婚約破棄されてしまいましたが、過ぎたことは忘れて幸せになります。
私、リリィ・フロマージュは、そこそこ地位のある家柄に生まれた娘。
その身分ゆえに、私は結婚することを求められ、親が決めた男性と婚約することとなった。
それが数ヶ月前の話。
「リリィ・フロマージュ、君のような勉強にしか興味がないような女とは生きてゆけない。悪いが、婚約破棄させてもらう」
今日、私は、親が決めた婚約者アダムスからそう告げられてしまった。
確かに私は普通の女性たちとは違うかもしれない。あまり恋愛には興味がないし。けれども、彼に不快な思いをさせないように一応気をつけてはきたつもり。だがそれも意味をなさなかったようだ。
「そうですか……分かりました」
「さらばだ、リリィ」
こうして私はアダムスと離れることとなった。
事情を説明すると親はアダムスと離れることを受け入れてくれた。
そうして私の婚約話は一旦白紙に戻った。
ちょうどその頃、西の国の王から連絡があり、私はその国へ向かうこととなる。国王と話をすると、何でも王子と婚約してほしいらしい。そういうこともあり、私は王子と顔を合わせることとなって。最終的に彼と結ばれた。
今は忙しくも楽しさもある毎日を過ごしている。
ちなみにアダムスはというと。
女性詐欺師に騙されて貯金のほとんどを失ったうえ急に発症した謎の病が生きる力すらも奪い、今は親に介護してもらっているらしい。
◆終わり◆