表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
踊るだけで勇者パーティ最重要職!?テーマパークのダンサー、異世界でバフ職踊り子してます  作者: 烏丸 燈


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

69/80

第六十九話 家族の意味

 「反逆の意思、確かに確認しました」


 ドナードが静かに宣告する。

 その指が宙をなぞるたび、空間の法則がさらにねじれ、鉄のような規律が空気を支配していく。


 「ならば次は、《第二段階:封鎖命令》を行使しましょう」


 ドナードが掌を掲げると、空間の一部がまるで“切り取られた”かのように四分割された。

 それぞれの領域に、美怜・ツカサ・ティナ・カイルが強制的に引き裂かれる。


 「——っ!?」


 「分断した……!」


 「この《支配領域》内では、意志も力も孤立無援となる。あなたたちは“家族”を名乗った。だが、それが幻想であると知れば、心など簡単に折れる」


 分断された空間に、黒い鏡が浮かび上がる。

 その中には、それぞれの“最も恐れる幻影”が映し出されていた。




 ツカサの鏡には、塞ぎ込み何もできなくなった自分の姿。

 ティナの鏡には、女だからと家に閉じ込められる孤独な姿。

 カイルの鏡には、仲間も妹を守れずただ信仰にすがるだけの自分の姿。

 そして、美怜の鏡には、アルを助けられず、踊りの意味を失い、誰にも望まれず、ただ彷徨う自分——


 「心とは脆い。幻想が壊れた先に残るのは、ただの瓦礫。さあ、貴方たち自身で、それを証明してごらんなさい」


 だが——


 「……あたし、バカだからさ。分かってんだにゃ」


 ティナの鏡が、拳で叩き割られる。


 「一人で立ってるみたいでも、見えないところで誰かが支えてくれてるにゃ。あたしは、あたしを信じる!」


 《破境掌・烈波》——ティナの気功が空間を揺らす。


 「ほう……規律違反、強行突破。だが——」


 ドナードの指が動く。

 ティナの体に、無数の《制裁針》が突き刺さる。


 「っ……が、ぐ……ッ!」


 それでも、ティナは膝をつかない。




 カイルが唇を噛みしめ、祈るように両手を組む。


 「《神律界・断章》……聖なる“抜け道”、発動」


 彼の足元に、白金の輪が広がる。


 「ドナード、あんたの世界は完璧に見えて、実はほころびだらけなんだよ。だって、“心”のない法に、誰が従う?」


 カイルの奇跡が走る。


 ツカサ、美怜、ティナ、それぞれの空間を結ぶ“聖なる抜け穴”が出現する。




 ツカサが、鏡を見下ろす。

 そこに映るのは、力なく倒れ、何もできなかったかつての自分。


 「でも、それでいいんだ」


 鏡の自分を睨みつけ、刀を振るう。


 《閃走・空牙》——鏡を斬り裂き、空間に風を呼ぶ。


 「もう、俺は……立ち止まらねぇ!」




 そして、美怜。


 彼女は鏡に手を添え、静かに踊り始める。

 足元のリズム、指先の軌跡、そして胸の奥から湧き上がる音楽。

 そして、それを支えるように鳴る、銀の鈴。


 「これは、意味のない踊り。……でも、無意味でも、誰かの中に残るなら」


 鏡の中の自分が、ふと微笑む。

 その笑みに、彼女もまた、応えた。


 《舞技・微睡まどろみの律》——


 風が巻き、光がきらめく。

 美怜の舞が、再び仲間たちに“心”の力を与えていく。




 四人が一か所に集結する。


 ドナードの眉が、初めてかすかに動いた。


 「……ふむ。なるほど。これが“心の強さ”だと?」


 美怜が、真っ直ぐに言い放つ。


 「支配に抗い、立ち上がる。それこそが、私たちの意思——!」


 「それが……“家族”の意味だ!」


 ツカサの刀が、光を帯びる。


 「拳も、信仰も、踊りも——全部、心のかたちにゃ!」


 ティナが叫び、カイルが詠唱を続ける。


 「《支配領域》に風穴を開ける。今ここで、あんたの秩序を——終わらせる!」


 四人の連撃が、ドナードへと収束していく——!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ