84/191
理不尽な婚約破棄なんかで挫ける私ではありません!
「君は本当に可愛げがない。しばらく見てきたがどこまでも可愛くない。よって、君との婚約は破棄とする」
婚約者フリュベルはそれが当たり前であるかのように告げてきた。
「待ってください。いきなり過ぎます。きちんとした理由を教えてください」
「知らん」
「そんなのはめちゃくちゃ過ぎます」
「知るか。さっさと去れ、消えろ」
こうして私たちの婚約は破棄されることとなった。
◆
あれから数年が経った。
私はフリュベルとは結ばれなかったが、その後知り合った精密機器店の息子と結婚し、今は二人で穏やかに暮らしている。
彼と結ばれたことは、言葉にならないくらい幸せだ。
ちなみにフリュベルはというと、あの後女性関係で揉め事を起こしてしまい、社会的地位を失ってしまったらしい。しかもそれだけでは済まず。その直後に酒を飲んで暴れる事件を起こして数名の負傷者を出し、治安維持組織に拘束されたとのことだ。
◆終わり◆