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私との婚約を強く希望したのはどなたでしたっけ? 〜まぁ執着はありませんけれど〜

 私の婚約者であるポール・ボンボンは私のことをいつも褒めてくれていた。可愛い、とか、髪が綺麗だ、とか。


 そして、私との婚約を強く希望したのも、彼の方だった。


 ——なのに。


「あのさぁ、アンタとの婚約は破棄するわ」


 突然そんなことを言われてしまった。


「……唐突ね」

「あぁ、昨夜決めたんだ」

「そう……」

「っていうのもさぁ、アンタより可愛い娘を見つけちゃってさぁ。やっぱりその子を嫁に貰うことにしたんだ。だからアンタはもう要らないーってこと。分かった?」


 いろんな意味で雑過ぎる。

 呆れてしまうくらいだ。


 でも正直婚約破棄でもいいとは思う。


 私としては、彼と一緒にいたいという気持ちはない。


「そう。分かったわ。じゃあ……さようなら」

「あぁ」


 こうして私とポールの関係は終わりを迎えた。



 ◆



 あの身勝手過ぎる婚約破棄から、今年で十一年。


 私は今、海洋学者として、色々な地域を駆けている。


 毎日はとても忙しい。ただ、新たなことを求めて進み続けることは私にとってはとても楽しいこと。だからこの道を選んだことを後悔はしていない。むしろ、この道に進んで良かったと、そう思えている。


 そういえば。

 これは最近親からの手紙を読んで知ったのだけれど。


 ポールはあの後女性二人と揉め、激怒した片方の女性に衝動的に刃物で傷つけられ、その傷が原因となって落命してしまったらしい。



◆終わり◆

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