38/191
婚約破棄くらいどうということはありませんよ。
子どもの頃から勝手に決められていた婚約者がいた。
その婚約者の名はブルーマン・ブルベリバスルネビャルビベン。
今、彼に呼び出され、私は彼の目の前にいる。
「悪いが本日をもって婚約破棄とさせてもらう」
ブルーマンは淡々と言い放った。
「そうですか……分かりました。ではそういうことですね、さようなら」
私は一礼して彼の前から去る。
それが彼と直接会った最後となった。
その後私は知人が紹介してくれた領地持ちの家の息子と結婚。今は夫婦二人で穏やかに暮らしている。
ちなみにブルーマンはというと……。
あの後女に騙されて多額の借金を背負わされることとなってしまったそうだ。
今は貧しさの中で泥水をすすって生きているらしい。
◆終わり◆




