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ある日いきなり婚約破棄を告げられてしまいましたが……これからは何も気にせず暮らせそうで嬉しいです!!
ある日のこと、私は、婚約者である青年ヴィレントンに呼び出されました。
「君との婚約を破棄したい」
彼はいきなりそう言いました。
静かに、しかしながら、はっきりと。
「そうですか。分かりました。それではさようなら」
私はそう返し彼の前から去りました。
あれから既に一年が経ちましたが、今は実家で楽しく暮らしています。毎日が自由に満ちていてとても嬉しいです。彼と結婚すれば、きっとこうはいかなかったでしょう。
ちなみに。
ヴィレントンはというと、あの後ぶりっ子過剰な女性と結婚し、夫婦になってから本性を露わにしてきた彼女の尻に敷かれて細々と暮らしているそうです。
今や彼に発言権はないそうで。
妻の言葉が絶対、たとえどんな内容でも、というような状況だとか。
もっとも、私には関係ないですが。
◆終わり◆