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華の乱  作者: 黒梟
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 千客万来(主に望まぬ客)



 目障りな者達を笑顔で追い払ったと思いきや、今度は知らないおばさん達に殴られそうな勢いで突進されたのである。


「ちょっとあなた、どうして私たちが出ていかなければ行けないの?他にも部屋があるのなら、一番役に立っている私たち家族をそこに住まわせてちょうだい!」


 香水と厚塗りの化粧の匂いに、鼻の感覚が麻痺しそうで思わず鼻をつまんでしまった。失礼だとは思うが、自分の鼻の方が大事である、その後は当然鼻声。


「何を言ってるんですか?第一に勝手に住み着いて、迷惑していたのに何でまたうちの家を貸さなきゃいけないんです?第二に役に立つと言いましたが、何もしてないのにどう役立つのかわからない。第三に松葉は仕事をほぼ匿名でしか受けない。あなた達が受けた仕事は自分達で何とかしてください。こちらは一切関与しません」


 当たり前でしょう?と言わんばかりの顔をする。

 四家から、彼らの受けた仕事の中身を確認すれば、どうでもいいものや、ぼったくりと言っても過言で無いものもあった。自分達で処理するのなら問題ないが、それを松葉に振られても困るのだ。松葉が機能し始めたと流れれば、至る所から仕事が来る。それも有無を言わさないものばかり。松葉にも窓口はちゃんとあるのだから、下手に仕事をして、便利屋と思われても困る。

 それを理解しているからこそ、紫炎ですらそんな仕事受けていなかったのだから。


「これだから新参者は、私たちがいなければ何も出来ないくせに、少しは無い頭を使ったらどう?

 仕事も取れない小娘が喚いては松葉が潰れてしまうのですよ?」


 だから私たちが必要でしょう?と言わんばかりの発言。

 ああ面白い、ここまでいけしゃあしゃあと言ってくる者もそうは居ないだろう。

 愚かが顔から出ている。凄いな、これが金の力か?松葉の名の力か?

 もう口を開くのも嫌だが、息はしなければ。


「煩い方達だな。私は生まれ落ちた時から松葉の家に居る。家の事情・内情にはひい様の次に詳しいし理解もしている。後から住み着いた貴方達にがたがた言われるまでもない。

 そんなに贅沢がしたければ、自分で稼げ。今この家に住まうことを許されているのは、当主代理の自分と、家を仕切るひい様、その他紫炎の認めた華月とその子(れん)、水仙、ひい様の孫の雛菊、以上です。

 そうそう、紫炎は此処には住まわない事になっている。もう雲隠れしてるから会うのも不可能。権限は全て私にあるから文句は受け付けない。四家も同じだ。さっさと出て行け。出来なければ、忠告を聞かずに残ったとして強制的に出て言ってもらう。法的措置も取れる様にしてあるから何も問題は有りませんよ?」


 全ての行為が無駄だと言わんばかりに答える。

 その中でも最も疫病神とも言える、四家の一つ真樹の嫁が言葉を発した。


「私の夫は松葉に多大な貢献をしているのですよ。それなのに、追い出されるのは心外です。ご当主の意向かもしれませんが、そこはもう少し考えて頂きたいですね」


 ブランド品に身を包み、濃い化粧に、臭い香水。

 いい女とは程遠い顔に、自信ありげな笑みを浮かべるその顔を見て、自身がしでかしてる事を、此方が把握していないと本気で思っているのか?と言う疑問が起こった。幾度と無く担当弁護士を変えた理由すら分かってないんだなという事に。

 口を開きたくもないが、酸欠で倒れるのは避けたい。


「貴方は自分が如何に松葉のお金を使い潰していたのか理解していますか?

 確かに貴女の夫である真樹は、これ以上無い仕事をしてくれていますが、貴女の功績ではない。

 今月から、真樹の給料から貴女が使った松葉の財産、八千万程を少しづつ返済してもらいます。

 弁護士も横領の罪で訴えますので、これ以上松葉の財産を使用するのは無理ですよ?

 そうそう、真樹はタダ働きになるからそのつもりで。

 後は夫婦で話し合ってください。

 質問は以上ですか?では、さっさと出て行け!」


 有無を言わさず言葉を放つ。これ以上私の鼻が潰れるのは避けたい。

 主に嗅覚と、形の面で。



 数日後、法的措置と言われたのが効いたのか、真樹の妻子以外は速やかに出て行ってくれた。

 解体を始めたのもあるのかもしれないが・・・。

 まあこれで私の鼻の安全は確保された。一番大事なことである。


 真樹からの報告では一週間経たずに離婚出来て、縁も切れるとのこと。

 本人はかなり嬉しそうだ。

 まあ実際、血も繋がっていなければ、夫婦の営みすらしていなかったのだ。別に本当の妻子が居るのだから、そういう表情になるのは仕方の無いことだろう。


 後は此方に飛び火しなければ良いのだけど・・・。

もう幾度目かになるため息を吐いた。



 

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