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君のいない世界

作者: おにぎりは世界を救う

初めて小説を書きました

変なところがあるかもしれませんが長い目で見てくださると幸いです


「ポンポンポンポンポンポン」

「☆@…@&;☆(♪)」

坊さんが発する言葉を私は聞き取ることが出来なかった


君が死んだ、、、



私には2年前から付き合っていた女性がいた

とても美しく誰にでも優しいそんな人だった


彼女と出会ったのは高校一年生の時

中学生のころ勉強ができず周りに差をつけられ開き直って家が近いと言う理由で偏差値が低い高校に入学した

本当は理由はそこにしか行けなかっただけだ



彼女と出会ったのは入学してすぐの事だった

私は中学の時バドミントン部に所属していた

高校では部活に入る気はなかったが1年生は必ず部活に入部するという決まりがあった

中学の頃やっていたと言う理由で高校でもバドミントン部に入部した

彼女とはそこで出会った


1年生は体育館に入れない

高校の部活ではよくある事だ

中学からやっていた人は高校からバドミントンを始める子に素振りやフットワークを教える

それが3年生が引退する6月まで続く

これもよくある事だ


私は中学からやっていたので教える側に着いた

教えるのは彼女の亜樹とその友達の真衣だった

私は亜樹に一目惚れした

あとから知ったことだが亜樹もそうだったらしい

話が意気投合しよく話すようにもなった

部活の時間やLINEで毎日話をしていた

もちろん部活もちゃんとやっていた

月日が流れ私達は付き合うことになった


その後は色んなところに出かけた

お互いの地元

電車に1時間揺られて行ったアウトレット

遊園地、映画館、ラウンドワン、池袋、原宿

数え切れないほどの場所に行った


その中で1番好きだったのは部活終わりに二人でよく行ったこんにちわ公園だ

自転車通学の私は学校終わり亜樹を駅まで送る

その途中にあるのがこんにちわ公園だ

いつも公園の近くの自販機でジュースを買いブランコに座って飲みながら話していた

亜樹はいつもミルクティーかレモンティー

私は決まって亜樹が選ばなかった方を買っていた

なぜならいつもあっちにすれば良かったっと言い出すからだ

私が買えば分けてあげられる

自分の飲みたいものよりも亜樹が飲みたいものを買う

ジュースを分けてあげた時の亜樹の笑顔を見るのが大好きだったからだ


そこでは色々な話をした

バドミントン上手くなるにはどうすればいいのか

なぜ私がバドミントンを始めたのか

中学校はどんな感じだったのか

なぜこの高校に来たのか



いつも私に質問ばかりしてくる

何故だろうと思い1度聞いたことがある

「あなたをもっと知りたいから」

そう言われた私は急に熱くなりまだ一口しか飲んでいないレモンティーを一気に飲み干した



ある日の事だった

いつも通り部活が終わり昇降口で亜樹を待っていた

(お待たせー)

「今日も公園いくか?」

(うん)

そんな会話をして学校を出た


(今日はレモンティーにしよーと)

「じゃー俺はミルクティー」

(いつも同じじゃないたまには違うのも飲んだら)

「それは亜樹もだろ?」

(はははははそうね)

そんな会話をしながらブランコに向かった


いつも通り質問攻めをくらい

今日学校であった話

授業の時ノムがゆったダジャレの話を聞かされた

ノムというのは生物の先生で授業少なくとも5回はダジャレを混ぜてくる人だ


1時間くらい話した頃笑っていた彼女の顔つきが変わった

どうしたのだろうと思いながらなにか伝えようとしているのがわかり俺は黙って耳を傾けた


沈黙が続いた




亜樹が口を開いたのは5分くらいしてからだった


(ねー)

「ん?どーしたの?」

(私が死んだらどうする?)

「、、、え、いきなりすぎない?」

(私が死んだら悲しい?)

私はどう「悲しい」とだけ答えた

亜樹は無言のまま駅の方へと歩き出した

駅に着くまで何を話しても亜樹は一言も発しなかった

駅について

「また明日」

(、、、うん)

そう言って私は家へと自転車をこいだ


次の日亜樹は学校に来ていなかった

LINEも昨夜から返ってきていない

次の日も亜樹は学校に来なかった

LINEも返ってこない電話も出てもらえなかった


亜樹と最後に会ってから2日がたった金曜日俺は部活の顧問の所へ行った

「先生、亜樹の家教えて貰えませんか?亜樹2日も学校来てないし、、、LINEも帰ってこないんです、、、」

『あなた聞いてないの?』

「何をですか?」

『亜樹さんは2日前の晩にお亡くなりになったのよ』

私は頭が真っ白になった

学校に到着して5分その日はそのまま家に帰宅した

その5分は私の人生で1番長い5分だった

その日の夜は一睡も出来なかったのを今でも覚えている


次の日は土曜日だったので私は顧問の先生に電話し亜樹の住所を聞き

すぐ向かった。先生の事を疑いたくなかった。でも、あの話だけは信じたくなかった


亜樹家に到着した

初めて来た亜樹の地元には何回も行ったことがあるのに亜樹の家は全く知らない初めての街だった


インタンホンを押す勇気が出なかった。私は秋の家の前で何も考えずに突っ立ったままいた

家の庭には秋の好きだったカスミ草がたくさん咲いていた


家の中から人がでてきた

〈もしかしてとおるくん?〉

私は突然のことに驚いていた

〈上がってちょうだい話したいことがあるの〉

そう言われ私は家へと上がった

玄関をあけ2階に行くリビングに案内され椅子に座った

〈今お茶入れるわ少し待っててね〉

「お気づかいなく」

そう言って私は周りを見渡した

仏壇があった

恐る恐る立ち上がりその前にたった

亜樹の写真だ

「ほんとうに亜樹は、、、」

〈お線香立ててあげて〉

そう言われ私はマッチに火をつけた

両手を合わせたあとさっきの椅子に戻り座った

〈どうぞ〉

紅茶が出された

「ありがとうございます、、、」

〈亜樹の1番好きだったダージリンよ〉

1口飲んだ

雫がそっと頬をつたった

〈ありがとね来てくれて〉

私はゆっくり頷いた

〈亜樹はいつもあなたの話を楽しそうにしてたわ。部活のこと。こんにちわ公園で話したこと。ほんとにあなたの事が好きだったのね〉

亜樹にそっくりな瞳からそっと雫が流れて行った

「あの、、」

〈何も聞かされてないんでしょ?〉

「はい、、、」

私はが聞きたかったことを察し話してくれた

〈あの子はね生まれつき体弱く小学校4年生になるまでずっと病院で過ごしていたの。原因不明の稀な病気でね、、、亜樹は20歳になれないと言われたわだから、小学校4年生になって普通の子と同じように生きたいと言われて学校に通わせたわ。ずっと入院していたから友達はなかなか出来なかった。中学校に入ってやっと友達ができたけどずっとくらい子でね高校では地元のことが誰もいないところに入学して髪の毛もバッサリ切って新しい生き方をしようとしてた。あなたと出会って亜樹はとっても楽しそうだったわ。天国に行った夜最後にもっと生きたかったって言うほどね〉


私は静かに泣きながら黙って頷き続けた

声も出ないほど悲しかったと同時に悔しさも湧いた


〈亜樹がねこれをとおるくんに渡してって〉

そう言って手紙を渡してきた

〈ごめんね。もっと早く渡してあげたかったのだけまだ心の整理がついてなくてごめんなさいね〉


私は横に首を振り手紙を受け取った



とおるへ


この手紙を読んでるってことは私はもう天国かな

なんてフレーズはドラマでしか使わないと思ってた

とおるにはとても感謝してますありがとう

私と一緒にいてくれたこと

私を選んでくれたこと本当にありがとう

とおると過ごした時間は私にとって全てが特別でした

とおると過ごした時間は死んでも私の心に残り続けますとても幸せだった


最後の日私が聞いたこと覚えてる?

私が死んだらどうする?って

あれはずるいよね答えようがないもの

そんなの悲しいに決まってるよね

とおるは亜樹の事大好きだったもんね

あれ?私の勘違い??

そんな酷いこと言わないよね

だってとおるは優しいもん

私を傷つけることは絶対しない

誰にでも優しくて誰に対しても同じように接してくれるあなただからこそ私の限りある時間を捧げても構わないそう思えたの本当にありがとう


最後に私のお願い聞いてくれる?

もう私はあなたの事を抱きしめたり

話を聞いたりキスをしたり出来ませんあなたの心を癒すことも出来ない、、、

あんなことやこんなこともね笑


だから、新しい人を見つけてください


でも、私のことを忘れて欲しくないです

頭の片隅でいいので覚えていて欲しい

私が生きた時間あなたと共に笑った時間喧嘩した時間全てが私の宝物。だから、あなただけには覚えていて欲しい新しい人ができても覚えていてほしい、、、

これが最後のお願いです


今までありがとう

亜樹より



涙が止まらなかった

手紙には丸く濡れて乾いた箇所が何ヶ所かある

亜樹が涙を零しながら書いたことがすぐにわかった

私はその後どのくらい涙を零したのかは分からない

気づけば外が暗くなっていた


亜樹のお母さんが洗面台を貸して下さり顔を洗って仏壇の前で手を合わせ亜樹の家を出た




駅に向かって歩く途中やっぱり亜樹のことを考えてしまっていた


私は亜樹の事を何も知らなかった自分が悔しかった

余命宣告されていたこと

地元が全然違う場所だったこと

好きだったのはレモンティーでもミルクティーでもなくダージリンだったこと

好きな食べ物好きな映画好きな曲もアーティストも何も知らない

亜樹は俺の事をよく知っていたなのに俺は何も知らなかったそんな俺と一緒にいれたことが幸せだった楽しかったと言ってくれたこと

全てが悔しかった


何より最後の質問にちゃんと答えられなかった答えてあげられなかった


私は君のことを、忘れることなんてできない

新しい人を作ることも出来やしない

君のいない世界で生きていける自信が無い

君に会いに行ったら君は怒るでしょ?

だから、俺は生きていく君が行きたかった世界で君の分まで

君の見たかった景色全て見せてみせるから

見守っていてくれて

見ていてくれ


そう決心して私は駅へと走り出した

涙が目じりをつたい横へ流れていく


ありがとうあき









読んでくださりありがとうございます!

初めて小説を書きました

とても難しかったです小説家の方たちは本当にすごいと思います

これからもよろしくお願いします!

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