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お茶好き令嬢は婚約破棄されてもお茶が好き。〜勝るものなどないのです〜
エリーナはちまたでも有名なお茶好き令嬢。
いつもお茶を飲んでいると噂だ。
とはいえ、そんな彼女も年頃の女性。
仕方なく婚約することとなった。
しかし、婚約者アベルコは、エリーナの魅力を理解できないようで。
「エリーナ! 婚約は破棄させてもらうぞ!」
そう宣言した。
「まぁ……そうですか、分かりました。では、お別れとしましょう」
エリーナはさらりと婚約破棄を受け入れた。
なぜって、アベルコと離れて困ることなんて少しもないから、だ。
エリーナとアベルコの婚約は破棄となった。
その後エリーナは実家へ戻って、以前のようなお茶を楽しむ暮らしを再開。彼女はまた、いつもお茶を飲んでいる女性に戻った。しかし彼女は満たされていた。婚約だなんだという方が彼女には向いていなかった、そして、こうしてお茶を楽しんでいる方が彼女には向いていたのだ。
ちなみに、アベルコはというと、後に大きな借金を抱えることになってしまったそうで。
今は大きな街で物乞いをしているらしい。
◆終わり◆