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35 お兄様はいつも突然です

デートから帰宅し、自室に戻ると、

私はすぐにアニーに今日のデートの報告をした。

お兄様と2人きりで、少しドキドキしたこと。

宝石店であれこれとジュエリーを見せてもらったこと。

カフェと遊園地。

観覧車でお兄様に抱きついてしまったことは、

なんだか恥ずかしくて言えなかった。





「そう言えば、アニー。お兄様が観覧車で何か言いかけたのよ。

でも、結局最後まで言わなかったの。あれって一体何だったのかしら?」

私は少し首を傾げて、あの時のお兄様の顔を思い浮かべながら聞いてみた。





アニーは一瞬考えてから、

「うーん、何か大事な話だったのかもしれませんね」と答えた。

ちょっとしたいたずらっぽい表情が浮かんでいた。

「何よ、その顔?どういう意味?」

私は不思議に思って問い詰める。

アニーは微笑みながら、

「レナ様、観覧車って告白にはぴったりの場所だと思いません?」

と、さも当然のことのように言った。

「えっ……告白?」私はびっくりして声を上げてしまった。

まさかそんなこと、まったく考えてもみなかった。

「そうですわ、観覧車は二人きりになれるし、ロマンチックですし……

ヴィンセント様は告白するつもりだったのかもしれませんよ?」

アニーはいたずらっぽくに続けた。

「そんな……告白、だなんて……」

私は戸惑いを隠せなかった。

だって、お兄様が私に?

でも、もしそうだったら……いやいや、そんなはずない。

「そもそもレナ様だって、とびっきりの告白チャンスだったんじゃないですか?」

とアニーは真顔になっていう。

確かに。

あれは告白チャンスだった。

デートに夢中で頭から完全に消えていた。

あれはチャンスだったんだーーー




「今度は絶対に湖畔のボートでお兄様に告白するんだ!」

私は決意を込めて、アニーに宣言した。

「やはりボートにするんですか?

一応確認しておきましたが、あのボート、最近は使われていなかったようで、

少し修繕が必要だそうです」

と、少し心配そうに言った。




「あ、そうだったわね……2年くらい前に乗ったきりだったかしら。

……お兄様が危険だって言って、最近は乗せてくれなかったのよね」

私は少し悩みながら、次の計画を練る。

修繕に関しては、ヨナスに言えば修繕してくれるだろう。

それよりも問題なのはーーー




「お兄様をどうやって誘おうかしら?」

そうつぶやくと、アニーは笑いながら

「レナ様の誘いならヴィンセント様が断るとは思いませんが。」

とさらりと言った。

そうなのかな。

そもそも誘えて告白できたとして

断られたらどうしよう……と、ふと不安がよぎった。

嫌われたりしないかな……。

今みたいな関係までなくなってしまうのは耐えられない。






「でもとりあえず、誘うしかないわよね。考えても仕方ないし」

私は覚悟を決めた。

アニーに湯浴みの準備を頼み、

すっきりと気持ちを落ち着かせるために入浴することにした。

湯浴みから上がると、涼しい薄手のネグリジェを着て、少し休むつもりでベッドに腰掛けた。





そのとき「トントントン」と、ノックが聞こえた。


「誰かしら……?」

とつぶやきつつ、さすがにこの姿のままではまずいと思い、

急いでガウンを羽織ろうとしたその瞬間、ガタッとドアが開いてしまった。



「レナ......今度.....」

「きゃっ!」


そこにはお兄様が立っていた。

お兄様は一瞬、動きを止めて、驚いたような表情をして固まっていた。

そのあとハッとして

すぐに「……すまん」と言ってドアを閉めた。


「見られた……?」

私はドキドキしながらも、

なんとか落ち着こうと深呼吸する。





「だからベッド以外にいるときはちゃんとガウンを着てくださいって、

いつも言ってるじゃないですか」

と、アニーが呆れたように言った。

確かにそうだった……。

私はガウンをしっかりと身につけてから、アニーにお兄様を呼び戻してもらった。





お兄様が部屋に戻ってきたが、

少し気まずそうな顔をしていた。

「……すまん。返事待たなくて。...何もみてないぞ。」

お兄様はそう言ったけれど、どうも信じきれない。

「……本当ですの?」

私はジトっとした目で問い詰める。

お兄様は少し沈黙したあと、

「……少しだけ、胸と腰のあたりが透けて見えていたが……

ちゃんとは見てない、本当だ」

お兄様は小さく言い訳をするように言った。





顔が熱くなるのを感じた私は、なんとかごまかせるように

「そ、そのくらいならなんともないですわ」

とつよがって返事をした。

お兄様もなんだかぎこちない様子でしゅんとしていてなんだか少し可愛らしかった。

「だから、ノックして返事を待ってから入るように言っているのに」

私は少し責めるように言うと、お兄様はしゅんとして

「いや、すまん。これからは気をつける」と言った。

その姿が可愛らしくて、つい笑ってしまった。

「ところで、こんな時間に珍しいですよね?何かありました?」

「いや……」

お兄様は少し言いよどんでから、

「4日後の午後、予定が急に空いたんだが……

お前の好きなパティスリーのシェフを呼んで、

庭園でお茶でもどうかと思って……」

と歯切れ悪く言った。





こんな時間に、そんな話をするなんて……

と少し不思議に思ったけれど、

これは湖畔のボートに誘うチャンスだと思い、勇気を出して誘ってみた。


「お兄様、せっかくですし、湖畔のボートでを楽しむのはどうですか?

ちょっと修繕が必要みたいですが、久々に乗りたくて。」

と言い出すと、お兄様は少し驚いた様子だった。

少し考えた後、

「いいだろう。ボートの修繕をヨナスに早急に頼んでおく」

と承諾してくれた。






やった!これで次のチャンスが来る。

私は心の中で、強く決意を固めた。

次こそ、ちゃんと気持ちを伝えられるはず……。





お兄様が部屋を出ていき、湯浴みの後のあたたかさもあり、

少しずつ私の緊張が溶けていくのを感じた。




おにいさま!!!


この度も読んでくださりありがとうございました(*^ω^*)

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