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虐められていた私にとっては、婚約破棄こそが救世主です!!

 おぼっちゃんの青年フォートーと婚約した私は彼と同居することになったのだが、彼の母親は私を嫌っていて、それによって私は毎日虐めを受けるようになってしまった。


 いけていた花をごみとして勝手に捨てられたり。

 私が寝るベッドの上に大量の虫が置かれていたり。

 私物である服を破られたり。


 とにかく嫌なことばかりされてしまうのだ。


 その主導者はフォートーの母親である。


 私はいつか来るチャンスに備えて証拠を集めることに集中するようにしていた。

 いずれこれらが私の剣となってくれることだろう。


 今は辛くとも、いつかは必ず幸せになってみせる。


 どんな形でそうなるかは分からないが。


「母から聞いた。君は僕の母親を虐めているそうだね。信じられないよ。君がそんな悪い人だったなんて知らなかった。はぁ……騙されていたとはね」


 嘘ですよ、それ。

 私が虐めているのではなく、貴方の母親が私を虐めているのです。


 そんなことを思いつつも、私は「私はそのようなことはしていません」とだけ返しておいた。


「嘘をつくな! それともなんだ、母が嘘つきと、そう言いたいのか!」

「本当のことを言っているだけです」

「嘘だ! うそうそウソウソうそうそウソウソうそウソうそウソうそだ!」


 彼はむきになっていた。


「婚約は破棄とする! とっとと出ていけ!」


 ついにこの時が来た。

 待ち望んでいた、この時が。


 私は婚約破棄をすんなり受け入れた。

 そして、彼から解放されると同時に、彼の母親の行いを世に出した。


 私はもう自由だ。


 証拠品を集めていたこともあり、慰謝料の支払いを求めることができた。

 最初は渋っていたフォートーだが、そんなことが認められるわけもなく、彼は最終的には払うしかない状況に陥った。


 貰うものは貰った。

 もう彼と関わる必要はない。


 その後私は実家へ帰り、幸せに暮らした。


 あれから数年が経った。

 今でも両親と共に穏やかに楽しく暮らせている。


 ちなみにフォートーはというと……あの後婚約者を虐めていた話が世に出たことで家の評価は地に堕ち、それによって社会的地位も失うこととなったそうだ。



◆終わり◆

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