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33 お兄様に誘われましたわ!!




気がつくと、またベッドの上にいた。

どうやらぐっすり眠ってしまったらしい。

外を見ると、王都の公爵邸とは違い、庭園の奥遠くに広い池や小川が見えたーーー




ここは……公爵領の邸宅だ!

馬車でうとうとして寝てしまい、

誰かがここまで運んでくれたようだ。

私はなんだかいつも眠ったり倒れたりで誰かに運んでもらってることに

少々申し訳ない気持ちになった。




ベッドから降りて伸びをしていると、

ちょうど、アニーが部屋にやってきた。

「あ、お目覚めですか。気持ちよさそうに眠っていらっしゃいましたね。」

と笑っている。

「なんかすごく寝心地よかったの。」

と私が言うと、

アニーはほんの少しぎこちない顔つきで

何か言おうか迷うとしてるようだったが、

結局黙り込んでからこう言った。

「そう…ですか……?

夕食まで少し時間があるので、

久しぶりに公爵邸を見てまわったらどうですか?」

「そうね!約一年ぶりの公爵邸を楽しまなくちゃ!」

と私はアニーの提案をのみ、

すぐに支度をすませて部屋を飛び出した。

まずは外に出て、この広い庭園やその先にある森と湖畔を散歩しよう。

ちょっとした冒険のようでわくわくした。



エントランスにむかう

大階段を降りている途中、

執事のヨナスに出会った。

彼はこの邸宅を長年守ってくれている、

アインのお父様でもある。

「レナ様、お久しぶりにございます。

大きくなられて、

こちらに来ていただけて嬉しゅうございます。」

とマイルが深々と礼をしながら挨拶をしてくれた。




「ヨナス、お久しぶり。そんなに丁寧にしないで。

お元気そうで何よりだわ。またお世話になるわ。」

と私が答えると、彼はにこやかに微笑んだ。

「もちろんにございます。

そういえばヴィンセント様も先ほどお庭の方に出て行かれましたよ。

多分いつものようにガーデンのどこかのガゼボにいらっしゃるかと。」

「ありがとう!行ってみるわ。」

私は元気に返事をして、庭園へと向かった。




公爵邸の庭園は王都の庭の10倍はある広さで、

王都にはない珍しい花々が至るところに咲き誇っている。

お兄様がいつも絶賛している庭師のマインが手入れをしているのだが、

今日はマインの姿が見当たらない。

「マインにどこにお兄様がいるか聞こうとおもったのになあ。」

とりあえず、お兄様が行きそうな思いあたる場所を探しながら

庭園を散歩することにした。



しばらく歩いていると

一際綺麗に区画整理されたガーデンの一画が目に入った。

「あの一角は確かローズガーデンよね?」

美しい薔薇が咲き誇るその場所に足を止めた。

ヴィンセントの母、わたしの継母が好きだった場所で、

私にはあまり良い思い出がない。

でも、なんとなく気になり、足を踏み入れた。




綺麗な白の彫り入れられた、

屋根が綺麗なローズ色に染められた

ガゼボが見えた。

よくみると、その中にお兄様の銀髪

がちらりと輝くのが見えた。

「お兄様だ!」と私は少し嬉しくなって、

お兄様に近づいていった。その時――




「痛っ!」

思わず手を見ると

薔薇の棘に手をすってしまい、

少し血がにじんでいた。




「レナ様!」

とアニーの声が聞こえ、

同時にお兄様が私に気づいて駆け寄ってきた。

「どうした?」

と心配そうに尋ねるお兄様。

「大したことないです。ちょっと棘で手をすっただけなので。」

と答えると、お兄様は私の手を見て、

「こっちに来い」

と言ってガーデンの水場に連れて行き、

蛇口を捻って私の手を洗ってくれた。

ハンカチを取り出して傷に当て、きつく縛ってくれる。




「とりあえずこれで大丈夫だろう。

公爵邸から医者を連れてきているから、

早めに診てもらえ。」

「お医者様を連れてきてくれたのですか?」

「……お前に旅の途中で何かあったら困るからな。」

お兄様は少し顔をそらして言った。

お兄様が心配するといつもは申し訳なくなってしまうけど、

今は私のためにこんなに気を配ってくれるとわかることがなんだか嬉しかった。




夕食時、突然お兄様が言った。

「今週末、時間が取れそうなんだが、一緒にライシュのマルクトにでも行かないか?」

ライシュは公爵領の首都で、ここから馬車で30分ほど。

マルクトはその中心にある広場で、賑やか数多くの露店や出店が並んでいる場所。

そこから続く道にはカフェ、雑貨屋、本屋、

宝石商から洋服店までさまざまな店が立ち並ぶ公爵領の中心地だ。

「行く!!行きたいです!!」

私はすぐに答えた。

「……そうか。じゃあ、当日の細かいことは後でマイルに伝えておく。」

お兄様は静かにそう言って、話を終えた。





夕食が終わり、

部屋に戻ってベッドに寝転びながらふと気づいた。

お兄様と一緒に出かけるって……2人きり?

ってことはこれってもしかしてデート?

いや、兄妹でデートなんて変な話だ。

きっと優しいお兄様のことだから

仕事の所用のついでに、私を楽しませようとしてくれたのだろう。

でも、お兄様がわざわざ誘ってくれたことはすごく嬉しい、

お兄様がどんなつもりでも私は素敵な思い出にしたい。




私は胸を高鳴らせながら、今からその週末を心待ちにしていた。




昨日更新できずすみません(;ω;)


やっとデート回です!!きゃー!!

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