表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/191

婚約破棄ですべてが終わるわけではありませんから、必要以上には気にしないようにします。

「お前のような家事もまともにできず俺に従う気もない女とはやっていけない。よって、婚約は破棄とする」


 それはある晴れの春の日のこと。

 私は突然そんなことを言われてしまった。


 意外だった。彼が私をそんな風に見ていたなんて。


 でも今さら何を言っても聞いてはもらえないだろう。今までも揉めた時はそうだった。彼はいつも自分の主張ばかりを強く続け、私の言い分なんて少しも聞こうとはしない。いつも、どんな時も、私に言い返す権利なんてないのだ。


 こうして私は、呆れるくらいあっさりと、切り落とされてしまうこととなった。


 私たちは確かに婚約者同士だった。

 けれどもこの日を境に他人になった。



 ◆



 あれから十五年。


 私は今、伯父の紹介によって知り合った領地持ちの家の次男である男性と結婚し、二人で一つの家に住んでのんびりと暮らしている。


 領地の管理はしなくてはならないからやはり日々苦労はあるけれど。それでも私はこの人生を後悔はしていないし、むしろ、この道を選んだことを良かったと考えている。


 穏やかな夫と共に生きられる、それが何より幸せだ。


 そういえば。

 これは先日私の父から聞いた話なのだが。


 元婚約者の彼は私と別れた後一人の女性と結婚したらしい。

 しかし結婚した直後に女性側に問題があったことが判明。

 家族間での喧嘩にまで発展し、結局、二人は離婚に至ってしまったそうだ。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ