超傑作中華SF三体未読の方へ。宇宙一ヤバいから読め
お前たちは虫けらだ
悪口じゃないです!!引用なんです!!ゆるして
なんで世間でのブームが過ぎた頃に一人でハッスルしてんだ、ってのはさておき、時を2025年8/7深夜に戻そう。
場所はXX県XX市、クソみてぇな安普請アパート(木造2階建て)の一室。
聞こえるだろうか?三体Ⅰを読んだ筆者が衝撃のあまり椅子から転げ落ちる音が。
続いて同年8/9、クソみてぇな安普請アパート。三体Ⅱ読了。
見えるだろうか?海原雄山の出した鮎を食った時の京極万太郎のごとき顔をした筆者が。
聞こえるだろうか?
「これに比べると今まで読んだSFはカスや」(注:おそらく単に筆者が読んだSF小説の絶対数がカスなだけである)という悲鳴が。
8/11。クソアパート。三体Ⅲ読了。
あぁ^〜!宇宙猫の顔ォ^〜!!(鳥羽美音子:ナレーター)
はい。読了済の方はなんとなく「ああ~……」となりそうな、凡人サンプル3000万人目みたいな反応が上記です(世界で3000万部売れたそうです。一国の人口レベルですね。ヤバいね)。
筆者はそもそもSF方面に疎く、なんなら一番好きなのはスター・ウォーズだった。だった。
というか、SFというものは中身がだいたい理解できない。虫けらですね。イン◯ーステラーのクライマックスとか、愛ぃ~~???って宇宙猫の顔をしていた(インセプションの方が好き)。
だから「俺の宇宙では(音が)出るんだよ」みたいなジョージ・ルーカスのつよつよ強弁が大好きだった。分かりやすいほうが良いじゃんねえ。単細胞である。ジョージ・ルーカスがじゃないぞ、筆者がだ。言う必要もありませんね。虫けらゎ私です。
まずサイエンスありき、ではなく、エンタメの延長として、フレーバーとしてのサイエンス。筆者はそういう立ち位置の虫けら読者である。
ついでに言えば、そもそも読書から離れて長い。ここ4年、5年くらい、年10冊読んでたら、よくやったねえ(ホクホク顔)くらいのレベルになっちゃってる。
昔はもっとこう、割とゴリゴリ読んでたんだけれども、一回離れるともうダメよねこれ。
そのくせマッチングアプリのプロフィール、無趣味はアカンなぁと思って「趣味ゎ読書♡」とか書いて、「最近何読んだんですか?」とか言われてアワアワ狼狽える虫。最近読んだのゎポルノ小説でーす!!とか言えないじゃないの。重松清のエロ小説、そこはかとない「なろうみ(このような形容語句は日本語として成立するのだろうか)」があっていいですよ。シコれるかっていったらシコれないけども。悲しいのは抜けない。
んで、そんな文化的堕落を享受した人間がなぜよりにもよって三体とかいう、クソ分厚い鈍器レベル(Ⅰ〜Ⅲまでで文庫本で5冊もある。ⅡとⅢが上下巻なので)のSFに手を出したかというと、これ①筆者の性癖と②ゴジラと③AIエロ絵生成のせいなんですね(クソみたいな三体ですね。訂正、ゴジラはクソではない。クソは筆者である)。
まず筆者は「討ち死に」が性癖でして、中学校のあたりから授業中はもっぱら下記のような妄想をしていた。
・なにかしら主人公めいた集団の活路を開くために、なにかしら敵役っぽい連中(ショッカーめいた奴ら)100人くらいを相手取る。この時、筆者の強さは主人公めいた集団の1/100くらい、ショッカーひとりもそれと同程度とする
・5人倒したくらいで、ショッカーの槍状の武器が腹部を貫く。さらに戦闘続行し、さらに槍状の武器が何本も刺さってお刺繍の針刺しみたいになる(お刺繍の針刺しが動くのを見たショッカーのひとりが「こいつ本当に人間か!?」みたいなセリフを吐くとなお良い)
・10~20人くらい倒した所で立ったまま死ぬ。戦場を沈黙が支配
・その後、敵の一人がこう、槍で筆者をツンツンして、筆者はグラッと倒れる。死んでいるのを確認して、筆者を踏みつけにして去っていくショッカー達
・遠く離れた地点で、何かを察して振り向く主人公(それでこいつはいったい誰なの?)。先を急ごう、とヒロイン(こいつも誰?)に催促される。あいつの意志を無駄にすんじゃねー!とか言うデブキャラ(これも誰)。後ろ髪を引かれながら駆け出す主人公(誰)
・半笑いの筆者の死に顔(タバコを咥えてたらいいんだけど、この状況でいつ咥えたらええの?)を映しつつ、カメラフェードアウト
というようなクソ話を酒の場でして、だいたいクソ虫を見るような目で見られるのだが、その時はたまたま似た性癖の人がいて、
「君ゴジラ好きだったよね?プロジェクトメカゴジラとか読んでないの?」
とかなんとか言われた。
なんでも全人類討ち死に!みたいなゴジラ小説で、勧められたものの内心「討ち死にはやっぱり個人レベルじゃないとなァ~、あとその手のノベライズってなんかこう……アレじゃん?(偏見)」となって、義理立てでアマゾンでポチりはしたものの積んでいた。
で、筆者はnovelAI初期辺りからAIエロ絵量産にハマっていて(中華勢のせいでサーバー重くなってみんなでキレた翌週くらいに、これまた中華勢が当時にしてはトンデモクオリティの激長プロンプト=元素法典を発明して手のひら返しで崇めたりしていた。今思えばあの時に彼らの創造性の高さを悟るべきだったかもしれない)、その後ローカル生成に手を出し、シコりすぎて飽きて1年位放置して、最近またやりだした(これを量子力学の世界では【オカズ一巡現象】と呼称する)。
AI絵をローカル生成している方々はよく分かると思うが、生成中の待ち時間がまあヒマである。まして筆者の安月給で購入したクソ貧弱PCはなおさらだ。
最初は映画や洋ドラを並列で垂れ流しにしていたものの、貧弱PCちゃん(最近よく顔面真っ青になって謎のQRコードを表示しながらブーーーとか言って再起動するこまったちゃん)なので、かかる負荷は最小限にしたい。
なので、AI絵生成が終わるのを待つ間、読書習慣が復活したのである。適当に古本屋で買ってきた貞子vs伽椰子(これ映画と違った味があっていいんですよ)を読了、実話怪談の短編集を何冊か読んで、そういやゴジラの小説積んでたなァ~って積んでた怪獣黙示録とプロジェクトメカコジラを引っ張り出してきて、
まあ刺さった。刺さったんです。
本筋から外れるから割愛するけど、やっぱガイガンね。読んだ人みんな言うけど、ガイガン。
「医官どの、ガイガンは、ゴジラに勝ちましたか」
「勝ったぞ。俺たちのガイガンがゴジラに勝ったんだ」
ギャーーーーー!!!ガイガーーーーン!!!!!「俺たちの」ガイガンってのが、これまた、ねえ。
ガイガンにここまで感情を動かされる日が来ようとは。ガイガンだぜ?なんだいそのダサいバイザーと鎌は!
会社の先輩が昔、初めて買ったソフビがガイガンだと言っていたので指さして笑っていたが、今思えばあの先輩とんだ慧眼である。
そもそも筆者の生家にあるソフビはキングギドラ(幼体)である。なんだよ(幼体)って。成体を買え!!
というか、割愛とか言って、280文字も書いてるな。ゴジラの話になるとこれだ……あれ、ゴジラの話はしてないな。ガイガンとキングギドラ(幼体)じゃねーか!閑話休題。
とにかくこれ、壮大な人類討ち死にである。ネタバレだけど。まあ、なんかよくわからんアニメの前日譚だし、ネタバレだろうがノーカンよね。ノーカン(念押しするが、アニメはともかくこの2冊は文句なしに面白い)。
それですっかり全人類討ち死ににハマったので、AIくんに聞いた。「とんでもねーバイブスのメンタルジェットコースター阿鼻叫喚人類討ち死に作品を教えろ!!!!」って。
AIくん「三体です」
三体かあ。
◯
名前は知ってたのね。三体。
ネトフリでもやってたし(当時、観てはいなかった)。
読書フリークはみんな「やばい」言うし。
でも、読んでなかった。これもたぶんみんな言うことだけど、あまりにもとっつきにくい。
レビューは「綿密に練られた考証がやばい」とか。「ウルトラハード(整髪剤か何か?)」とか。
おまけに中国だし(筆者は割と中国へ行くのでその手の偏見は全くないが、人名覚えられるか?とかそっちが心配だったが結論から言うと杞憂だった)、何より冊数よ。さっきも書いたけど、文庫本にして5冊。しかも全部分厚い(Ⅰとか厚み4センチ位あるよ)。やべーよやべーよ。
しかし、読了済の割と信頼できる知り合いに聞いたら「いいべ……」と中居くんみたいなこと言って遠い目するし、なにより折角読書習慣が(エロAI絵のお陰で)復活したので、まあ読まなきゃ本棚の肥やしにすりゃいいから……とエイヤ(昭和)で注文した。
この選択は生涯誇りに思いたい。大げさですね。
あらすじ:
やべー宇宙人、三体星人に地球がバレた!!三体人ががせめてきたぞっ!!
以上
馬鹿か?って思うでしょ?昭和特撮か。でも大筋マジでこれ。
んで、筆者は「ビームドーン!!シールド展開!!面舵いっぱい!!星間戦争うおおおおお!!!」みたいな感じ?って読む前は思った。どうも、SFに素養のない人間代表です。
ところが、これがぜんぜん違う(全くないではないけども)。じゃあジョージ・ルーカス信者としては退屈なんじゃないの?って、これもぜんぜん違う。
変な喩えで申し訳ないけんども、方向性で行ったらそうね、デ◯ノートとかラ◯アーゲームとかカ◯ジとかああいうのと、銀英伝の雰囲気(驚くべきことに、三体作中でヤンのセリフが引用されてる)と、2001年宇宙の旅と、ミステリとサスペンスを足して割らない感じ。意味不明である。どういう方向性だよ!!ってなるんだけども、謎の統一感とぐうの音も出ない考証に裏打ちされて、それが一個の強烈な個性になっている。さっき上げたうちのどれかを面白いと思う人なら、三体Ⅰまで読んだらたぶんⅢまで完走すると思う。
エンタメ感だけでも完走できる、これがまたやべー所で、筆者はⅡ読了あたりまでは必死顔でへったくそな絵やベン図らしきものを描いたりなんだりで、なんとかサイエンス部分を飲み込もうとしていたが、Ⅲの途中で筆者は完全に宇宙猫状態になり(このあたりから本格的にサイエンスみがヤバくなる)、宇宙猫顔のまま完走した。
これは理解を諦めたというより、理解するよりも話の先が読みたい状態だったのが多分にある(嘘じゃないもん!でも考えてももはや理解できなそうな感はある。あまりにもスケールがデカすぎる)。
高次元なんて想像できるか!俺はいとこのクソガキ(小6)が読んでたフラットランドを借りて読んでも真ん中あたりで宇宙猫になる虫けらだぞ!!
そんな筆者でも、うおおおお!!!って言いながらグイグイ読んで完走する。一日一冊読んじゃう。そんなパワーがある。
ネタバレは極力避ける方向で行きたいけんども、やっぱこう、ネットの海にゴリ押しの怪文書を投げつけてる以上、みんなに刺さりそうな場面はピックアップしたいよね。
ってんで、一部だけ。
・全人類絶望!!激ヤバ宇宙人に地球がバレた!!宇宙人からお手紙が来たぞっ!!
「お前たちは虫けらだ」
以上。以下余白。
ヤバい。なんだいその塩メールは。筆者がマッチングアプリで送られるメッセージか?
この簡潔なメッセージ一発で三体人のヤバさがもう、ビンビン伝わる。筆者も過去にマッチングアプリで送られた塩メールを思い出し無事死亡。
冒頭からさんざん書いてる「虫けら」の出どころがこれです。三体人の珍妙なセンス大好き。
余談だが、ここから長いこと三体世界からの通信はない。無言で地球陣営を完膚なきまでにボコボコにする。怖すぎる。それ故、次の通信がうおおおおポイント(棒持った猿並の語彙)になるのだ。
・主人公絶望!虫けら人類勝ち目なし!すわ全人類滅亡か!?そんな時、SFに場違いな、警察モノの中盤で部下に全てを託して謀殺されそうなタイプの刑事が主人公に喝!
「人類が出現する前と比べても、虫の数はまるで減っていない。地球人を虫けら扱いする三体人は、どうやら、一つの事実を忘れちまってるらしい。すなわち、虫けらは今まで一度も敗北したことがないって事実をな」
うおおおおおお!!大史!!大史!!
みんな大好きダーシー捜査官。中国でも刑事って言ったらこういうタイプなのかあ、と妙な関心。まあ、アメドラでもだいたい刑事ってこういう感じよなあ。デキる刑事風の人物、というのは万国共通なのだろうか。
エンタメ部分の半分くらいを背負う男。人気投票やったら1位だろうな。
この辺はまあ、だいたいみんな上げるだろうというか、販促漫画にも書かれてる部分なので、Ⅰの割と終盤の展開を含むけれど書いてしまった。
Ⅱ以降ももちろんうおおおポイントが多いが、さすがにそこは触れない。
Ⅰ自体がⅡへの壮大な助走めいた部分があって、Ⅱがとにかくエンタメ感が強めで読みやすく面白い。Ⅰはのっけから文革なので(原文版は違うらしいね)、そこもちょっととっつきにくさを助長してしまっているきらいはある。
ただもう、Ⅰも相当に面白い。が、Ⅱの疾走感たるや……どことなくなろうみのあるフックをちらつかせながら、ゴリゴリと胃壁を削るような三体人との宇宙デスゲームが進む。
ありきたりな例えで申し訳ないが、ジェットコースターのそれ。最後の最後まで、人類いけるやん!→これ無理でしょwww(余談:筆者はエロ漫画でチャラ男のセリフにwwwがついていると抜けなくなる)って展開を続けておいて、ラスト数十ページで、ミステリの解決めいた鮮やかな切り口でスパッと。
これはもう、何の、何???っていう、心境で言ったら、大掛かりな手品を眼の前で見せられたような。もしくは、居合の達人が竹だか藁だかをアレするやつ。
そしてみんな多分、Ⅱ読了後には表紙のサブタイトルを見てウームと唸る。
そしてⅢまで読んでみんな、宇宙猫顔になろう!!
ネトフリ版は見なくていいです(憤怒)
書いた後に読み直したら、酒を飲み始めたあたりから完全に支離滅裂で草
どこから飲み始めたのか、みんなで予想しよう
最初から支離滅裂なのは、それはそう(諦観)