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男二人で征く異世界漫遊記  作者: HYA
第一章 プロローグ
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第1話 異世界への誘い

「ふぅー、今日も進捗への手応えは中々あったけど少し疲れたなあ。でももう少しでお楽しみの時間だから疲れも吹き飛びそうだ。久しぶりにあいつに会えるからな。」


 俺の名は高橋宏たかはしひろ。アラサーの32歳でサラリーマンだ。完成車メーカーに勤務しており、自分の担当は足回りの設計・開発だ。今日はサスペンションメーカーとの打ち合わせのために、出張に赴いた。現在打ち合わせ先の地方都市から東京への電車の中で揺られていて、これから東京で大学時代の友人と落ち合うことになっている。今日は金曜日であること、自分のアパートは中部の地方都市にあることから、東京で一泊するつもりである。つまり、とことん飲めると言うことだ。


 友人とは上野駅不忍口改札付近で待ち合わせの約束をしており、19:00を予定している。上野に着き、改札へと急ぐ。今は18:40だ。友人の姿が見える。

「待たせたな。俊充としみつ。相変わらず早いな。」

「いやそうでもないよ。いつものことだ。お前だってそうじゃないか?宏。」


 そう返事を返してくれた友人の名は、沼田俊充ぬまたとしみつ。年齢は俺と同じ32歳、現在総合化学メーカーに勤務している。また、俺と同じ大学で当時でも珍しくなった2人部屋の寮でのルームメイトでもある。

 俺は大学時代機械工学科で学んでいた。一方で俊充は工業化学科だ。互いに専攻も違っていれば、当然性格も異なるが、馬が合い、度々つるんでいた親友とも言える仲でもある。


「前に会ったのが、1年前か。時間が経つのも早いな。」

「宏、少々おじさん臭いよ。」

「そう言うお前も同じおっさんだが。悲しくなるからやめようぜ。それより、早く酒と飯だ。」

「わかった。お勧めの店があるんだ。地方の食材に強い洋風居酒屋で、既に予約済みさ。前に行く機会があったが、かなり良かったよ。僕と君の好きなワインも豊富だしね。楽しみにしていてくれ。」

「流石に卒がないな。早速行こう。」

 俊充の話通り、酒と料理の味もかなりのもので、満足度が高い。それでいて値段も納得できると来ている。杯も進み話も咲き、約2時間後ようやく腹も満ちてきた。


「そろそろ、次に行かないか?」

「ああ。お腹も膨れたし、バーにでも行って、まだまだ話足りないことを語り合おうよ。」

 二人して、店を出る。次の店に向かおうとアーケード街のアーチをくぐったその瞬間、突然視界が白く包まれた。

「な、何だ?何が起こった?」

「ここは一体?アーチをくぐった所までは覚えているけれど。」

 目の前には一人の女性がいた。だが雰囲気も容姿も普通の人とは異なり、この世のものとは思えない美しさと威厳に満ちていた。

「ようこそ、高橋宏様、沼田俊充様、私はいくつかの世界を管理している女神“ダムガルヌンナ”と申します。」

「「えっ?女神様?」」

「そうなりますね。お二方には私がいくつか管理している地球以外の別世界の一つに赴き、世界のけがれを浄化していただきたいと考えています。」

「世界の穢れの浄化とは一体?」

「世界の穢れとは、世界に住まう生物の負の感情を帯びたエネルギーが世界を遍く循環する地脈と呼ばれるエネルギーの流れに溶け込み、世界に4か所ある合流点に蓄積したものとなります。凡そ400年周期で危険域に達しますね。その負のエネルギーを浄化して世界に還流する浄化作業を行って欲しいのです。プレッシャーをかける訳ではありませんが、放置すると世界の存亡に関わる危機に発展することになるのです。」

「何故、俺たちがそれをしなければならないんだ?」

「それは、貴方方に穢れを浄化する適性があったからに他なりません。もちろんタダでとは申しません。目的を果たした際には一人一つ願い事を叶えましょう。元の世界に戻りたいと言う願いは、それとは別に叶えて差し上げますが。」

「元の世界に戻ることができて、それに加えて1つ願いが叶えられると言う認識で良いのですね。」

「はい。そうなります。」

「元に戻してもらえるとして、どの時点で戻してもらえるんだ?」

「先ほどのアーチをくぐった瞬間となります。」

「そもそも断る選択肢は?」

「既に別世界への途上となる地点にいる以上、心苦しく思いますが、目的を果たしていただくしか選択肢は無いと思っていただけると。」

「止むを得ないのですか…。責任も重いし、思う所は思いっきりありますが、仕方がないですね。まだ聞いていないのですが、行かされる世界は現代の地球と同じような世界なのですか?」

「いいえ。文明レベルは中世ヨーロッパの中世盛期以降くらいと考えていただけると。」

「所謂西洋ファンタジーと呼ばれる世界ですか?」

「そのようなものですね。」

「後。盗賊等の人間以外に、モンスターと言った脅威は存在するのでしょうか?」

「はい。」

「それだと、僕たちが着の身着のまま向こうへ行ったとしても目的を果たせるとは思えないのですが。」

「それについては、貴方方の適性に応じたスキルと、身を守るスキル、当座必要になる物資も合わせて付与いたします。スキルの内容・使い方についてもあなた方の頭脳にインストールさせていただきます。」

「達成を求められる期間はどれくらいなのですか?」

「今すぐというわけではございません。余裕をもって16年を考えています。世界は広いですから。向こうへ到着した時点で、貴方方の肉体年齢を異世界の成人年齢である16歳まで若返らせ、現地人と違和感ない容姿にさせていただきます。」

「俺らの御年32歳になるまでに解決しろってことか。少し皮肉が効いてやしないかね?でも、こうなったら、もう腹くくるしかないか。分かった。送ってくれ。」

「はい。あなた方に幸運があらんことを。」

 かくして、二人は異世界へと転移されることになったのである。

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