街?」


 グリドは地図を広げ、方角を確認する


「小坂、明京、この辺りに大きな街がいくつかあるようだ」


「そのどっちかにいる可能性があるわね。 全く、増援はいつ来るのかしら? 私たちがそろえばあんな奴らすぐにでも消せるって言うのに!」


 増援は三人がこちらに来るとき一緒にこちらに来たはずの残りの七英騎士だ

 どうやら次元渡りの際にこちらの異次元研究の副作用が影響し、バラバラに飛ばされてしまったようだ

 現在連絡も取れないのでどこに飛ばされたかもわからないが、生体反応はずっとあるので死んではいないようだった


「とにかく小坂に向かうわよ!」


 三人と騎士達は再び歩き出した

 先の予定通り南下していけば到着するだろう

 ひとまず途中にあった店で食料を買い込んでおく

 支払いはこの世界のお金を持っていなかったため金塊だ

 店の人は驚いて引き留めていたが、それを無視して再び歩き出した

 

 季節は夏ということもあって汗ばむ

 普段なら魔法で体を冷やすのだが、この世界で魔法は使えないため、氷や購入した飲み物で体を冷やした

 

「あっついわねぇ。 どっかで水浴びとかできないの?」


「ふむ、この世界は自然が少ないようだな。 みろ、あのように汚れた川では病気になってしまうぞ」


 グリドが指さす先にはゴミや廃棄物で汚れきった川

 

「愚かですに。 人間は自然から多くの恩恵を受けているですに。 こんな世界滅んでしまえばいいですに」


 珍しくオルリアが怒っている

 彼女の種族は自然に生きづく種族だ

 だからこそ自然を大切にする

 この世界の住人が自然を汚しきっていることが許せなかった


 それから数日かけて明京までたどり着いた

 ここは最初に着いた街のように人がいない

 仕方なくホテルを拝借して騎士達全員で泊まった

 その日はゆっくりと休み、ルーナ達がいると思われる小坂へと向かうことにした


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