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2 すぐには治らないようです

地の文が多くてすみません。次からは会話多くなるのでだいたい設定がわかったら飛ばしても良いかもしれません。

私の記憶がほぼないとお医者様が

その日の診察で気が付いてからは、大変な騒ぎだった。



その日のうちに、屋敷が(多分銀色の瞳の青年が)

手配したであろうお医者様や学者たちが次々と私の元に訪れて、様々な質問やテストをしてきた。

質問は自分の名前や体調を聞く簡単なものだったが、

テストは基本的な四則演算や身近なものの名前、

地理、歴史、簡単な科学現象、食事のマナー、

ダンスや音楽についてのありとあらゆる分野があった。

わからないものあり不安だったが、

私は基本的な問題には答えられていたようで、

日常生活を送る上や、学習能力に問題はないと判断されたようであった。




しかし、私は身近な人の名前や人物関係についてはほとんど何も答えられなかった。

自分の名前がレナであることにはずっと呼ばれていたので気づいていた。

あの青い瞳の青年が兄のヴィンセントであり、

よく兄についている白髪の老人が執事のアインで、

私のお世話をよくしてくれるくりくりした目のかわいいメイドがアニーという名前であること。



そして私の両親が数年前に流行り病で亡くなってることを一度に知った。

しかし両親の記憶がないので、急に「いない」と言われても何の感慨もなかった。

しかしきっと当時の自分にとってはひどいショックだったであろうこと、

そしてあの兄だと言われた青い目の青年のことを思うと胸がずきずきと痛んだ。



それから、私が急な高熱で一週間ほど意識を失って眠り込んでいたことも知った。

頭とのどの痛さから、風邪でも引いていたのだろうと思っていたが、

兄や屋敷の人やお医者様が、あんなにも手厚く私を看病してくれていた理由がやっと分かった。

このまま私の意識がもどらないのではないかと心配してくれていたのだろう。





いろいろな機械を使った検査や服薬指導があったが、

結局どの医者も学者も、私の記憶を取り戻すことはできなかった。

しかし日常的な生活や知識や思考力に問題はないとされたので、

もし記憶が戻らなかったとしても、また今まで通りに学習すれば、

令嬢としての生活に問題はないと励まされ、少し安心することができた。

兄や屋敷の者はひどく落ち込んでいるようであったが、

私がすべての記憶がなくなっているわけでないこと、

まだ記憶を取り戻す可能性があることを知らせれて、少しほっとしているようだった。




「記憶を取り戻すには、なるべく以前と変わらない生活をし、

いろいろなものに積極的に触れて経験することも大事です。」

「なにかあれば、またお呼び付けください、公爵様。

お役に他立てず、申し訳ない。」

と最後に一番年で博学そうなお医者様が言い

、そのほかのお医者様や学者たちを連れて帰って行った。



「レナ、起きた次の日にこのような体に負担をかけるようなことをしてすまない。

身体は大丈夫か?」

と兄だと知らされた青年が私の顔を覗き込む。

「このくらい…大丈夫。ありがとう…お兄さま?」

とゆっくりと声を出すと、また青年の綺麗な青い目が波打った。



兄はまた私を抱きしめ、

「記憶を戻せるように最善を尽くす。

でもレナは無理するな。

記憶が戻らなかったとしてもレナはレナだから。」

私はその言葉に安堵し、体も気も疲れていたのだろうか、また眠りについた。






地の文多くてすみません、次からは会話多めです!

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