世直し編 どたばた温泉攻防戦
000N「ご町内の平和を守ってきた魔法少女ななこ!
しかし平和そうな町にもまだまだ悪の気配が満ち溢れていた。
現代社会の闇に人知れず潜み悪事を働く怪人達を倒すべく、
今ここにななこの世直しが始まった!
戦え、魔法少女まじかるななこ!」
001ななこ「うゆーっ!何だかすっごい大自然だなぁ」
002お兄さん「何かの抽選で温泉旅行が当たったらしいんだが、一緒に来る相手がいなくて。助かったよななこちゃん」
003ななこ「何かの抽選って……何のか分からないのかなぁ?」
004お兄さん「いやぁ、それがよく分からないんだ。メールで『当選しました!詳しくはここをクリック!』って出て……。」
005ななこ「お兄さん、次からはそういうメール捨てた方がいいと思う……。」
006お兄さん「まぁまぁ、何事もなく温泉旅行当ったんだからいいじゃないか。今日くらいはゆっくりしようよ」
007社長「何事も無く?本当にそう思っているのか、ざまぁみろ!温泉旅行はお前をおびき出すための貴重な出費だ!魔法少女ななこ、俺の世界征服の実現のために絶対にこの温泉街でお前の息の根を止めてやる!」
00t魔法少女まじかるななこ 第12話『どたばた温泉攻防戦』
008優子「わぁー、すごいおっきい温泉ー!」
009このは「すごーい!感動ー!大自然ー!」
010ころろ「二人とも。走ったら危ないよっ。……特にこのはちゃんは病み上がりなんだからね」
011このは「分かったよー。あ、あっちに大きな山が見えるー!」
012ころろ「……分かってないっ」
013優子「でも皆で温泉来れてよかったねぇ。このはちゃん、一時はどうなるかと思ったし。ころろちゃんも予定合わせてくれてありがとね!」
014ころろ「別にいいわ。……私も、楽しみにしてたし」
015優子「それにしても。魔法少女さんも来てたんだねー。奇遇ー」
016ななこ「まぁね!魔法少女の優雅な休息、ってところかなー?あははー!」
017ももんが「……近所のお兄さんのオマケでタダ旅行して、何が優雅な休息だよ」
018ななこ「何か言った?おまけのおまけのももちゃん」
019ももんが「いんや。何も。……って言うか聞こえてんじゃん」
020ななこ「……というか、ももちゃんは男湯でしょーっ!お兄さんと一緒に入って来なさーーーーい!」
021ももんが「ももんが用が無いから、僕もどっちに入るか迷ったんだけどね!やっぱり男湯かぁーーーーーーーっ!?」
022お兄さん「おっと、ももんがが滑空してこっちに来るぞ」
023ももんが「よっこいしょっと。まぁ、こんな平和な温泉街に事件が起こるとは考えられないし。僕もゆっくりしよーっと」
024お兄さん「わぁ。猿はよく温泉浸かってるイメージあるけど、ももんがも温泉入るんだな……ん?」
025鳥「傷をいやすのは温泉が一番とり」
026お兄さん「……鳥まで温泉に入るのか」
027ももんが「……鳥。温泉入るのはいいけど、湯船でリバースするなよ?」
028鳥「びくっ!」
029中国「おにーさんおにーさん、本場中国の温泉卵、おひとついかがあるか?」
030お兄さん「本場中国って……中国にも温泉卵ってあるのか」
031中国「四千年の歴史を誇る中国にないものはないあるよ!ピータンにするあるか?マオダンにするあるか?」
032お兄さん「マオダンって何だ?」
033中国「平たく説明すると某カリメロのゆで卵みたいなもんあるな」
034ももんが「はいその説明アウトー!」
035中国「孵化日数によって味が全く違うあるよ。孵化直前のなんてもうほとんど鶏肉あるよ!さぁ、おひとついかがあるか!」
036お兄さん「……要らない」
037中国「すっごいおいしいあるよ!?そこの鳥、食べてみるある」
038ももんが「ちょ、それ共食いじゃ……」
039鳥「もぐもぐ……うっ、駄目だまだ吐くなこらえるんだ……!ああもう無理だ!オエエエエエエエエエエ!!!」
040ももんが「ぎゃあああああああああ!!!直下型ボムきたああーーーーーーー!!!」
041優子「何か男湯の方、騒がしいねー」
042ころろ「良からぬ話で盛り上がってるんじゃないの?」
043このは「ねぇねぇ二人とも見て見て!あれ見て!」
044ころろ「なに?また野生の動物でも見かけたの?それとも奇麗なお花?」
045このは「そうじゃなくって……空飛ぶ円盤!」
046ころろ「えええええーーーーー!?」
047優子「あの円盤、どこかで見た事があるような……?」
048このは「こっちに下りてくるー!みぎゃっ!?」
049ころろ「ちょ、このはちゃーーーん!?」
050まるる「ここが地球の温泉ね……でも無事に着陸出来て良かったわ」
051優子「いやいや、不時着してるからっ!っていつぞやかの火星人さん!?」
052ころろ「うわー、火星人だー。侵略だー。もう終わりだー」
053まるる「すっごい硫黄臭いけど、ここ大丈夫なの?」
054ころろ「もう私にはお祈りをする事しか出来ないわ。神様神様、世界人類が平和でありますよーに!神様神様……」
055まるる「おーい、もしもーし。……駄目だこりゃ」
056優子「その子、いつもはいい子なんだけどスイッチ入るといつもそうなの。気にしないで。それより……UFOどけて欲しいんだけど。下にもう一人の友達が……」
057まるる「ごめんなさい!すぐどけるから!大丈夫!?」
058このは「わー、すごーい!本物のUFOだー!」
059優子「このはちゃん、UFOに潰されてなかった??大丈夫……?」
060このは「え?ああ……そういえばぶつかった頭が痛いー」
061まるる「病弱そうに見えてこの子、実は相当身体強くない……?」
062優子「私も最近のこのはちゃん見てるとこのまま百歳まで生きるんじゃないかなぁって思ってくる……。」
063電波「お兄ちゃーーーーーん!」
064このは「わわっ!?いきなり温泉の中から人が!?……っとっと……きゃあーっ!石鹸ふんづけたーーーーーーーーっ!!」
065まるる「びっくりした……。地球の温泉の中には、こんなおかしいのが生息してるの?」
066電波「魔女がいる!私とお兄ちゃんとの感動の再会を邪魔する気なのね!?許さないっ」
067N「今、ここに唐突にどたばた温泉攻防戦が開幕した!そしていきなり園芸少女このは、石鹸をふんづけた勢いで青空にダイブしてリタイア」
068まるる「何こいつ……この私とやるっての?円盤生物オスプレイ、行きなさい!」
069電波「警棒すとらーーーーーーーいく!!!」
070まるる「きゃあああああーーーーーーーーーーーーー!?」
071優子「火星人さん!?ころろちゃん、早く逃げないと!」
072ころろ「神様神様……。ああ、神様が舞い降りて来られた……。」
073優子「……駄目だこりゃ。わ、私向こうで卓球して遊んでこよーっと」
074電波「お兄ちゃんは隣ね!今助けに行くわ!」
075N「火星少女まるる、リタイア。宗教少女ころろ、現実世界をリタイア。上村優子、エスケープ。」
076お兄さん「何か女湯の方が騒がしいようだけど……うおおっ!?」
077中国「あいやーーーー!?」
078電波「お兄ちゃーーーん!前世の約束通り会いに来ましたよー♪」
079ももんが「うわっ!……うわっ」
080電波「あ、あれ?お兄ちゃん!?どうしたの!?大丈夫!?誰がお兄ちゃんをこんな目に!?」
081ももんが「お前が垣根破壊してきて潰したんだろうが」
082電波「あっ!魔女の手下の小動物!お前がお兄ちゃんをこんな目に合わせたのね!許せない!」
083ももんが「駄目だ相変わらず日本語が通じない!おい鳥!お前の力と僕の頭脳であいつをやっつけるぞ……って、もう飛んで逃げてるし!」
084鳥「今はまだ吐く時じゃないとり」
085電波「まとめて殺してあげるよっ!警棒すとらーーーーいく!!!」
086ももんが「いやぁぁーー!ほーむらーーーーーーーーん!!!」
087鳥「ば、馬鹿!こっちに来るなとりーーーーーーーー!!!」
088N「中華少女みすず、近所のお兄さん、魔法生物ももんが、対魔生物ハチドリ、リタイア」
089ブルー「とおっ!エフェクターブルー参上!平和な温泉街を襲う所業、許し難し!正義の鉄槌、受けてみよ!!!」
090電波「まだ居たんだね……お兄ちゃんと私の邪魔をする奴が。許さないんだから!」
091N「激闘が繰り広げられている間、我らの魔法少女ななこは何をしていたのかというと……」
092ななこ「もぐもぐ……うん、温泉まんじゅうおいしいなぁ。あれ?皆は……?男湯の方で誰か戦ってるみたいだけど……何が起こってるのかなぁ?」
093きらら「きらりん!今、電波の逆襲で大パニックなのよ!」
094ななこ「うゆゆ!?きららちゃん、この状況を収められる秘密アイテムを出して欲しいなぁ」
095きらら「ああ、無理無理。資金不足で何も作れなかったのよ。というわけで頑張ってね。温泉まんじゅううまうま~♪」
096ななこ「……何しに出て来たんだろあの子」
097ブルー「うおおっ!?畜生、あんなのでも女は女……全力で戦えん」
098ななこ「特撮さん!大丈夫!?何かあの子、前戦った時より数段強くなってないかなぁ!?」
099電波「あれからレベル上げまくって課金しまくったのよ!以前みたいに救世主を探し求めてた私とは違うんだから!私こそ救世主なのよ!」
100ななこ「あ、あれ?私、あの子の言ってる事が全然分からないよ……?と、とにかく戦わなきゃ、まじかるおたまは……あーっ!お洋服と一緒に脱衣所に置いてきちゃったー!」
101電波「お兄ちゃん待っててね……今そいつら殺すから」
102ななこ「うゆゆゆゆーーーーーーーーーーーー!?」
103N「魔法少女ななこ絶対絶命の大ピンチ、と思ったその時であった」
104七瀬「ま・じ・か・る・シューターーーー!」
105電波「わわっ!?な、何者!?」
106ななこ「この魔法……まさか、あなたは……!」
107電波「分かった!新しい魔女ね!私が倒しちゃうんだから!警棒すとらーーーーーいく!!!」
108七瀬「ま・じ・か・る・ラリアーーーーーット!!!」
109電波「あぐぐっ!?」
110N「湯けむりの中、ななこは確かに見た。電波少女あゆゆをラリアット一撃でノックダウンさせた一人の少女の姿を。」
111ななこ「あなたはもしかして!待って……!」
112N「しかし、不思議な事に湯けむりが晴れた時に、その少女の姿はなく、ただ電波が倒れているだけであった……。」
113ななこ「またきっと会えるよね……ななせちゃん。」
114N「こうして、どたばた温泉攻防戦は幕を閉じたのであった。しかし……誰か一人忘れてやいやしないだろうか」
115社長「魔法少女ななこめ……悔しいが褒めてやる。よくぞ後ろからの攻撃を身切ったとな!はーっはっはっはっはっは……。」
116まるる「あの、そろそろどいてくれる?」
117N「この悪徳社長、どさくさにまぎれて攻撃しようとして、火星少女まるると共に旅館の屋根に突っ込んでしまっていたのであった。諸君、温泉はマナーを守って楽しんでいただきたい……。」