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「役立たず鑑定士」と捨てられた俺、全部鑑定したら勇者より強くなった  作者: 愛田茶々


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8/10

5話 覚醒する鑑定士-2

早くも毎日投稿はあきらめました。できるだけたくさん投稿できるようがんばります!

【鑑定スキルがLv10に到達──固有スキル『因果の強奪』が解放されました】

【観測者Lv1を取得しました】


視界が、単なる情報の羅列を超えていく。


サイラスが放とうとしている、破壊を目的とした膨大な魔力の奔流。


それとは対照的に、激しく脈動するランタンからは、幾千もの細い銀色の糸が、周囲のガラクタや……そして、倉庫内にいる職員たちやサイラス、俺へ繋がっているのが見える。


「……ま、待ってください、サイラス様! 壊してはダメだ!」


俺の叫びに、サイラスの杖先が止まる。その鋭い眼光が俺を射抜いた。


「何を言う、鑑定士。この魔力密度……放置すれば倉庫ごと吹き飛ぶぞ。被害が出る前に霧散させるのが道理だ」

「違います! この中にはまだ、あの子が……少女が生きています!」


俺には見えている。


ランタンの中で、エリナの首筋に絡みついている銀の粒子を。

この呪われた品が、エリナを燃料にしているだけでなく、その「鎖」を通して外部の悪意を吸い上げ続けているのだ。


「……なんだと?中に人がいるというのか」

サイラスが絶句する。


魔導師長である彼にすら、銀色の魔力が遮断して中の様子は見えていないのだ。


俺の「観測者」の眼だけが、この空間の真実を把握できている。


倉庫に充満した銀色の光が、まばゆさを増す。


ランタンの水晶に亀裂が走る。


サイラスは凝縮した魔力の行き場を失い、戸惑ったままだ。


(......やるしかない……!)

俺は駆け出し、死を招く銀の光の中へ真っ直ぐに手を伸ばした。

「馬鹿か! 死ぬぞ!」

サイラスの制止を無視し、指先がランタンの冷たい金属に触れる。


凄まじい衝撃が脳を揺さぶる。

だが、今の俺には「見える」。情報の繋ぎ目が。


【深銀の揺り籠(呪)】の奥にある、エリナのほうへ対象を集中する。


【対象のステータスから『因果』を剥離します。対象を選択してください】


脳内のログに、俺は迷わず念じた。

(エリナを縛る『封印』、それを奪う!!)

「――『強奪テイク・オーバー』!!」


その瞬間、世界から音が消えた。

ランタンに巻き付いていた銀色の奔流が、逆流するように俺の右腕へと流れ込む。

熱い。骨まで焼けるような激痛。


だが同時に、ランタンの内を渦巻いていた銀色の粒子が、倉庫に充満していた光が、パキンと乾いた音を立てて砕け散るのを観測した。


銀色の光が霧散していく中、砕けたランタンの中から、小さな身体が崩れ落ちる。

俺は焼けるような腕の痛みも忘れ、その身体を抱き止めた。

腕の中に、確かな温もりがある。


埃っぽくて、少し冷たくて、でも間違いなく生きている少女の重み。


【『封印』の強奪に成功しました】

【呪物『深銀の揺り籠』から『生命吸収』の強奪に成功しました】


「…………は、はは」

乾いた笑いが漏れた。

一か八かの作戦だったが、成功したようだ。


ただ「見ていただけ」の役立たずの鑑定士が、王国最強クラスの魔導師すら手が出せなかった呪いを、力ずくで毟り取ってやったのだ。

「……信じられん」


杖を下ろし、呆然と俺を見つめるサイラスの呟きが聞こえた。


「これが今の俺の仕事です。これこそが仕分け、ですよ」

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