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婚約破棄を告げられた瞬間、派手過ぎるざまぁスキルが発動しました。

 わたしは今、婚約者ポピュリンの自室にいる。


「あのさぁ、急になっちゃったのは悪いと思うんだけどさぁ」

「はい」

「伝えたいことがあるんだよなぁ」

「何ですか?」


 すると彼はにやりと笑う。


「お前みたいな地味女とはやっていけないからさ、婚約、破棄な」


 ポピュリンがそう言った、刹那。

 凄まじい雷鳴が鳴り響く。

 山を割りでもするかのような恐ろしいほど大きな音。


「な、何なんだ!?」


 恐れたような顔をするポピュリン。


 そう、実は……わたしには不思議な力『ざまぁスキル』なるものがあるのだ。


 それは、誰かがわたしを傷つけたり酷く扱った瞬間に、わたし自身の意思と関係なく発動する。


 直後、かなり大柄な黒いドラゴンが部屋の窓に向かって突っ込んでくる。ばりばりと凄まじい音を立ててそれは部屋へと突っ込んできた。窓のみでなく壁まで貫かれ大きな穴ができる。


「っ……ぐぎょぼああああ!?」


 ポピュリンは黒いドラゴンに噛みつかれていた。


 即死しないところばかりを噛まれている。

 死なないような配慮だとしたら……少々気の毒ではある。


「ひー、ひー、ふー、ふぅー」


 黒いドラゴンは数分で飛び去った。

 何とか助かったポピュリンは目に涙を溜めて息を荒くしている。


 ちなみにわたしはなぜか無傷である。


「た、た、助かった……ぎょぶぉあああぁぁぁぁぁ!?」


 ポピュリンが安堵できたのも一瞬、今度は大量の鳥にたかられる。


「ぶぇ!? ぶふぉ!? くぇ!? くぇ!? くぇっほ!?」


 次から次へと迫ってくる黒い鳥たちに躊躇なくつつきまわされ、声を出すこと以外何もできない。


 そんな彼を暫し眺めてから、わたしは自宅へ帰った。



 ◆



 あれから数年、わたしは愛する人と結ばれ幸せに生きている。


 今は毎日のように森へ出掛けては野生の魔獣のお世話をしているのだが、段々慣れて近づいてくれるようになってきたのでとても嬉しい。


 彼らとの信頼関係をこれからも築いていきたい。


 ちなみにポピュリンはというと、あれからも不幸なことに連続して見舞われ、最終的には落命するに至ったそうだ。



◆終わり◆

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