表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/191

婚約破棄された私のその後。~愛する人と幸せに~

 あれは今から四年ほど前のこと。

 当時私には婚約者がいたのだが、突然婚約破棄と言われ、暴言に近いようなことまで言われて切り捨てられた。


 あの時はとても悲しかった。

 その後しばらくは体調が優れない時期が続いて。


 だが、ちょうどその頃に一人の青年と出会って、その彼と親しくなって……しばらくして結婚。


 そうして今に至っている。


 あの頃の痛みを忘れることはないけれど、でも、今は愛する人と穏やかに暮らせている。その幸せがここにあることは確かだし、現状に文句を言う気はさらさらない。いや、むしろお礼を言いたいくらいだ。


 ちなみに今日は私の誕生日。


 だから何? と言われてしまえばそれまでだが……。


「そういえばさ、今日、誕生日だったよな?」

「そうよ~」

「これ。買ってきたんだ」


 夫が出してきたのは青い箱。

 銀のリボンがかけられている。


 私は恐る恐るそれを受け取る。


「開けてみて」

「ありがとう。……開けてみるわ」


 リボンをほどいて、蓋を開ける。


 するとそこには。


 夫からの誕生日プレゼント。

 箱を開けると、馬のガラス細工が入っていた。


「これって確か……」

「前、欲しいって言ってなかったっけ?」

「そうね、言ったわ。でも驚いた。本当に手に入る日が来るなんて……」


 いつか二人で街を歩いていた時、店先のそれがふと目にとまって、そんなようなことを言ったような気もする。


「嬉しいわ。ありがとう」

「ううん」

「覚えていてくれたことも、贈ってくれたことも、同じくらい嬉しく思うの」

「なら良かった」


 私たちは視線を合わせて笑い合う。


「これからもよろしくね」

「もっちろん!」

「ふふ。何その言い方、笑えるわね」

「ええー……」


 そうそう。


 ちなみに、以前私を切り捨てた彼はというと、あの後恋人と海辺でいちゃついていたところ突然現れたサメなる生き物に襲われて行方不明となったそうだ。


 サメというのは人を襲うこともある生き物だとかなんとか……まぁ、海にしかいないらしいので、詳しくは知らないが。


 ただ、彼はその後も、見つかっていないとのことである。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ