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最終決戦編 魔女裁判・後編

000ななせ「魔法少女ななせよ。圧倒的な実力差に事態はもはや絶望的なの。

 だけどね、キチガイ教祖。何でもあんたの思い通りになると思ったら大間違いっ。

 ななこ、最悪あなただけは私が守ってあげるから安心なさい。

 あなたは本当の黒幕を打ち砕くただ一つの魔法を持っているし……その、大切な友達だから。」

 

001優子「ううっ……ここはどこ……?」

002少女「目が覚めたようね、上村優子。ここは脳内教新総本山のゲストルームよ」

003優子「そういえば私総本山に連れて来られて……!」

004少女「安心しなさい。あなたの魔道少女疑惑は晴れたわ。……というかあれはあの二人の魔法少女を焙りだすための作戦だったのだけれどね」

005優子「ななちゃんは!?ななせさんはどうしたの!?」

006少女「あの二人ならガレキの下から瀕死で発見されたわ。今日の夕方、はりつけ火あぶりで処刑されるそうよ」

007優子「そ、そんなぁ……。」

008少女「あなたには歴史の証人として二人の魔法少女の最期を見届けてもらうわ。……友達だった魔法少女が処刑されるのはやっぱり複雑な気分?」

009優子「ずっと友達だったななちゃんとななせさんが実は魔法少女で、魔法少女は世界の秩序を崩壊させちゃおうとしてて、それで二人ともやられちゃって……色々な事がいっぺんに起こりすぎて何が何だかわからないよ……だけど」

010少女「だけど?」

011優子「二人が実は魔法少女だった事を私にだけは隠していた……お友達だと思っていた二人に今までずっと嘘をつかれていたってのは事実なんだよね……それは、許せない」

 

00t七瀬魔法少女まじかるななこ 第22話『魔女裁判・後編』

 

012七瀬「ねぇななこ……まだ生きてる?」

013ななこ「うゆぅ、何とかね……ゆっこちゃん、大丈夫かなぁ」

014七瀬「恐らく大丈夫だわ。あいつらの狙いは私達。ゆうこには手を出さないと思う」

015ななこ「そっかぁ。良かったぁ。……怒ってるかなぁゆっこちゃん」

016七瀬「そりゃね、私はともかくあなたとゆうこは親友だったでしょ?親友が今までずっと自分に嘘をついてたって事が分かったら……怒ってるんじゃないかしらね」

017ななこ「やっぱりそうだよねぇ……。」

018七瀬「ねぇななこ。ももんが呼べない?」

019ななこ「うゆ?どうやって?まじかるおたまも奪われちゃったのに」

020七瀬「いつも一緒にいると意外と通じるものよ?私もクロを呼んでみてるんだけど、ここは高台にあるらしくて途中で立ち往生しているわ。でもももんがなら滑空して来れるはずよ」

021ななこ「よーしっ。試してみるよー!ももちゃん……ももちゃん、私はここだよっ!たすけにきてっ!」

022ももんが「ななこちゃん、そこにいるんだね!今助けにいくよ!……おっと、こんな所においしそうなひまわりの種が……もっしゃもっしゃ、うわぁ!?」

023少女「魔法生物ももんが、げっちゅー♪」

024ももんが「し、しまった!罠だったのか!」

025少女「あんたも二人と一緒に牢屋に入ってなさい。ついでに処刑してあげるわ」

026ももんが「……というわけで僕もつかまりました」

027七瀬「……このおバカ。もう終わりだわ」

028ももんが「あ、でも一度ブレインヘブンに戻って幻想の君にアブソリュートフレイムに魔力を限界までふきこんでもらったよ」

029七瀬「貸しなさい。これさえあればあるいは……。」

030少女「ゆうこちゃんって言ったかしらあの子。もしも変な事したらあの子、殺すわよ?」

031七瀬「くっ……何て卑怯な……。」

032ななこ「でも、無関係なゆうこちゃんをこれ以上まきこんだらいけないよ」

033七瀬「私達は……死を待つしかないのか」

 

034N「そして、その時がやってきた」

035教祖「さぁ、最後の魔女裁判を行なおうか。被告、魔道少女ななせは前へ」

036七瀬「……やるならさっさとやりなさいっ」

037教祖「お前は駅前商店街を大混乱に巻き込んだ罪を始めとして数え切れないほどの罪状がある。はりつけ火あぶりで死刑だ」

038七瀬「何が裁判よ。聞いて呆れるわ」

039教祖「次、魔法少女ななこは前へ」

040ななこ「うゆゆ。私は悪い事なんてしてないもんっ」

041教祖「それはどうかな。ここに証言テープがある。聞いてみようか」

042社長「魔法少女ななこ?あいつは酷い奴ですよ!俺の仕事を邪魔するんですよ!おかげで会社の経営が右下がりなんですよ」

043電波「あいつは魔女なの!お兄ちゃんと私を引き離そうとする悪い魔女!一刻も早く殺さないといけないの!」

044教祖「お前にやられた被害者の声だ。これでもお前は悪くないと言い張るのか?魔法少女ななこ!」

045ななこ「そ、それは、あの人達が悪い事をしようとしてたからこらしめただけで……。」

046教祖「あくまでも自分は悪くないと主張するのだな。分かった、決定的な証人を呼ぼうか。証言したまえ」

047優子「はい。分かりました」

048ななこ「ゆ、ゆっこちゃん!?」

049優子「魔法少女ななこはずっと私に正体を隠し続けてきました。ずっとそしらぬふりをして私に嘘をつきつづけてきたんです。私はそれが……許せない」

050ななこ「そ、そんな……」

051教祖「決まりだな。親友まで欺くとは、魔道に堕ちるも時間の問題。魔法少女ななこ、はりつけ火あぶりの刑に処す!そして魔法生物ももんがもついでに火あぶり!」

052ももんが「僕はついで!?」

 

053N「こうして、二人と一匹ははりつけにされてしまった。」

054教祖「さぁ、火をつけるのだ」

055少女「はい。着火ー」

056ももんが「うわぁぁ熱い!超熱い!」

057七瀬「こほっ、こほっ……熱で参るのが先か、煙にやられるのが先か……」

058ななこ「私……間違ってたのかな……」

059ももんが「ねぇななこちゃん。僕は、君に話しそびれていた事があったんだ。聞いてほしい」

060ななこ「どうしたのももちゃん、改まって……。」

061ももんが「魔法世界ブレインヘブンにいた頃、僕にも友達がいたんだ。ななこちゃんとゆうこりんみたいな、とっても仲が良い友達がね」

062ななこ「私と、ゆっこちゃんみたいな?」

063ももんが「だけどある日。僕達は勇気試しに立ち入り禁止のブレインパレスに忍び込んだんだ。案の定、見張りに見つかってしまった。そこで……僕は一人で逃げてしまったんだ。あいつも逃げ延びてくれると勝手に思い込んで」

064ももんが「僕はそこで幻想の君に助けられたんだけど。あいつは違った。再び会った時、あいつはすっかり人が変わってしまっていたよ。そして……あいつは恐ろしい事件を起こしたんだ」

065七瀬「もしかしてそれが……まじかるクリスタル粉砕事件!?」

066ももんが「その通りだよ……あいつは再びブレインパレスに忍びこみ、ブレインヘブン最大の巨大宝石・ギガンティックまじかるクリスタルを砕いてしまったんだ……」

067七瀬「それからが大騒ぎよね。まじかるクリスタルは魔力の結晶。あまりにも膨大な魔力の変動にブレインヘブンの大気が耐えきれずに穴が開いて、まじかるクリスタルは隕石のようにこの街に降り注いだんだからね」

068ななこ「だから、この街にまじかるクリスタルがあったり、そこから怪人さんになったりするんだぁ」

069ももんが「あいつはそれ以来ぷっつりと消息を断ち、僕はこの騒ぎをおさめるために使い魔になったんだ。……まじかるクリスタルを追えばあいつに会えるかもしれない、と思ったんだ」

070ななこ「そうだったんだ……。」

071ももんが「僕はあいつに会うために使い魔になった。あいつにもう一度会って、あいつがどうしてあんな事をしたのか、あいつに何があったのか……聞くためにね」

072ももんが「そうやって始めた使い魔だったけど、ななこちゃんと出会って、楽しかったよ。今まで本当に楽しかった。僕は、ななこちゃんに会えて、君の使い魔で良かった。それだけ、言いたかったんだ」

073ななこ「ももちゃん……」

 

074ブルー「少女よ!助けにきたぞ!」

075優子「ひゃあ!特撮さん!?どこ?どこにいるの?」

076ブルー「君の足元だ。下水道を張って来たのだが、出口が見当たらん。それより君の後ろにおたまとフルートがないか?魔法少女君の変身アイテムなんだ。あれを二人に渡せば形勢逆転してくれると思うのだが」

077優子「でもあの二人……私に魔法少女だって事、ずっと嘘ついて隠してきたし……友達だって思ってたのに」

078ブルー「なるほどな。ならば君よ。どうして彼女らが友達である君に嘘をつく必要があったのか、考えはしたかな?」

079優子「そんなの……知らないよっ」

080ブルー「それは、魔法少女である事を明かす事によって、君の身に危険が迫る事を恐れての事じゃないのか?思いやりから生まれる嘘だってある。それとも、君達の友情は嘘ひとつで崩れてしまうくらい脆いものなのかい?」

081優子「……そんな事ない。ななちゃんも、ななせさんも、私の友達。大切な事実はその一つだけだったんだっ。特撮さん、ありがとう!えーいっ!」

082教祖「うわっ!?何をする!?」

083優子「ななちゃん!ななせさん!これを!」

084ななこ「私のまじかるおたま!まじかるフォーム!」

085七瀬「私のまじかるフルート!まじかるフォーム!」

086ななこ「ご近所の平和を守る魔法少女ななこ、ただ今参上!……だけど正直、琉球海猫に勝てる方法が思い浮かばないなぁ」

087七瀬「私に一つだけ方法があるわ。ななこ、私に向かってまじかるアタックを撃ちなさい」

088ななこ「だ、だけど二段攻撃は力負けしちゃったよ?」

089七瀬「二段じゃなくて……三段だとしたら?」

090ももんが「そ、それはアブソリュートフレイム!駄目だ!そんな事したらななせ、君は……!」

091七瀬「覚悟の上よ!これしか方法がないの!やりなさい!」

092ななこ「う、うん……。まーじーかーるーあたーーーーっく!!!」

093七瀬「そして、まじかるシューターの力をアブソリュートフレイムに込めて……ええいっ!」

094教祖「な、何をする!?離せ!」

095七瀬「これは一度しか使えない魔法だからね。外してもらったら困るのよ!まーじーかーるーメガバーーーーースト!!!」

096教祖「な、何だと!?うわああああああ!?」

097七瀬「ななこ……あなたに会えて良かったわ」

(SE・大爆発)

098ななこ「な、ななせちゃん!」

099ももんが「ななこちゃん、建物が崩れる、早く避難するんだ!」

100ななこ「でも、ななせちゃんが!」

101ももんが「残念だけど、ななせはもう……。あのエネルギーを至近距離で受けて生きてはいられないよ」

102ななこ「そんな……。」

 

103優子「でねでね、私、あの時、特撮さんに助けてもらったの。でも、びっくりしちゃった。ななちゃんが魔法少女だなんて」

104ななこ「あは、そうかなぁ」

105優子「そういえば、ななせさんは?あれから学校に来てないようだけど……。」

106ななこ「それがね、その、ゆっこちゃん。……ななせちゃん、また転校しちゃったんだ。急に決まったらしくて……ゆっこちゃんに宜しくって言ってたよ」

107優子「そっか……残念」

108ななこ「本当、残念だよね。あはははは……はは……」

109ももんが「ななこちゃんの……うそつき」

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