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学園編 私のおともだち

000ななこ「こんにちは、私ななこ!

 どこにでもいるような普通の小学生……なんだけど。

 ほんとはね、七つの魔法の力で、

 ご町内の平和を守る魔法少女なんだよっ。

 だけど、その事は学校のお友達には内緒なのっ」

 

001ブルー「やはりこの学園には何か恐ろしい悪の気配が潜んでいる……学園を、ひいてはこの町を守るために、警戒を怠ってはいけない」

002ブルー「むむっ!?校庭から猛烈な悪の気配が!生徒達が危ない!怪人!この俺が征伐してくれる!」

003松木「あっ、おまわりさん、不審者がまた現れました!あの青いのです!」

004警察「こんな事もあろうかと張り込んでおいたのさ。さぁ署まで来てもらおうか」

005ブルー「な、何をする!俺は怪人から生徒を守るために来た正義の味方なんだぞ!」

006警察「怪人物はお前だよ。詳しい話は署で聞くからさっさとついてこい」

007ブルー「うおおおっ!納得いかーーーーん!」

008松木「危機は去ったようね……最近世の中物騒になってきて困るわ」

 

00tあきら魔法少女まじかるななこ 第16話『私のおともだち』

 

009あきら「何か門の方が騒がしかったような……?一体何だったんだ」

010ななこ「さぁ。不審者がどうのこうのって先生が言ってたけど。よくわかんない」

011あきら「そろそろ休み時間終わるから教室戻ろうぜ」

012ななこ「うんっ。あきちゃん、さっきのシュートすごかったねー」

013あきら「おっ、わかるか?さっきのは自分でも上手く決まったなーって思ってたんだよ」

014ななこ「何かあきちゃん一人で得点取ってた気がするもんねー」

015あきら「そういえば今度の日曜楽しみだなー。ゆっこと三人で遊ぶの久しぶりだからなー」

016ななこ「そうだねぇ。何して遊ぶー?」

017あきら「サッカーのPKやろうぜ!あたしボール持っていくから」

018ななこ「うんうん、いいなぁ。意見聞いてみるねー」

 

019ななこ「もぐもぐ……いつも思うんだけど、どうして給食って絶対に牛乳ついてくるんだろうねぇ」

020ゆうこ「栄養の問題だと思う。でもたまにコーヒー牛乳だったりするとうれしいよね」

021ななこ「うんうん。あっ、そういえばゆっこちゃん。今度の日曜日だけど……」

022ゆうこ「あきちゃんと久々に三人で遊ぶんだよねっ。楽しみー」

023ななこ「でね、あきちゃんがサッカーやりたいって言うんだけど……。」

024ゆうこ「ええーっ。ななちゃんとあきちゃんはいいかもしれないけど……私、運動神経ないから嫌だな……」

025ななこ「そっか。じゃあゆっこちゃんは何して遊びたいのかなぁ?」

026ゆうこ「あのね、駅前商店街に行きたいなっ。また可愛い文房具仕入れてるって聞いたー」

027ななこ「へぇー、いいなぁ」

028ゆうこ「じゃあ、今度の日曜日は駅前商店街でねー」

029ななこ「う、うん。あきちゃんに意見聞いてみるねー」

 

030あきら「ななこー、一緒に帰ろうぜー」

031ななこ「う、うん、あきちゃん……今度の日曜日の事だけどね……」

032あきら「ああ、楽しみだなぁ!サッカー!」

033ななこ「あ、あのね?あきちゃん……ゆっこちゃんがサッカーじゃなくて、駅前商店街に行きたいって言うんだけど……」

034あきら「えっ?何で?」

035ななこ「えっと、可愛い文房具があるんだって。それ見たいなぁって……」

036あきら「ああいうの見るとつい買いたくなっちゃうんだよなぁ。だけど今月のおこづかいピンチだし……私はやっぱりサッカーがいいな」

037ななこ「そ、そっかぁ……困ったなぁ」

038あきら「なぁ、ななこはサッカーと買い物、どっちがやりたいんだ?」

039ななこ「わ、私……えっとえっと……。」

040あきら「やっぱりサッカーの方がいいよな?そういうわけでゆっこに話してみてくれ。じゃーな!」

 

041ななこ「うゆぅ……。」

042七瀬「どうしたの?溜息なんて。あなたらしくもない」

043ななこ「人間関係って難しいなーって……。」

044七瀬「へぇ……お気楽なあなたの口からそんな言葉が出てくるなんて。今日は槍でも降ってくるのかしらね」

045ななこ「私だって悩む事くらいあるよぅ。ゆっこちゃんとあきちゃんの意見が食い違っててどうすればいいのかわからないよぅ」

046七瀬「なるほど。大体のみこめたわ。だけどそれって、人が複数集まれば起こる、当たり前の事なのよ」

047ななこ「うゆゆぅ……二人ともまったく違う意見主張してるんだもん、合わせるなんて無理だよぉ」

048七瀬「ふふっ、いっそ皆が皆、同じ意見だったら争いなんて起こらないのね。皆が同じ趣味、同じ特技、同じ考え方……。」

049ななこ「おーっ、ななせちゃん頭いいー!」

050七瀬「……冗談よ。皆が皆同じ考え方なんて気持ち悪いじゃない。工場量産のロボットじゃあるまいし」

051ななこ「うゆゆ……冗談だったのかぁ」

052七瀬「一つだけ言っておくわ。今回の件、あなたも悪いのよ」

053ななこ「私も……?」

054七瀬「優柔不断も大概になさい。二人の事を思ってかどうかわからないけど、はっきりしないあなたが事態を悪化させてるのは事実なのよ」

055ななこ「でも私、サッカーもお買い物も好きだし、二人とも大切だし……。」

056七瀬「……ここからは私の個人的な意見だけど。あなた、友達は選んだ方がいいわ」

057ななこ「うゆ、どーいう事?」

058七瀬「下里さん……って言ったかしら。あの子とはあまり付き合わない方がいいんじゃないかしら」

059ななこ「え?あきちゃん?どーして?」

060七瀬「……別に。私があの子の事、気に食わないからとでも思ってくれればいいわ」

 

061ななこ「うゆゆぅ……どうしよう……」

062ゆうこ「え?どうしたの?」

063ななこ「ええっと、ゆっこちゃん……あのね……」

064あきら「おっ、ななこにゆっこ。今度の日曜日の事決まったかー?」

065ななこ「ええっと、それは……」

066ゆうこ「私は、お買い物がいい」

067あきら「むっ。私はサッカーがいいって言ったんだけどな。ななこ、ゆっこに伝えてなかったのか?」

068ななこ「うゆゆぅ……。」

069あきら「あたしもななこもサッカーがいいんだよ。サッカーにしようぜ」

070ゆうこ「ななちゃん、サッカーがいいなんて一言も言ってないんだけど。本当はどっちがいいの?」

071ななこ「うゆゆ……そ、それは……。」

072あきら「サッカーだよな!」

073ゆうこ「お買い物だよね!」

074ななこ「うゆゆゆゆぅ……どうしてもどっちか選ばないと駄目?」

075あきら・

ゆうこ「だめっ!」

076怪人「悩め悩め魔法少女ななこ……こうしてお前は追い詰められて病んでいくのだぁぁ!!!」

077ななこ「うゆ……怪人の気配がする。だけどどこにいるのかわからない!?」

078怪人「俺の正体を突き止めるつもりか?分かるはずがない。わかるはずがないんだよぉぉ!」

079七瀬「まじかる……キック!」

080怪人「うぼぉぉぉおおおおお!?」

081あきら「あ、あたしのサッカーボール」

082怪人「どうして俺が怪人サッカーボールだと気づいたぁぁぁ!?」

083七瀬「喋るサッカーボールなんて怪人以外の何者でもないでしょうが」

084怪人「ち、ちくしょう!だが今更気づいてももう遅い!俺の実験は十分成功したのだからな!」

085七瀬「それはどうかしらね……」

086ゆうこ「ななちゃん、あきちゃん、怪人だよ!逃げないと!……あれ?ななちゃん?あきちゃん?どこいったのー?」

 

087ななこ「あきちゃんのサッカーボールが怪人だったなんて……気づかなかったなぁ」

088ももんが「ななこちゃん。はい、まじかるおたま」

089ななこ「ありがとーももちゃん。マジカルフォーム!!!」

090ななこ「ご近所の平和を守る魔法少女ななこ、ただ今参上!怪人さん!人を利用して陥れるのはやめなさいっ!」

091怪人「人を利用してるだと?違うな……俺は少女達の背中を押しただけだ。遅かれ早かれお前達の友情は壊れたのだっ!」

092ななこ「うっ……そんな事はないもん……」

093怪人「いいや、あるな!友情なんてガラス細工のようにもろいものだ!少しの衝撃で崩れ去るもろさに笑えてくるわぁ!」

094七瀬「まじかるキック。まじかるキック」

095怪人「ぶほぉ!?うぐは!?効かんなぁ!タフなサッカーボールである俺にはそんな蹴り効かんなぁ!むしろ気持ちいいくらいだぁ!」

096七瀬「……もうやだこの怪人。」

097ななこ「よくも私達の友情を踏みにじってくれたね……許さない!まじかるあたーーーーーっく!!!」

098怪人「ぱ、パワーが違いすぎる!うぼぁああああ!!!!」

 

099ななこ「……ゆっこちゃんだいじょーぶ?」

100ゆうこ「ななちゃん今までどこいってたの!?今ね今ね!怪人を魔法少女さん達がやっつけていったんだよ!本当だよ!」

101ななこ「……わかったからおちついて」

102ゆうこ「あれ……あきちゃんは?」

103あきら「何か危なかったから逃げちゃった、えへへ。……大丈夫だった?何か、色々とごめんな」

104ゆうこ「私の方こそ……ごめんね」

105あきら「それで……今度の日曜日どうする?あたし、買い物でもいいよ?」

106ゆうこ「私もサッカーでも……頑張ってみるよ。ななちゃん、どっちがいい?」

107ななこ「えーっと……どっちか私が決めていいの?」

108あきら「ああ、ななこに任せるよ」

109ななこ「こほん。それじゃ……日曜日は三人でお菓子作ろうよ!」

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