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愛し合っているからとか何とか言って婚約破棄されました。

「あたしたち愛し合っているの~」

「実はな、そうなんだ」

「ごめんなさいねぇ~、奪っちゃって~」

「ということで、君との婚約は破棄させてもらうよ」


 婚約者の彼ヴォルフガングは知らない女性を連れてきてそんなことを言ってきた。


 女性をわざわざ隣にいさせているということは、すべてを語らずとも察してくれということなのだろう。

 無礼としか言い様がないけれど。


「個人的な事情で婚約を破棄するということですね。そうなれば慰謝料を支払っていただくことになりますが、その点は良いのでしょうか」


 取り敢えず確認しておく。


「あぁ、そのくらいくれてやる。この世には小銭より大事なものがあるんだ」

「分かりました。ではさようなら」


 こうして私たちの関係は終わった。


 あの後私はヴォルフガングに慰謝料を支払ってもらった。

 それですべてを許せるわけではないけれど。

 けれども少しは心が軽くなったような気もした。


 もっとも、それほど高額ではなかったのだが。



 ◆



 あれから数年。

 私は今、生まれ育った町から徒歩十数分程度で着くことのできる街にて、教師をしている。


 毎日忙しさはあるけれど、逆に楽しさもあって。


 だからこの人生を選んだことを悔いてはいない。


 ちなみにヴォルフガングはというと、あの後、ある日の散歩中に山道で野犬に襲われ怪我させられて……何とか命は助かったものの、直後に崖から転落して落命してしまったそうだ。



◆終わり◆

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