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世直し編 恐怖の都市伝説!

000N「ご町内の平和を守ってきた魔法少女ななこ!

 しかし平和そうな町にもまだまだ悪の気配が満ち溢れていた。

 現代社会の闇に人知れず潜み悪事を働く怪人達を倒すべく、

 今ここにななこの世直しが始まった!

 戦え、魔法少女まじかるななこ!」

 

001ゆうこ「ねぇねぇ、こんな噂知ってる?白いマスクの怪人の噂……。」

002ななこ「んー、ようかんは寒天の量と火加減の調節が難しいなぁ」

003ももんが「うわぁ、すごい甘ったるい匂いが……。」

004ななこ「ももちゃんも食べる?ようかん」

005ももんが「いや、いいよ。何だか匂いだけで胸やけしそう。それよりななこちゃん、今日のパトロール行かなくていいの?」

006ななこ「平和が続いてるんだし、一日くらい行かなくてもいいかなぁって思うんだぁ」

007ももんが「ななこちゃん、油断大敵だよ」

008ななこ「うゆ?」

009ももんが「直接表だって侵略しようとする奴より、現代社会に溶け込んでこっそりと悪事を働く奴の方がよほど怖い事が分かった。だから私は現代社会に潜む悪を引きずり出してこらしめる、って言ってたのは誰かなー?」

010ななこ「うっ……で、でも探しても見つからないんだもん!隠れた悪人なんて!」

011ももんが「そりゃあ隠れてるからね。なかなか見つからないだろうね。だけど……気付いた時にはとんでもない事態で手遅れになってるかもしれないよ」

012ななこ「……分かった。行こうか、ももちゃん」

 

00t少女魔法少女まじかるななこ 第8話『恐怖の都市伝説!』

 

013ももんが「向こうの方はどうだった?」

014ななこ「うん、平和そのものだったよー」

015ブルー「平和だと?これが平和に見えるとは……魔法少女君、最近たるんでいないか?だらしないぞ!」

016ももんが「うん、最近ななこちゃん、色んな所がたるんでて、むぐぐぅ!?」

017ななこ「た、たるんでないよ!?最近甘い物食べすぎかなーってちょっとだけ思ったけど、決してたるんでないよ!?」

018ブルー「よく分からんが気を引き締めてくれ。最近、この町には悪意が満ちている……」

019ななこ「悪意……?特撮さん、どういう事かなぁ?」

020ブルー「俺も不思議に思って聞き込みを開始したんだけどな。それによると次のような都市伝説が流れているらしい……。」

021ゆうこ「友達の間で噂になってるんです。赤いマントに白い仮面の怪人の事。下校中の生徒を待ち受けてさらってしまうって……。」

022ななこ「白い仮面の……怪人?」

023ももんが「実際にどこの誰がさらわれたとか、いつどこで見かけたとか、目撃情報は入ったの?」

024ブルー「いや、隣町の行方不明者が怪人の仕業だとか、友達の友達が下校中に電柱の陰に隠れているのを目撃した程度の情報しか入ってないんだが……。」

025ももんが「都市伝説なんてそんなもんだよ。週刊誌のゴシップ記事と同じで信憑性なんて薄いんだから」

026ブルー「だが、少しでも危険がある限り、調査しなければならない。それが正義の味方の使命だ。違うか?」

027ももんが「それは、そうだけど」

028ブルー「俺はこれから町の西側をパトロールする。魔法少女君達は東側を頼む」

029ななこ「うんっ、分かったよ」

 

030ゆうこ「怪人は二人以上で下校する時には現われず、必ず一人で下校する時を狙って来るんです……。」

031ももんが「しかし、そんな時代錯誤の怪人なんて本当にいるのかなぁ。ねぇ、ななこちゃん?あれ……ななこちゃん?」

032ももんが「……はぐれちゃったのかな。ななこちゃー……うわぁぁぁっ!?」

 

033ななこ「あれ?ももちゃんどこ行ったのかなぁ。またどこかでどんぐり探してたりして」

034少女「こんにちは」

035ななこ「わぁぁ!?な、何かなぁ?」

036少女「驚かせてしまってごめんなさい。この辺り、色々物騒でしょ?そこまでご一緒してもいいかしら?」

037ななこ「うん、いいよー」

038少女「ありがとう。行きましょう」

 

039ブルー「ぬっ!?そこにいるのは誰だ!」

040怪人「見つかったか……。」

041ブルー「その姿……噂の白い仮面の怪人とはお前の事か!」

042怪人「いかにも。我こそは怪人ホワイトマスク」

043ブルー「とおっ!」

044怪人「な、何をする!?」

045ブルー「問答無用!子供達を誘拐する悪質な怪人は……成敗する!」

046怪人「ちぃっ……面倒な奴につかまったものだな。だが私の邪魔は誰にもさせん!」

047ブルー「こ、こいつ強い!だが、こいつで!ブルーレーザー!」

048怪人「くっ!?光線だと!?洒落た真似を……」

049ブルー「とどめだ!レーザーブレード!エフェクターブルーフラッシュ!!!」

050怪人「今だ!」

051ブルー「うおおっ!?足払いだとっ!?」

052怪人「大技であればある程繰り出す時に隙が生じる。私は待っていたのだ、貴様が隙を見せて近づくその時を。死ねぇっ!」

053ブルー「な、何だと!?ぐわあああああああ……!」

 

054ななこ「……うゆ?今西の方から叫び声みたいなのが聞こえた気がするなぁ」

055少女「そう?私には何も聞こえなかったけど」

056ななこ「そっか。気のせいかなぁ」

057少女「そういえばあなたは知ってる?白い仮面の怪人の噂」

058ななこ「下校中の子供をさらっちゃうっていう怪人の事?うん。でも私、あまり信じてないんだ」

059少女「あら、どうして?」

060ななこ「噂なんて具体性がなくてあまりあてにならないからねぇ。ちょっと前の三本脚のお人形の話だって同じだったし。きっと今回の噂もすぐに忘れられちゃうよ」

061少女「だといいんだけど……あなた、その見解をすぐに改める事になるわ」

062ななこ「うゆ?どーして?」

063少女「後ろ、見てごらんなさい」

064ななこ「後ろー?うゆゆっ!?」

065怪人「我こそは怪人ホワイトマスク」

066ななこ「で、出たぁー!白い仮面の怪人だぁ!」

067少女「とうとうこの町まで来てしまったのね……!」

068怪人「見つけたぞ……今度こそ逃がさん!」

069ななこ「考えてみれば私は魔法少女。怪人の一人や二人で逃げ出す必要はないんだ」

070少女「何してるの、早く逃げましょ!」

071ななこ「ふふっ、ここは私に任せて後ろに下がってて。いっくよー!まじかるフォーム!」

072ななこ「……あれ?変身出来ないよ?いつもこうやってまじかるおたまで変身出来るのに……ってああ!これおたまじゃなくてフライ返しだぁ!」

073少女「……フライ返し持って何してんの?」

074ななこ「まーじーかーるーフライ返しっ!」

075怪人「痛てっ!?」

076ななこ「……とりあえず逃げるよっ!」

 

077ゆうこ「怪人が子供をさらう理由?さぁ……。でも白い仮面をつけている理由は昔、顔に酷い火傷を負ったからだそうです。さらう理由もきっとその辺にあるのかなって思います」

078ななこ「あ、あの怪人足が早いよっ!」

079少女「このままじゃ……追いつかれちゃう」

080ななこ「とりあえず、こっちに隠れよう!」

081少女「ふぅ……。慌てて走ったから靴紐ほどけちゃった」

082ななこ「私が表を見張っておくから結び直すといいよ」

 

083ななこ「……とは言ったものの参ったなぁ。まじかるおたまがないと私、ごく普通の小学生だよ……。ももちゃんもいないし……どうしよう」

084怪人「見つけたぞ!あいつを出せ」

085ななこ「怪人……!ど、どうして子供をさらうのかなぁ!?」

086怪人「さらう……?違うな。私は子供達を避難させて守っているのだ」

087ななこ「守っている……?誰から……?」

088怪人「気付いていないのか!?さっきからお前と一緒にいるあいつは……!」

089ななこ「あの子が一体どうしたのかなぁ?……っ!?あ、あ、あの子……!足が……三本あるよ……!?」

090ゆうこ「三本脚のお人形?白い仮面の怪人の前に噂になっていたんだけど……事故が起こった工場が最後に作ったのが三本脚のお人形だって聞いてます。その三本脚で人間を締め付けて殺すって聞いてます」

091少女「また追って来たの。本当にしつこいわね」

092怪人「私の失敗は、貴様のような不良品を生み出してしまった事だ!何度も逃げられてしまったが今度こそは始末してやる!あの日、工場で死んだ仲間達と失った私自身の顔のために!うおおおおっ!」

093少女「そうね。そろそろ終わりにしましょうか」

094怪人「ぐがっ!?ぐあぁぁぁぁ……!」

095少女「あっけないものね。やはり人間は脆いわ」

096ななこ「うゆ……あ、あなたは三本脚のお人形なのかなぁ?人間にしか見えないけど……。」

097少女「ねぇ。あなたは木彫りの人形が活躍するおとぎ話を知ってる?あの子も最後は妖精さんに人間にしてもらったんだけど……私も似たようなものよ」

098ななこ「じゃ、じゃあ……どうしてこんな事するの……?」

099少女「そうね……復讐かしら。人間への……。あなたも死んでもらうわ……。」

 

100ななこ「うゆううううううううううううううううう!?」

101ももんが「わぁ!びっくりした!どうしたの!?」

102ななこ「ゆ、夢、だったのかなぁ……。ようかん作りながら寝ちゃってたんだ」

103ももんが「甘ったるい匂いで胸やけしそうだよ」

104ななこ「でも、あれ……本当に夢だったのかなぁ。意外と予知夢だったりして」

105ももんが「ななこちゃん、今日のパトロール行かなくていいの?」

106ななこ「……分かった。行こうか、ももちゃん」

107ももんが「おっ、今日はやけに物分かりがいいね。魔法少女として成長したのかなぁ」

108ななこ「ええっと、ここにあるのはフライ返しだから……。まじかるおたま、まじかるおたま……は、そうだ!ようかん作りに使ってたんだ!まじかるおたまを持って……パトロールしゅっぱーつ!」

109ゆうこ「ねぇねぇ、こんな噂知ってる……?」

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