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【最終章 その手を、もう一度つなぐために】

 再会は奇跡のようで、でも確かに“必然”だった。

 彼女の祈りが、ユウトに届いた。

 ユウトの祈りが、世界を照らした。

 だから今、ふたりはここにいる。


「ユウト」


 彼女が静かに名前を呼ぶ。


「私ね、最後のとき……誰かに託すのが怖かった。だって、自分のことすら信じられなかったから」


 ユウトは、そっと彼女の隣に腰を下ろした。

 穏やかな空。温かな風。——嘘みたいに静かな世界。


「でも、君は託してくれた。僕が全部逃げてた時も、諦めなかった」

「……それがどれだけ重いことか、ようやくわかったよ」


「信じたかったんだよ、ユウトのこと」


 彼女は微笑む。涙をこぼしながら、でもとてもやさしく。


「祈ったんだ。“ユウトが、生きていてくれますように”って。

 “いつか、この続きを、ちゃんと伝えられますように”って」


 ユウトは彼女の手を、そっと握りしめる。


「もう……選ばれる必要なんて、ないんだよな」


 彼女は小さくうなずいた。


「選ばれたから守るんじゃない。守りたいって思ったから、選んだ。それだけでよかったんだよね」


 ——この世界は、何かに選ばれなくても生きていい場所。

 悲しみも、痛みも、過去も、誰かと分かち合えたなら、そこに光が生まれる。


「行こう、未来へ」


「うん、行こう」


 ふたりは立ち上がる。手をつないで、一歩ずつ前へ。

 世界はもう、滅びることはない。

 なぜならその中に、“選ばれし者”の祈りが、確かに届いたから。


 そして。


 それを受け継いだ誰かが、今日もまたどこかで——

 “誰かを救いたい”と願っているから。

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