人知れず始まった神と神の代理戦争、終わらせるのは人か、神か
序章「もう一つの地球」
「バグりました」この言葉はある国の大統領が放った言葉だ。日常の会話でも冗談でも無い、国のトップとしての会見での発言だった。あれから3年が経った、あらゆる物が変わった、言葉の通りバグってしまったのだ。
「おい!おいってば!あれ見てみろよ!クロ!」揺れる車内で黙々とパソコンを睨んで居るのがクロだ。揺さぶっても気がつかないのでヒロはクロの頭を叩いて気がつかせた。「あ痛っっ何すんだよヒロ」ヒロは外の景色を指差した。「うわー今回のバグはガン◯ムとザ◯が闘ってるのか」「さっき家出る時言っただろ?」「作業に夢中で気づかなかった」朝からクロは何やらパソコンで作業しているが内容は教えてくれない。
3年前からバグが発生した、バグの種類も様々で危険なものから気がつきにくいものまで色々と。
前回のバグはシェルターだ、一昨日まで存在しなかったものが突然現れる、3年間様々なバグを経験して驚きもしなくなった。そして今はそのシェルターに避難しようとしてる最中だ。どうやら今回のシェルターは永久建築物らしい、今日のようなバグは一日経てばほとんど治る。稀に半永久的に残るものも存在するのだ。これまで世界各国の最高位の科学者や物理学者あらゆる専門家たちによってこの現象の謎を解き明かそうとしたが未だ解決の兆しは見えない、しかし、いままで起きたバグは人間が考えあるものばかりでこの現象は人の意識から来るのではないかとまことしやかに噂になっている。「なぁクロさっきからお前ソイツで何してんだよ」シェルターに着き落ち着いた頃クロに聞いてみるが、相変わらずの集中力で一向にパソコンを打つ手が止まらないまるでピアニストかのようだ。それからシェルターについてしばらく経ったがクロは相変わらずで、外のバグもいつもより長く続いてる気がする。「うちの家残ってるかなー」なんて周りのみんなが思ってそうなことを考えてるとクロが急に大声を出すのでびっくりした。「なんだよいきなりびっくりするだろ!」「見てくれ!これ!」そういってクロがさっきまでいじってたパソコンの画面を見せる。「なに?これ?」「わかったんだよ!バグの正体が!」「はぁああ??」いきなりそんなトンチなことを言われても意味がわからなかった。
「そんな事わかるもんなのか?」「前からおかしいと思ってたんだ」「聞いて驚くなよ、この地球は俺たちの知ってる地球じゃないんだ!」「はへ?」前からおかしいと思っていたがここまでとは思っていなかった、とうとう壊れてしまったらしい。嘘じゃないと言わんばかりにクロはパソコンの画面を見してきた、はっきり言って僕には何のことかわからなかった。「つまり?」「つまりこの地球は別世界のなんだ」






