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捨てられたって気にしないようにします!

 それは、ある爽やかな春の日のこと。

 私は婚約者ベーグルーに呼び出された。


「急に悪いね」

「いえ」

「で、本題に入りたいんだけど……」

「本題?」


 一度目を閉じ、再び瞼を開けるベーグルー。


「君との婚約は破棄とする」


 稲妻が駆け抜けたような感覚。


「え……どうして……」

「君を必要としなくなったんだ」

「そんな……」

「嘘偽りを告げる気はない、だから本当のことを言った、それだけだよ」


 暫しの沈黙の後。


「そう、ですか。分かりました」


 私はその場から去った。


 悲しみはあったけれど、私は気にしないことにした。


 私に罪があると言われているわけではない。その点私はまだ幸せな方だろう。世には、冤罪で理不尽に婚約破棄される人もいると聞くから。悪者に仕立て上げられるよりかは、あっさりさっぱり切り落とされる方がずっとましだ。


 その後私は趣味に打ち込んだ。


 そしてその世界で成功した


 これが私の生きる道。

 たとえ世の女性たちとは少し違っているとしても、それでも構わない。


 やりたいこと、好きなこと、それをやって生きている今は幸福感に満ちている。


 きっと私にはこの人生が相応しかったのだろう。


 そういえば。


 これは私が成功した後に親伝いに聞いた話だが、ベーグルーは私との婚約を破棄した直後一人の美人な女性と婚約し、やがて彼女と結婚したらしい。


 しかし幸せは続かなかったそうだ。


 ちょっとした感性の違いからことあるごとに喧嘩になってしまっていたらしく。その際にベーグルーが暴言を吐き続けたことで、やがて離婚にまで至ることとなってしまったそうだ。



◆終わり◆

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