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32 いざ出陣ですわ!



今日は待ちに待った出発日。

公爵領地の公爵邸に戻る日だ。

私は遠くに旅行にでも行くかのような

ワクワクした気分で荷物の確認をしていた。

やっとお兄様に告白する舞台に挑めるのだ。

もしダメだったらという考えもよぎるが、

まずは言わないことには始まらないだろう。



玄関を出ると、すでに全て荷物を積み終わったお兄様が馬車に乗り込んでいた。

私も荷物はメイドに任せ、馬車に乗り込む。

お兄様と二人きりで馬車に乗り込むなんて、

舞踏会の時以来だ。

あの時はまだお兄様への気持ちは忘れていたが、

自覚した今はなんだか2人きりの密室はそわそわした。




公爵領までは馬車で12時間。

今日はまず8時間かけて

王都の端にある街で宿泊し、

翌日に残りの道のりを進む予定だ。




なんとなくお兄様がそわそわしている気がした。

いつも冷静沈着で物静かなお兄様がそわそわしているのはなんだか珍しいなと思う。

馬車がゆっくりと走り出したが、

少しの間、なぜか気まずい空気が流れ、沈黙が続いた。




「……体調はどうだ?

馬車に乗ってて辛くなったらすぐ言いなさい。」

お兄様が口を開いた。

「ありがとうごさいます。もう本当に元気なので心配なさらないでください。」

と元気よく返すと、

お兄様はまだ心配そうに私を見つめた。

「お前はそういうが……心配なんだ。」

私を見つめるお兄様なの綺麗な青い目がキラキラして、私は思わずドキッとしてしまった。

「では、公爵領で元気に外で遊んで、

元気な姿を証明しますね!」

そう言って私が冗談っぽく細い腕を挙げると、お兄様はクスクスと笑った。

「俺の腕の半分くらいしかないな。」

「お兄様の筋肉は国宝ものですから、

そんな簡単に比べないでください!」

と拗ねると、お兄様はまた笑った。

私はその笑顔を見て、少し緊張が解け、そのあとは普通に会話することができた。




その後、私たちは他愛のない話を続け、笑い合った。

お兄様と一緒にいる時間がいつもより楽しく感じられた。





数時間後、お兄様と楽しくお話ししてると、あっという間に宿に着いた。

いつも公爵領に向かう時に使う

この街で一番大きなホテルの

コンドミニアム型スイートルーム。

広いリビングやダイニングがあり、

そこから各自の部屋につながっている。

部屋に入ると、

今日はお兄様といつもよりもずっと近くにいるという事実に気づき、

また私は少し緊張してきていた。

「アニー、お兄様と近いわ。」

とアニーに自分の部屋で小さい声で囁くと

「違う部屋に近いも何もございませんわ。

この程度で緊張してたら告白はできませんよ。」

とピシャリと言われた。

まあそうか…考えすぎかと思い私はダイニングに夕食にむかった。




ダイニングに用意された

産地の新鮮な野菜や果物がどれも美味しくて、私はいつも以上に食べ過ぎてしまった。

「意識を取り戻してから本当に良く食べるな。そろそろドレスが入らなくなるかもな。」

とお兄様がからかうように言われた。

「ひどいですわ。」

私は事実を指摘されてふてくされた。

「冗談だ。」

お兄様はくすくすと笑いながら、

自分の分のデザートを私に差し出した。

「俺の分のデザートも食べろ。」

お兄様が差し出してくれた今日のデザートは

私の大好きなフルーツタルトだった。

甘酸っぱいプラムがアクセントになっていて、私は自分の分は一瞬で食べ切ってしまった。

私はお兄様の皮肉も忘れて、お兄様の分をおいしく平らげた。

甘いものは正義なのだ。






そんな私を見てお兄様が不意に言った。

「一生懸命食べている姿、かわいいな。」

その一言に、私は一瞬頭が真っ白になった。

お兄様が私を「可愛い」と言った?

パッと顔を上げてお兄様を見ると、

お兄様は真顔で続けた。

「……リスみたいで。」

なるほど、動物みたいってことか……。

やはり私は妹として、小さい子供として

しか見られていないんだろうなと思うと

胸が締め付けられる気がして、

「私はそんなに小さくないです!」

と、むくれて席を立ち、

そのまま自室に戻った。

「お兄様はひどい。」

とソファに突っ伏していると、

アニーがやれやれという顔で私を見つめていた。




しばらくすると、ドアのノックが聞こえた。

「入るぞ。」

お兄様の声だ。

「さっきはすまない。怒らないでくれ。」

「……わたし、そんなに小さく見えますか?」

「いや、そうじゃないんだ……

美味しそうに食べている姿がなんだか……」

お兄様は言葉に詰まっていた。

「なんですの?」

私は少し睨んでお兄様を見る。

「なんか、嬉しくてな。」

「嬉しいんですの?」

「まあ、お前とご飯を一緒に食べられてるのが嬉しいよ。」

その言葉を聞いて、私はハッとした。

お兄様は私が長らくベッドにる間、

1人で広いテーブルで食事をしていたんだ。

今、こうして一緒に食事をすることがどれだけ嬉しいか、

それを伝えたかったんだろう。

私は誤解してたことに恥ずかしくなり、

「もう、1人にはしませんわ。」

と強めに言い放った。

そう言うと、

お兄様は少し固まっていた。

「俺はもう寝る。何かあったら呼んでくれ。」

そう言ってお兄様は部屋を出ていった。




翌朝、馬車に再び乗り込み、

公爵領に向けて出発した。

2時間ほどして馴染みのある田畑が広がってきた。

懐かしい景色に、私は思わず身を乗り出して外を見ようとした。

「危ないからやめろ。」

お兄様に注意され、

私はしぶしぶ座り直しながら、

外の景色を楽しんだ。




黄金色に輝く小麦畑、遠くには広大な川が静かに流れている。

公爵領の美しい景色を見ていると、

私はなんだか懐かしい気持ちになり、心が落ち着いた。




やがて、少し疲れが出たのか、うとうとしてしまい、

いつの間にか気持ちの良い眠りに落ちていた。

風がそよそよと窓の隙間から入り込み、

気づかないうちになんだかふわふわした寝心地のよい枕が私の頭を包みんでいる。

心地よいまどろみをさらに身を任せ、再び今度は深い眠りについた。











またブクマが増えてましたʕ•ᴥ•ʔ♡

してくださった方、本当にありがとうございます!

評価もありがとうございます♪



やっと公爵領です〜

文章がいつも長々してて振り返りでいつも反省です。

読んでくださる方には本当に感謝しかありません!




この不器用鈍感兄妹たちがどうなるのか

私にもわからないので見守っててくださいʕ•ᴥ•ʔ




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