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世直し編 最臭兵器怪人

000N「ご町内の平和を守ってきた魔法少女ななこ!

 しかし平和そうな町にもまだまだ悪の気配が満ち溢れていた。

 現代社会の闇に人知れず潜み悪事を働く怪人達を倒すべく、

 今ここにななこの世直しが始まった!

 戦え、魔法少女まじかるななこ!」

 

001N「深夜の住宅街を怪しげな鳥がばさばさと飛んでいた……。猛禽類でもないのに夜に目が効く鳥、それだけで明らかに普通では無かった」

002鳥「この家が良いとり……。」

003N「鳥は目の前の家の窓ガラスを割ると中へと入っていった。これからここで何が起こるのか、誰も知らない……。」

 

00t鳥魔法少女まじかるななこ 第10話『最臭兵器怪人』

 

004優子「ごめんくださーい!青瀬さーん、回覧板届けに来ましたー!」

005優子「留守なのかなぁ。……あれ、玄関開いてる。ごめんください……。」

(SE・ドア開音)

006優子「うわぁ、たくさんゴミ袋が転がってる……ゴミの日に出し忘れたのかな。これ、何日分ためればここまでいっぱいになるんだろ……」

007鳥「とりぃぃーーーーー!!!」

008優子「きゃっ!?な、何っ!?」

009鳥「ここから先は通さんとり」

010優子「わぁ……変なのが出てきた」

011鳥「変なの言うなとり!鳥はどこから見ても普通の鳥なのだとり!」

012優子「普通の鳥は喋らないと思うけど……。とにかく私はここの人に回覧板を届けなきゃいけないの」

013鳥「残念とり。ここのあるじは留守のようだとり」

014優子「留守のようだ……って、鳥さん、ここで飼われてるわけじゃないの?もしかして不法侵入?」

015鳥「ぎくっ!気付かれてしまった以上生かして返すわけにはいかんとり!」

016優子「そんな理不尽なー!誰か助けてー!」

 

017ななこ「うゆゆ!?助けを求める声が聞こえるよ!」

018ももんが「ななこちゃん、今日も絶好調だね。さぁ、マジカルアイで場所を探すんだ!」

019ななこ「まーじーかーるーあいっ!!!」

020ももんが「説明しよう。魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルアイ。箱の中や遠く離れた場所など、視覚外の物を見る事の出来る魔法なのだ。ちなみに七つの魔法の中では一番お手軽な魔法なのである」

021ななこ「おっとももちゃん基本に戻ったね。分かったよ、今回の事件はこのお家の中で起こってるよ!」 

022ももんが「近っ!?ななこちゃん、マジカルアイ使う必要なかったんじゃ……。」

023ななこ「最近、魔法使ってないってリスナーの皆から指摘あって。自分でも魔法少女である事を忘れちゃいそうだからあえて使ってみたよ」

024ももんが「しっかりしろよぅ、魔法少女ー」

025ななこ「そんなわけで!マジカルフォームっ!」

026ももんが「説明しよう。魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルフォーム。様々な姿に変身する事が出来るが、主に魔法少女の戦闘服に着替える時に使う魔法なのだ。ちなみに魔法少女としては絶対必要な魔法の一つである。なるほど、今回最初から変身してなかったのは変身するのを見せるためだったんだね!」

027ななこ「そういうことっ。というわけで、ごめんください!正義の魔法少女・まじかるななこだよっ!」

028ももんが「うわぁ……きったない家だね。たまげたなぁ」

029ななこ「うゆゆ、ゴミはちゃんとこまめに捨てないと駄目だなぁ。わわっ、こっちにはバイクの部品が……。」

030ももんが「多分、この家のあるじは物を捨てられない奴なんだよ、間違いない」

031ななこ「でもそのあるじさん、留守かなぁ?いないみたいだけど」

032鳥「またおかしいのがきたとり」

033ななこ「うゆっ!?おかしいのじゃないよ!まじかるななこだよっ!」

034ももんが「おかしい喋る鳥におかしい奴呼ばわりされたら魔法少女も形無しだね」

035鳥「喋るももんが。お前も十分おかしいとり」

036ももんが「がぁーーーん!」

037ななこ「鳥さん、ここにゆうこちゃんが来たはずなんだけど知らないかなぁ?」

038鳥「ああ、あの子なら生贄にしたとり」

039ななこ「いけにえ!?な、何のかなぁ!?」

040鳥「それ以上は言えんとり。分かったらさっさと帰るとり」

041ななこ「そんな事は出来ないよ。その奥に何かいるんだね、通してもらうよ!」

042鳥「ここは通さんとり」

043ななこ「ゆうこちゃんを助けるために力づくでも通してもらうよ!ま・じ・か・る・あたーーーーーーーっく!!!」

044ももんが「説明しよう!魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルアタック。魔力を直接ぶつけるハイレベルな攻撃魔法なのである!……って、もしかしてこの鳥!ななこちゃん、そいつに魔法は駄目だーーー!」

045ななこ「……えっ?」

046鳥「オエエエエエエエエエ!!!」

047ななこ「わわわわぁぁぁ~~~~~~~~~~!?」

048ももんが「出た!オウム返しリバースだ!!!」

049ななこ「うゆゆぅ……どーして魔法が跳ね返ってくるのー?」

050ももんが「ハチドリの特殊能力だよ。魔法をそのまま跳ね返しちゃうのさ。だからあいつらは魔法少女の天敵だって言われてるんだ」

051ななこ「そ、そんなぁ!魔法が通じないだなんて……もう直接なぐっちゃおっと!まじかるおたまーっ!!!」

052鳥「とりぃぃぃーーーーーー!!!」

053ななこ「うゆっ!?うゆっ!?うゆぴょっ!?」

054ももんが「うわぁ、見事な三段ヒット……格ゲーだったらボーナスポイント入ってるね」

055ななこ「あの鳥さん、格闘も強いよ!?魔法も通じないし……どうしたらいいのー!?」

056ももんが「んーと、そうだねぇ。じゃあ跳ね返されない魔法でも使ったら?」

057ななこ「あっ、そうだねぇ。それでいこうか!」

058鳥「何をこそこそ言ってるとり?」

059ななこ「いっくよー!まーじーかーるーヒーリング!!!」

060ももんが「説明しよう!魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルヒーリング。癒しの力で傷や生命力を回復させる、優しさの魔法なのである!まさか回復魔法を跳ね返す奴はいないよね?」

061鳥「鳥を回復させてくれるとり?何のつもりとり?」

062ななこ「と、見せかけてまじかるテレポート!」

063ももんが「説明しよう!魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルテレポート。離れた距離を一瞬で移動する大魔法なのである!上手いね、相手の背後を取ったよ!」

064ななこ「まさか後ろからはリバース出来ないよね?零距離まじかるあたーーーーーっく!!!」

065鳥「とりぃぃぃーーーーーーーーーーーーー!?」

066ななこ「やったぁ!大勝利!」

067鳥「後ろからだなんて……汚いとり」

068ももんが「リバースばっかりする鳥に汚いなんて言われたくないなぁ。こっちまでもらいゲロしそうだよ……うおっぷ」

069ななこ「さて。奥に進ませてもらうよっ!」

070鳥「仕方ないとり……だけどもうじき目覚めるはずとり……あれに皆殺しにされるが良いとり……。」

071ななこ「うゆ?あれって何かなぁ?」

072ももんが「う、うわああああ!?何だあれは!」

073N「部屋の奥にあったのは、ゆうこを飲み込もうとしている禍々しい大きな花のつぼみであった」

074ももんが「なななななななこちゃん!あれ!あれ見て!」

075ななこ「うわぁ、このお部屋も物がたくさんあるなぁ。もっと片付けたら素敵になるのに」

076ももんが「そうじゃなくて!ななこちゃん!あれ!」

077ななこ「ああっ!?ゆうこちゃん!!!」

078ももんが「……気付くの遅いよ」

079ななこ「どーしよう!ゆうこちゃんが食べられちゃう!でも魔法なんて使ったらゆうこちゃんまで巻き添えにしちゃうし……」

080ももんが「そんな事言ってる間にゆうこちゃん食べられちゃったよ!?」

081ななこ「ええーーーーーー!?」

082ももんが「ななこちゃんがぼーっとしてるから!」

083ななこ「うゆ、ももちゃんだって何もしてなかったじゃん!」

084ももんが「ぼ、僕は頭脳労働専門だからね、このピンチをどうやって切り抜けようか考えてたんだよ……」

085ななこ「ふーん……で、考えついたの?」

086ももんが「……ああっ!花のつぼみが開いてきた!」

087ななこ「ももちゃん、話を逸らさないでっ」

088ももんが「そんな事言ってる場合じゃないよ!あれ!あれ見て!」

089ななこ「あれ……?」

090怪人「我こそは怪人ラフレシア!鳥を使ってこのゴミ屋敷を養分に育ったのだ!くらえ!優雅な花粉攻撃!」

091ななこ「ももんがシールド!」

092ももんが「おええええっ!?何て臭い花なんだ……」

093怪人「ふはははは!もっといくぞ!花粉乱舞!!!」

094ななこ「ま、まじかるバリアー!」

095ももんが「魔法少女ななこは七つの魔法を使う事が出来る。そのうちの一つがマジカルバリア。魔力の壁で相手の攻撃や臭いを防ぐ事が出来る魔法なのである!というかななこちゃん……僕も入れて欲しいけど……。」

096怪人「そうら!こいつでとどめだ!」

097ももんが「うえぇぇぇぇ!?目に染みるぅぅ……臭かろうてもう無理……ばたり」

098ななこ「ももちゃん!……どうしよう。今回ばかりはどうにも出来そうにないなぁ……いっそ街の清掃課に連絡して何とかしてもらおうかなぁ」

099N「ななこが諦めかけたその時であった」

100ブルー「伏せていろ!ブルー除草スプレーガン!!!」

101怪人「うぎゃあああああああ!!!」

102ななこ「す、すごい!一撃で怪人さんを退治しちゃったよ!」

103優子「ううっ……私は一体……?」

104ももんが「臭っ!?ゆうこちゃん、超臭っ!?」

105優子「がーーーーーん!?」

106ももんが「でも特撮ブルー。ナイスタイミングだったけど、よくこの事件現場がわかったねぇ」

107ブルー「それもそのはず。ここは俺の家だからだ!」

108ももんが「ええーーーっ!?このゴミ屋敷、特撮ブルーの家だったのかー!?」

109ブルー「うむ。ちょこっと散らかってるけど、コーヒーでも飲んでいくか?ブルーマウンテンあるぞ」

110ななこ「あの、特撮さん?これだけは言っておくよ?……」

111優子「ちゃんとお掃除しなさいっ!!!」

112ブルー「……はい」

113N「諸君、自分の部屋は定期的に掃除しておいたほうがいい。汚れたままにしておいたら、次に鳥が怪人の種を蒔きに来るのは君の部屋なのかもしれないのだから……。」

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