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「役立たず鑑定士」と捨てられた俺、全部鑑定したら勇者より強くなった  作者: 愛田茶々


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第17話 もう一つの勇者パーティ

ちょっと多めに狩りをしながら、俺たちはようやくルナシリス湖のほとりへとたどり着いた。


飛水蛙という、新しい魔物も倒した。青い皮膚を持つ蛙型の魔物で、ピョンピョンと飛び跳ねる厄介なヤツだった。


【名称】飛水蛙アクアホッパー

【種族】 魔物

【レベル】10

【基本ステータス】

 HP: 75 / 75

 MP: 110 / 110

 筋力: 20

 防御: 12

 敏捷: 55

 魔力: 22

 精神:22

【スキル】

『跳躍Lv6』『水渡りLv2』『水属性魔法Lv2』『泡沫足場(バブルステップ)


空中を飛び跳ねながら水弾(ウォーターショット)を打ってくるため、四方八方から攻撃が飛んでくる。


さらに、固有スキル『泡沫足場(バブルステップ)』によって、空中に足場を形成してくるため、軌道も読みにくい強敵だった。


所詮Eランクの魔物ということで、攻撃を食らってもさほど痛くないのが救いだった。



──そんなこんながあって。


視界に広がるのは、どこまでも穏やかな紺碧の湖面。

そして、足元に群生しているのはどう見てもただの雑草にしか見えない緑の絨毯だ。


「さて、宝探しを始めますか」

俺は『月見草』のみをサーチにかける。


「あった……これか」


【月見草】

【品質:良】

【説明:綺麗な水辺に自生し、夜間のみ開花する。上級ポーションの素材。】


通常、夜間にその花弁が開いているかどうかで判別するこの薬草は、太陽の下では周囲の草木とまったく見分けがつかない。


俺はナイフを取り出し、根元を慎重に切り取った。

エリナにも協力してもらいながら、俺たちは淡々と作業をこなしていく。


「ふぅ……こんなもんか」

魔法鞄(マジックバッグ)の容量を考えれば無限に採れそうだが、何事もほどほどが肝要だ。

ギルドで回復薬の完成を待っている冒険者もいるしな。


「……? 依人、あそこ。何か浮いてる……」


エリナが指差した波打ち際に、白く不自然な「塊」が漂着していた。

一瞬、水玉鹿の死骸かと思ったが、鑑定眼を向けた瞬間に背筋が凍る。


「……人間、か?」


それは、ボロ布のような服を纏った、半ば白骨化した遺体だった。

だが、肉が削げ落ちたその手首に、不自然なほど存在感を放つ黒鉄の腕輪が嵌められていた。


「これ……『隷属の腕輪』だ」


【名称:隷属の腕輪(呪物)】

【状態: 破損】

【詳細: 王都グランゼルド・王立魔導院が管理する拘束具。対象者の魔力回路に介入し、その自由意志を剥奪する。】


「隷属の……?」


その不穏な響きに、エリナが怪訝そうに眉をひそめる。


「これがグランゼルドの裏側なんだろうな。陽斗たちも、これと同じものを嵌められているらしい」


「……帰ろうか」


嫌なものを見てしまい、沈んだ気分になりながら帰路を急いだ。


湖畔の草原を抜け、街道に差し掛かったところで、前方から銀光の集団が押し寄せてきた。

王国の紋章を掲げた、王国騎士団だ。


「おい、そこの貴様ら!そこで何をしている!」


先頭の騎士が、馬の上から傲慢な怒声を浴びせてくる。

俺が黙って冒険者カードを提示し、ギルドの正式な依頼で薬草採取に来た旨を伝えると、男は「フンッ!」と鼻を鳴らし、そっぽを向いて行ってしまった。


砂埃を上げて通り過ぎる、厳重に守られた豪華な馬車。

お偉いさんの護送か何かか──そう思った瞬間、風に揺れた荷台のカーテンの隙間から、中の様子が視界に飛び込んできた。


そこにいたのは、豪華絢爛な装備に身を包んだ四人組。

あの勇者一行と酷似した、眩いばかりの装い。


このときは、まだ確信とまでは至らなかったが──。


それは、レゾナンスとは別の勇者パーティだったのだ。

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