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婚約破棄ですか? お好きになさって。

「君のような真面目過ぎる女とは付き合っていけない! よって、婚約は破棄とする!」


 婚約者フルベンガングは公の場で宣言した。


 周りにいる女性たちがくすくす笑っているのを見て、私はすべてを察した。

 きっと彼女たちが何か吹き込んだのだろう。


 でもそういうことならなおさら……早めに離れた方がいい。


 たとえここを乗り越えても、きっとまた何らかの形でややこしいことになるだろうから。


「そうですか、分かりました」

「嬉しそうだな」

「いえ。そういうわけではありませんが……ではこれにて失礼しますね」


 私はそう言って、静かにその場を去る。

 直前までくすくす笑っていた女性たちは少しばかりつまらなそうな顔をしていた。


 その後私は一旦実家へ帰った。

 そしてそこでのんびりと暮らすようになった。


 お茶を飲む、趣味に打ち込む、それらは私にとってとても大切な時間。


 フルベンガングのことを嫌いだったかというとそういうわけではなくて。上手くやっていけるなら共に生きていきたいと思ったこともあったことはあった。でも、だからといって縋りつくほどのものでもない。上手くいけそうなら、というくらいの感じである。


 ちなみに、後に知人を通して聞いた噂によれば。


 フルベンガングはあの後結婚したそうだが、幾人もの女性たちと不倫を繰り返したことで妻に離婚を突きつけられ、さらに多額の慰謝料の支払いを求められたそうで。


 支払いに追われ、その結果、財産の三分の二以上を失うこととなったそうだ。



◆終わり◆

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