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夏の終わり、私は婚約破棄され、そして夢へと進むのです。
それは、暑い夏が終わりに差し掛かった頃。
「リリー、悪いが、君との婚約は破棄とするよ」
婚約者からはっきり言われてしまった。
「そんな……なぜ……?」
「もう君といたくないんだ。それだけだよ。じゃあ」
こうして私たちの関係は終わりを迎えた。
◆
婚約破棄からかなりの時間が経ち、私はこの夏学園を卒業する。
そう、私はあれから医師となるための学校へ通っていたのだ。
きっとこれからもいろんな困難があるだろう。厳しい道を目指そうとしていることは分かっている。ただ、それでも私はもう決めたのだ、この道を行くことを。
未来は明るい。
どんな苦しみもはねのけて、私は人々の役に立てるような私になってみせる。
ちなみに元婚約者の彼はというと。
女と酒に溺れ、やがて犯罪に手を染めてしまったそうだ。
◆終わり◆




