表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/191

私に自分勝手な婚約破棄を告げた彼のその後を知って驚きました。

 それは今から十二年ほど前のこと。

 当時私には婚約者の男性がいたのだが、ある日突然婚約破棄を告げられてしまった。


 しかも婚約破棄の理由が——


「なぜ? 君に魅力を感じなくなったからだよ。つまり、君にはもう飽きたんだ。これ以上は付き合えないよ」


 ——こんなお粗末なものなのだから、意味不明としか言い様がない。


 その日を境に私たちの関係は終わった。

 婚約者同士でなくなり、他人となったのだ。


 私はその後父方の伯母の紹介によって良家の子息である男性と知り合いになり、徐々に絆を深め、やがて結婚するに至った。


 そして彼との縁は今でも続いている。


 そう、今でも夫婦なのだ。


 こうして私は幸せになれたわけだが、元婚約者の彼はというと幸せになれなかったようだ——否、むしろ不幸になってしまったようである。


 元婚約者の彼は、私との婚約破棄の後、以前から可愛がっていた女性を妻とすることを決めたそうだ。


そして、婚約期間中から、女性の言いなりになってたくさんの金銭を彼女に費やしていたとか。また、夫婦となってからももちろん彼女のために多くのお金を使っていたそうだ。


 だが数年も経たないうちに女性が不倫していたことが発覚。

 それがばれたと気づいた女性は雲隠れし、元婚約者の彼は問い詰めることすらできなくなってしまったそうだ。


 その一連の騒ぎによって、彼の母親はストレスで体調を崩し、数か月後に死亡。

 彼の妹は兄の問題によって婚約を破棄され、自ら命を絶つ。

 そして彼の父親は、家族を立て続けに失ったことで発狂し、彼を縄で縛って崖へ連れてゆき——彼もろとも飛び降りたそうだ。


 その話を聞いた時はさすがに驚いた。


 まさかそこまで酷いことになっていたなんて、と。



◆終わり◆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ