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学園編 クラブ活動はバイオレンス!?

000ななこ「こんにちは、私ななこ!

 どこにでもいるような普通の小学生……なんだけど。

 ほんとはね、七つの魔法の力で、

 ご町内の平和を守る魔法少女なんだよっ。

 だけど、その事は学校のお友達には内緒なのっ」

 

001ななこ「うゆゆ♪うゆゆ♪うゆゆゆゆー」

002あきら「おっ、ななこ、ごきげんだなぁ。いい事でもあったのかー?」

003ななこ「うんっ。今日は家庭科クラブの活動日なんだー。ねっ、ゆっこちゃん」

004優子「そうだね。ちゃんとエプロン忘れずに持ってきたよ」

005あきら「そうかぁ。二人とも家庭科クラブだったな。じゃあ出来た頃合いを見計らって家庭科室に寄らないとな」

006ななこ「あきらちゃんも家庭科クラブ入ったら?楽しいよ」

007あきら「あたしは食べるの専門だからな。ななこみたいに料理上手かったら楽しいんだろうけどな。なぁ、ゆっこ」

008優子「うん。ななちゃん、すごく料理上手なんだよー。あ、境さんも良かったら一度見学に来たらいいよ」

009七瀬「……私、クラブ活動する気ないから」

 

00t優子魔法少女まじかるななこ 第15話『クラブ活動はバイオレンス!?』

 

010ももんが「いいなぁ!家庭科クラブいいなぁ!ななこちゃん、今日は何作るの!?」

011ななこ「今日は厚焼き玉子の練習だってさ」

012ももんが「いいなぁ!ふわふわの厚焼き玉子いいなぁ!」

013ななこ「ももちゃん、後で持ってきてあげるから落ち着いて」

014七瀬「呑気なものね。学園に危機が迫っているというのに」

015ななこ「ななせちゃん!」

016ももんが「危機か……学園に悪霊が棲みついているっていう、あれの事かい?」

017七瀬「そうよ。先日、この学園に怪人が現れたのが何よりの証拠」

018ももんが「確かにあの怪人はこの学園に狙いをしぼっていた……。君は黒幕の目星はついたのかい?」

019七瀬「大体ね……だけど確証がないわ」

020ももんが「確信に至らないうちは行動を起こすものじゃないよ」

021七瀬「私は誰の指図も受けないわ。私は私の考えで動く、誰にも邪魔させないわ」

022ななこ「ななせちゃん……。」

 

023ななこ「いい?厚焼き玉子はあまり焼きすぎないで、この状態で形を作るんだよっ」

024優子「えっと……こうかな……?」

025ななこ「ちょっと火力が強すぎるなぁ」

026優子「あららら……普通の玉子焼きになっちゃった」

027ななこ「もう一回挑戦してみようよっ」

028優子「うんっ。ええっと、弱火でこうやって……」

029ななこ「あっ、ゆっこちゃんまだ形を作るには早いよっ」

030優子「えっ?あっ……破けちゃった」

031あきら「さーて、できたかなー?……ゆっこ、それは何だ?」

032優子「……すくらんぶるえっぐ」

 

033ももんが「たまご!たまご!たまご!はむっ!はふはふっ!はふっ!」

034ななこ「……ももちゃん、落ち着いて食べて」

035ももんが「ななこちゃんって料理だけは上手だからなぁ。料理だけは」

036ななこ「何か言った?」

037ももんが「いんや。何も言ってないよ」

038ななこ「それならいいんだけど」

 

039あきら「いやぁ、うまかった。やっぱりななこの料理はうまいなぁ。なぁゆっこ」

040優子「う、うん。そうだねぇ。ななこちゃんって料理上手だよねぇ」

041あきら「さーて、腹いっぱい食ったし帰るかぁ。……ゆっこは帰らないの?」

042優子「私はちょっと後片付け残ってるから。先に帰ってて」

043あきら「そっか。手伝いたいけど、前にお皿割った事があるしな。先に帰らせてもらうよ。ごちそーさーん」

044優子「あ、うん。また明日ねー」

045優子「……あーあ。私ってどうしてこんなに不器用なんだろ。玉子割る時に殻入っちゃう事もあるし、厚焼き玉子も一度も成功しなかったし……ななちゃんみたいに料理が上手になれたらなぁ……」

046怪人「少女よ……料理がうまくなりたいか」

047優子「誰!?」

048怪人「我こそは怪人フライパン。少女よ、私を使え!私を使って厚焼き玉子を作るのだ!」

049優子「で、でも……」

050怪人「早くやれ!」

051優子「は、はい!……ええっと、確かこれをこうして……出来た!私にも厚焼き玉子ができたー!」

052怪人「よし、次は錦糸卵を作るのだ!ふははははは……!」

 

053ブルー「むむっ!この学園から悪の気配を感じるぞ。しかし……学生でも教師でもない俺が入るわけには……。俺に出来る事は門の前で張り込むだけなのか……いやしかし」

054あきら「な、何だあの門の前をうろついてる青いのは……先生に知らせよう!」

055ブルー「もしかしたら学校内で生徒が危険にさらされているかもしれない……だがしかし立場の壁が……!」

056あきら「先生!あいつですあいつ!あの青いの!」

057松木「まぁ、どこからどう見ても不審者だわ!通報しましょう!」

058ブルー「俺は、俺は一体どうすればいいんだぁぁぁ!」

 

059ななこ「うゆ?家庭科室の鍵が開いてるよ。まだだれか残ってるのかなぁ」

060怪人「よくやったぞ少女!私の力さえあればお前に作れない料理はない!世界一の料理人になれるぞ!」

061優子「私が……世界一の料理人……」

062ももんが「あのフライパン……怪人だよ!優子ちゃんは操られているんだ!」

063ななこ「助けなきゃ!まじかるフォーム!」

064ななこ「ご近所の平和を守る魔法少女ななこ、ただ今参上!怪人さん、ゆうこちゃんを放しなさい!」

065怪人「魔法少女よ、お前は何か勘違いをしていないか」

066ななこ「うゆゆ?勘違い……ってどういう事かなぁ?」

067怪人「お前を言い方ではまるで私が強引に少女を操っているみたいではないか」

068ななこ「ち、違うの??」

069怪人「違うな。これは少女が自ら望んだ事なのだ」

070ななこ「そんな……嘘だよねゆうこちゃん!」

071ももんが「ゆうこりん!そのフライパンは危険だ!そんなもん早く捨ててこっちにくるんだ!」

072優子「危険……?」

073怪人「少女よ、私を捨てたらまた料理が下手だった頃に逆戻りだぞ」

074優子「それは……嫌……!」

075怪人「そうだろう!ならば仇なす魔法少女を共に料理してやろうぞ!」

076優子「わかった……えいっ!」

077ななこ「わわっ!?ゆうこちゃん、どうして!?」

078優子「もう嫌なの……ななちゃんはどんどん料理の腕が上達するのに、私だけいつまで経っても上手にならないのは……」

079ななこ「ゆうこちゃん……?で、でもあきらちゃんもお料理駄目だったと思うけどなぁ?」

080優子「あきちゃんは家庭科の代わりに体育の授業でいつも大活躍してるもん……私だけ、私だけ何もない……。だから!このフライパンの力で、私は世界一になるのっ!」

081ななこ「うゆゆっ!?」

082ももんが「やっぱりおたまとフライパンじゃ火力が違いすぎるのか……!ななこちゃん、一旦退却して作戦を立て直すんだっ」

083ななこ「ううっ……そんなの駄目だよっ。ゆうこちゃんを放っておけないよ」

084ももんが「じゃあななこちゃん、ゆうこちゃんと本気で戦えるの!?」

085ななこ「そ、それはできない……けど、けど!」

086怪人「さぁ少女よ!魔法少女にとどめをさすのだ!」

087優子「と、とどめ……!」

088ななこ「こんなのおかしいよっ。いまのゆうこちゃんは間違ってるよっ!」

089優子「何が、間違ってるっていうの……?」

090ななこ「ゆうこちゃんは自分には何もないって言ったよね……そもそもあれが間違いっ」

091優子「えっ……?」

092ななこ「私、知ってるよ。ゆうこちゃんが日直の日に誰よりも早く登校して教室のお掃除をしてる事。お休みした子のお家にいつもプリントを届けに行ってる事。大雨の日、傘を忘れた下級生の子に自分の傘を渡してずぶ濡れで帰った事……どれも私にもあきらちゃんにも出来ない……ゆうこちゃんにしか出来ない事だよっ!」

093優子「私にしかできない……?」

094ななこ「ゆうこちゃんは他の誰も持ってない優しさがあるのに……努力もせずに身についた力なんて、本当の力とは言えないよっ。そんな力……間違ってるよっ」

095優子「間違ってる……?」

096ななこ「私も最初の頃はお料理失敗したよ?だけど、何度も何十回も失敗したけど、食べてくれる人が喜んでくれたらって思って頑張ったからここまでできるようになったんだよっ」

097優子「私は……。」

098怪人「何をやってる少女!魔法少女を料理するんだ!」

099優子「私は……こんな力、いらない!」

100ももんが「ゆうこちゃんがフライパンから手を放した!今だ!」

101ななこ「ま・じ・か・る・あたーーーーーーっく!!!」

102怪人「そ、そんな馬鹿な……ぐぎゃあああああああああ!!!」

103ななこ「やったぁ!大勝利!」

104七瀬「……怪人の洗脳を解くとは……魔法少女ななこ、あなたは時々私の予想外の力を見せる……!その力の源が何なのかわかれば、あるいは……。」

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