切り捨てられても気にしません! 私は私で生きていきます!
二ヶ月前、私は、親の知人の息子であるウィルベンと婚約したのだが……。
「悪いな。婚約は破棄、だ」
ウィルベンは突然そんなことを言い出した。
あまりにも自分勝手。
あまりにも自己中心的。
自分勝手になること、自己中心的になること、それがすべてにおいて悪いこととは言わない。時にはそんな風になるのは悪くもない。しかし、だからといっていつもそんなで良いかといえば、そうではない。
「待ってください、いきなり過ぎませんか。理由を教えてください」
「教えるかよばーか」
「そうですか。ではそちらの都合ということですね」
「好きにしろや」
こうして私たちは離れた。
慰謝料の支払いは求めなかった。
その後、友人の紹介で花屋に勤め、自由に生きる道を選んだ。
これはこれで幸せな人生だと私は思う。
ちなみにウィルベンはというと……。
私との婚約が解消された直後に前々からこっそり付き合っていた女性と結婚したらしい。しかし、いざ結婚してみると性格が合わなかったらしくて。喧嘩の絶えない家庭になってしまったそうだ。そして、子どもも生まれないままに、数ヶ月で離婚したそうだ。
◆終わり◆