表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/11

よろしくお願いします。

 目が覚めたら、そこは異世界だった。


 姿形も変わっていた。茶色の髪で茶色の瞳。青白い肌。そして小さく華奢だった。どうやら貴族の子供で、すでに十歳になっていた。


 日本にいたときの記憶は曖昧で、最後死んだのか、それとも生きてこの世界に落ちてきたのかわからない。こちらでの十年の記憶もまた曖昧だったが、少しずつ思い出してきた。


 こちらの世界での名前はサシャ。


 サシャは元よりとてもおとなしい子で、人前に出たがらない性格をしていた。世が世ならもしかして何かしら精神的な病名がついたかもしれない。それほどに常におどおどしていた。


 貴族の両親は、これでは社交界に出せないと判断し、病弱だったこともありサシャを離れに隔離した。 

 愛情が無いわけではなかったので、必要なものは過不足なく与え、数人の使用人をおき、たまに顔も見せた。しかし貴族の常としてそうであるように、あまり家族間の交流はなかった。



 前世での私も、サシャほどひどくはないが引きこもり気質だったので、ここは天国だ。前の世界ではすでに社会に出ており、人と会うのも我慢できないわけではないが、部屋に居るのが大好きだった。


 サシャの隔離は名目上は療養であったが、親から実質与えられた義務は学問に励むことだった。将来的には研究者と名乗れるように、質が良くても悪くても何かを研究するようにと言い渡された。


 前世でも、引きこもって実験ばかりして名を挙げた貴族がいたように思う。こちらの世界でも同じか。せめてそのようになれることを両親からは期待されているようだ。

 

 結果がでなくても家の財政上引きこもり1人養うことには問題は無いようで、生涯引きこもるれることを約束された身分だ。最高である。


 居心地のいい部屋。部屋からでなくてもいいと約束された将来。


 憧れた魔法のある世界!


 よっしゃ魔法でたくさん遊ぼう!

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 面白いです! 転生したのにひきこもるという発想が凄いですね! [一言] これからも頑張ってください!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ