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婚約破棄された令嬢は輸入品の納豆を食べる!
「エーリカ・フロスティアス! 貴女との婚約は本日をもって破棄とする!」
銀の髪と紅の瞳が印象的な青年ガオスは、目の前の美しい女性に対し、大きな声でそう宣言した。
こうしてエーリカとガオスの関係は終わった。
婚約者同士だった二人は、この日を境に他人となった。
婚約破棄されたエーリカだが、彼女はそれほど落ち込まなかった。明るいさっぱりしたような表情で実家へ戻り、輸入品の納豆を食べる暮らしに戻った。というのも、彼女は昔から納豆が好きなのである。
愛する納豆を食べられる生活。
エーリカにとってそれは最高の幸福であった。
そうして幸せになったエーリカとは対照的に、ガオスは残念な結末を迎えることとなってしまった。
彼は身分違いの恋人と結婚しようとしたが、結婚にあたって親から反対を受け、そうして起きた揉め事の中で彼は父親を殺してしまって。それによってガオスは殺人の罪を犯した者となってしまった。
ガオスは今でも毎日冷たい残飯を食べさせられている。
◆終わり◆




