30 エネルギッシュな女子会ですわ
そこから話題が変わり,主題はこの前の舞踏会についてになった。
「そういえばレナ、
倒れる前にエドワード様と
踊っていたわよね?」
というエリザベスの言葉に、
みんなの視線が一斉に私に集まった。
「本当に綺麗だったわ……。
妖精のようで……。
エドワード様本当素敵で……。
お似合いでしたわ。」
とうっとりとした表情で言った。
隣でアンナも頷いてくれている。
「2人から手紙で聞いていたり、
他の令嬢からも噂で聞いていたわ。
本当に見られなくて残念だわ!!」
シャーロットが本当に悲しそうに
言ってくれている
「ありがとう。照れてしまうわ。
あの日は、メイドたちが
本当に頑張ってくれたの。
綺麗に見えたなら嬉しいわ。」
と私は返した。
正直言って、
あの時はコルセットがきつくて苦しくて
ダンス中も何度も転びそうになって大変で、あまり記憶がない。
でも、みんなが綺麗と言ってくれるなら
その言葉をありがたく受け取ろうと思った。
「私もそれ、
エリウス様から聞きましたわ!!!
エドワード様が珍しく舞踏会でダンスを踊って、それが話題になってるって!!
私も見たかったですわ。」と
ミーナ様が、興味津々の表情で
話に加わってきた。
「で、実際どうなの?」
エリザベスが突然真顔になって聞いてきた。
「どうって?」
「エドワード様よ!!レナが倒れた時、お見舞いにエドワード様がこちらを訪ねたとも聞いたけど、本当なのかしら?もしかしてもう婚約の話が?」
エリザベスが目をキラキラさせて聞いてくる。
「ちょっと、あんまり質問責めは良くないわよ」とシャーロットが優しくたしなめてくれた。
「全然、大丈夫よ、ありがとうシャーロット。エドワード様がお見舞いに来てくれたのは本当だけど、それは兄のためだわ。
エドワード様は私に興味ないと思うわ。」
と正直に話した。
「えー、そんなことあるのかしら?
気もない女性の家にお見舞い?」
とエリザベスが少し不満そうに言った。
アンナが首をかしげて、
「エドワード様はヴィンセント様ととても仲がよろしいと聞きましたから、そういうこともあるのかしら?でもレナとの恋仲を期待してたから残念だわ。」と言った。
その言葉に、ミーナ様が微笑みながら、
「エドワード様と婚約したら、
私たち義理の姉妹になれるのに〜。
こんな可愛い妹がほしいわ〜。
あ、年齢的には妹だけど、
エドワード様の婚約者だと姉になるのかしら?」
と冗談交じりに言った。
「本当になにもないからっ、もうっ!」と
私は焦りながらも笑顔で言い返した。
すると、3人が笑い出した。
「じゃあ私がまだ狙ってもいいのね」
と、エリザベスが冗談めかして言った。
「エリザベス、エドワード様をお慕いしているの?」
とシャーロットが聞く。
「そういうわけではないけど、
みんなの憧れではあるでしょ?」
とエリザベスが楽しそうに答えた。
「2人は、あの舞踏会で何かいい出会いがあったの?」
進展を聞いてないことに気がつき、尋ねると。エリザベスはアンナに視線を送った。
その視線に気がつきみんながアンナに視線を注ぐ。アンナが急に恥ずかしそうに顔を赤らめた。
「実は……レナード様にダンスを誘われて……」とアンナがぽつりと告白した。
「え、レナード様ってあの騎士団の副団長で、
うちでたまに仕事を手伝ってくれるレナード?!」
と、驚きの声を上げる私。
「はい……」
と、アンナが照れながら答えた。
びっくりした。レナードはちょっとうるさくて明るい性格と物静かで優しいアンナが。意外だけど、なんだかお似合いだわ。
「キャーーーー!」
と、私たち3人は一斉に声を上げた。
「それからそれから?」
とエリザベスが促した。
「一度、デートのお誘いを受けて、一緒に王都のレストランでお食事をしましたわ。」
とアンナが続けた。
「キャーーーー!」
と、再びみんなで声を上げた。
「アンナ、よかったわね!!」
と、シャーロットが嬉しそうに言った。
「アンナちゃん、かわいらしすぎるわ。」
と、ミーナ様も微笑む。
「アンナに……
アンナまで私をおいてくのね……」
エリザベスが肩を落とした。
「王都のレストランでデート……」
と私は心の中で呟いた。
お兄様を王都のレストランに誘うのもいい手かもしれない……。でも、人目が多すぎるかしら?と私は思案する。
「アンナが今日の主役だったわね」
と、シャーロットが笑った。
「ねー」
と、エリザベスとミーナも微笑んで頷いた。
「そういえば!今日はミーナの婚約の話も聞きたいわ!!王子様と婚約なんて!憧れの的じゃない?。」
とシャーロットが続けた。
ミーナ様の婚約話は、皆の関心を集めていた。
シャーロットに続いて、
「私もそのお話ききたいわ!」
エリザベスもすぐさま声を上げた。
ミーナ様は少し困ったように微笑んで答えた。
「うーん、私はアンナちゃんみたいな
ロマンチックなことは何もないわよ〜。
親が王族と関係が欲しかったってだけ。
いつのまにか話が進んで、
いつのまにか婚約まで進んでいたわ。」
「なるほど。公爵家は次元が違うのね」
シャーロットが感心したように言うと、ミーナ様は少し笑って言った。
「そういうことでもないけど、
私の家は野心家のだから。」
その言葉を聞いて、私は納得した。
ローゼウス家は私をライバル視しているというのは本当だったのだろう。
すると、ミーナ様が私に向かって意味ありげな笑みを浮かべながら聞いてきた。
「ところでレナちゃんは、エドワード様とは何もないって言ってたけど、他に舞踏会で気になる人はいなかったのかしら?」
その質問に、私は一瞬言葉に詰まってしまった。お兄様のことを思い浮かべたけれど、ここでお兄様の名前を出すことはできない。でも嘘をつくのも気が引ける。
私は少し迷ってから言った。
「私は……名前は言えないのですが、素敵だなと思う男性はいらっしゃいましたわ。」
その瞬間、周囲から歓声が上がった。
「キャーーーー!」
エリザベスが興奮した声をあげ、他の皆も好奇心に満ちた目で私を見つめてきた。
「えー気になるわあ。」
と、エリザベスが問い詰めるように言った。
「だめよ、言えないってことは何か事情があるんだから」
シャーロットがフォローしてくれた。
ミーナはニヤニヤと笑いながら、
「そうね。」
と続けてフォローしてくれて
私はほっとした。
この流れで、私は思い切ってみんなに聞いてみることにした。
「で、あの、みんなに相談したいことがあって……もし、自分から好意を伝えるとしたら、どんなシチュエーションがいいと思う?」
私の質問に、ミーナ以外の
皆が少し驚いたように顔を見合わせた。
ミーナはくすくす笑っている。
「女性から男性にってこと?」
と、シャーロットが確認するように尋ねた。
「そうよ」
と私は答えたが、
皆は少し戸惑っているようだった。
少しするとミーナが
「女性からってあまりないわよね。でも私はいいと思うわ。確か王都では、女性からアプローチする恋愛物語が流行ってるそうだし」
と続けてくれた。
「もしかして、女性から男性ってあまりないのですか?」
と私は驚いて聞いた。
「貴族では本当に聞かないわ!だからあまりピンとこなくて。」
と、エリザベスが説明した。
するとアンナが、惹かめえに提案してきた。
「じゃあ……逆に、男性に告白されたら嬉しい場所を参考にするとか?」
「それいいわね!」
とミーナ様が即座に反応し、
私も同意してうなずいた。
「それ聞きたい!!」
エリザベスが真っ先に意見を述べた。
「私は王都のロイヤルガーデンかしら。あそこはバラも綺麗で、小川のせせらぎも美しいし、夜はキラキラとおしゃれな街灯が煌めいて、ロマンチックなのよ。」
「んー、私は家がいいかなあ?家で一緒に食事をとっている時とか、それこそ王都のレストランやカフェでもいいけれど、あまり気取らない感じが好きだわ」
と、シャーロット。
「私は……オペラハウスでオペラを見た後とかも憧れるわね。オペラハウスのお庭もとっても綺麗だから」
と、アンナ。
最後にミーナ様が少し考えてから言った。
「私はもう婚約しちゃって叶わないけど、もしやり直せるなら、別荘の湖畔のボートの中とかがいいわ。」
私は皆の意見を心にメモしていった。
ロイヤルガーデン、夕食時、王都のレストラン、オペラハウス、湖畔のボート……どれも素敵だけれど、ボートは特に2人きりになれて、誰にも聞かれずに告白できる。ちょうど別荘に行く予定もあるし、我が家には湖とボートがある。あとでアニーに確認してみよう、と考えていた。
その後私たちはいつものガールズトークに戻り、満足いくまでおしゃべりを続けた。気になる貴族の噂話や、王都で評判のカフェの話、今度の舞踏会の話など、女子ならではの話題で盛り上がった。
ちょっと長くなってしまいすみません!




