92/191
結末は興味深いものになりました 〜ボロクソ言われて婚約破棄されましたけれども〜
「君はどれだけ言っても駄目なところを改善する気がない。よって、婚約は破棄とする」
婚約者ウィズリーがある日突然そんなことを言ってきた——鼻を歪ませながら。
「君のような駄目人間を妻にするなど、我が人生最大の汚点。妻のせいで恥をかかされるのは絶対にごめんだ。ということで、君とは本日をもって他人となる。もう二度と現れるな、顔を晒すな、君とは永久に会いたくない。ではな。さらば」
こうして私は婚約破棄されてしまったのだった。
◆
あれから数年。
私は今、翻訳家として働いている。
婚約破棄された後に夢のために学ぶことを選び、勉強期間を経て、何とかこの職に就くことができた。
今はとても充実している。
そういえば、これは最近知ったことなのだけれど——ウィズリーはあの後酔っ払った際に痴漢行為を働いてしまい、社会的地位を含むこれまで築いてきたものすべて失うこととなったそうだ。
◆終わり◆




