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呼び出されたと思ったら婚約破棄を告げられました

 ある日のこと、私は婚約者ベリーズマンから呼び出しを受けた。


 予想はしていなかったことだった。けれども婚約者に呼ばれれば無視はできないもの——ということで、私は速やかに彼のもとへ向かった。


「呼ばれて来ました。それで、重要な話とは何でしょうか」

「婚約破棄に関する話だ」

「……意味が。婚約破棄、ですか?」

「あぁ。実は婚約を破棄させてほしいんだ」


 聞いて呆れた。


 ただ、違和感の答えは出て、少しばかりすっきり。

 そういうことか、と。


「それで、私との婚約を破棄する、というお話ですか」

「あぁ」

「……これまた唐突ですね」

「急で悪いな。ただこの心は決して変わらない。君が何と言おうが、絶対的なこの決定を変えることはできない」


 私は一度溜め息をつき、ふっと笑みをこぼす。


「そうですか、分かりました。ではこれにて」


 ベリーズマンはきょとんとしたような顔をする。

 そんな彼の顔を振り返ることはせず、その場から去った。


 その後私は、婚約を一方的に破棄されたということもあって慰謝料の支払いを求めた。当然大きくない金額だが。そしてそれを無事支払ってもらうことができた。


 以降、私と彼の縁が交差することはなく——私は別の人と結ばれ幸せになった。


 しかしベリーズマンの方はそれほど幸せにはなれなかったようだ。


 彼は私と別れた後知人に声をかけられて怪しい事業に手を出し、それによって多額の借金を負ったそうだ。


 だが、いざ大変なことになった時には知人は既に雲隠れ。


 誘った当人に責任を取ってもらうこともできず。


 そういうこともあって全部がベリーズマン自身の責任となってしまったそうだ。



◆終わり◆

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