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花屋の娘だからって馬鹿にするなんて、随分差別がお好きなのですね。けれども残念、私は幸せを掴みますよ。

「花屋の小娘なんぞと生きれるものか! こんな婚約、破棄だ!」


 婚約者である彼フロミーダスは、ある日突然、そんなことを言って私を切り捨てた。


 言いたいことはたくさん色々あって。けれども言う間なんてほんの数秒さえ与えられず。私は言いたいことのうちの一つさえ口にできないまま彼の前から去らされることとなってしまった。


 当然悔しさを感じないわけではないが。

 私は前を向いて生きることにした。


 だってその方が賢いだろう? ずるずる引きずってしまうよりずっと効率的だろう。



 ◆



 あの婚約破棄から二年。

 私は王子の妻となった。


 王子と知り合うきっかけはほんの細やかなことで。けれども気づけばプロポーズされていて、色々あったものの、最終的にはめでたく結ばれた。


 そして今も幸せに暮らしている。


 きっとこれからも壁はあるだろう。それでも乗り越えていきたい。強くありたい。そして、いつまでも、思いやりを忘れない人でありたいのだ。


 その先にこそ、永い幸せがあるのだろう。


 ……そういえば。


 最近親から聞いたのだが、フロミーダスはあの後わりとすぐに亡くなったそうだ。

 なんでも、昔の恋人に刺されたらしい。


 情とは恐ろしいものだな、と思うが……ただ、もはや私には関係のないことだ。



◆終わり◆

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