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華の乱  作者: 黒梟
12/14

 準備は万端で




 ◇◇◇◇◇◇


「上手くいきそうなのか?」


「上手く行くようにするんですよ」


()()()手に入るのなら問題ない。先代が亡くなってからもかなりの時間を要したんだ。いくら姿を晦ましたとはいえ、家の大事には戻ってくるであろう。あんな小娘に任しておくことも出来んだろうしな!」


 はははははと笑う男を無視し、一礼して部屋を出る。



 今の言葉を言われて、相手の男は考えた。

 先程の集まりでもそうだったが、小娘にしては顔が広い。先代の影響かと思えばそうでも無さげで。

 現に長老達は待ちわびていたと言わんばかりの態度であった。


 小娘がどこまで出来るのかは知らないが、そう簡単に此方の計画を壊してもらっては困る。


 それに・・・・顔立ちがあの女に似ているのも気になる。

 四家を牽制しておくついでに、裏を調べておくか・・・・・








 それがまさか、牽制は上手くいくが、小娘の情報が全く手に入らない結果になるなど思いもよらなかった。






 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇





 学校に行きつつも仕事先の情報を集めなければならない。はっきり言って四家は今回から除外する事に決定している。

 紫炎の場合は、任せているようで何もさせていない。そんな関係だったのだそうだ。

 差し当たって今回は小娘の私。しかも実績すら彼等は知らない。無駄に人を動かすのは嫌だから最低限度で。


『急な依頼だったから自分がどこまで出来るか試してみます。無理そうならお手伝いお願いしますね。』


 なーんて、心にもない事言い尽くして今に至る。

 四家に頼らずとも情報源は近くに居るのだ。()()()有能なのは有難い。ボロを出すことも無いし、探りを入れられそうなら、操作して貰えば良いだけの話。


 真面目に助かる!


 3日と経たずに情報、物資の準備全てが整う。


 ここで問題。虫除けは持って行った方がいいのかな〜。

 ちなみに私の思う虫除けは、昔ながらの線香タイプ。匂いも慣れてるし、祖父を思い出す。そしてイタズラして怒られたことも・・・

 懐かしい。


 今回は山中での行動が主だから虫はたくさん居るだろうが・・・はてさて、どうしたものか。







 そんなことを考えていたら、気がつくといつの間にか電車の中だった。



 あっれー?何がどうなってここに居るんだろうか?はてな〜。




 そういえば昔から考えると周りが見えなくなって無意識に行動する事がよくあったなぁ。


 そんな事をぼんやり考えながら目的地へと向かって行った。







 そういえば、テストがあるの忘れてた。留年確定なら学校辞めようかな〜。





 ()()()()()()()に、緊張は無かった。


 ✩・✩・✩・✩・✩ ✩・✩・✩・✩・✩




「そういえばあやめは結局虫除けスプレー持っていったの?」


「んー?いや忘れたんじゃ無いかなぁ。考えに没頭すると考えてた事以外を無意識に仕上げてそのまま仕事に向かう事多々あったろ?」


「じゃーいっぱい噛まれて帰ってくるね。刺激性の少ない痒み止め用意しとこうかなぁ」


「あーそこら辺は紫炎さんとか華さんが勝手に用意して詰め込んでそうじゃ無いかな?ああ見えて結構あやめには気を使ってるみたいだし」


「なんだかんだで一番世話になってる二人だしね〜」


「あやめも甘やかすからダメなんだよ。今回だってどうなるかわかったもんじゃ無いだろう?」


「今回は大丈夫だよ」



 第三者の声に水仙雛菊は顔を合わせ入り口を振り返る。

 其処には久し振りに顔を見たb華月の姿があった。


 穏やかな顔で体調も良いのだろうか、血色も良かった。ここ最近も体調を崩してしまい中々布団から出ることが出来なかったはずだったが。


 座卓の前に座ると、自分でお茶を汲もうとしたので慌てて華月の手から茶瓶を奪い、雛菊と協力してお茶を入れる。

 その様子をクスクス笑いながら見ている華月を見て、2人は思った。


 紫炎も華月位自分の気持ちを表に出せれば良かったのに


 ・・・・・と。


「あーそれはあの人の性格上無理だよ」


 心を読まれちょっとむっとしたのが顔に出たのだろう。からかい口調で更に続けられた。


「そういう意味では雛が一番紫炎と性格が似てるんだよ?」


 えっっ!?それは嫌!!


「まあ今回はほんとに大丈夫だよ?どんな結末にせよ、紫炎は華を絶対に手放さないからね。()()()()()()()()なんだから、ね?

 紫炎狙いの方々には早々に退出して貰えるように裏から手を回しておくよ。

 これ以上干渉されるとあやめではなく、私が殺ってしまいそう」


 クスクスと楽しそうに笑う華月を見て、水仙が口を引き攣らせた。

 華月は普段滅多に怒りの感情を見せないのだ。


「え・・・・・・っと、お姉ちゃん?落ち着こうね?蓮も居るんだし、無茶しちゃダメだよ?」


「あら、可愛い妹()()と従兄弟も同じ位大事よ!みんなが居て此処が成り立っているんだから。

 蓮には寂しい想いをさせないようにしているけれど、やっぱり父親が居ないのは駄目なのかなぁ?」


 蓮の父親は看護学校に通っている。自分で華月の面倒を看る為だと言って。

 同じ剣術の宗派で紫炎さんが、華月を連れて行った時に出会いお互い一目惚れ。

 華月が十五の時に一度だけ関係を持ってそのまま蓮を授かったのだが・・・・・

 両家の親激怒で、華月も病に倒れてしまい出産まで逢えず。

 相手の気が全く変わらなかった所か、看護師になるとまで言い出し、今に至る。

 蓮は知らないだろうが、内緒で頻回に華月に会っては華月をデレデレに甘やかしている。そのまま二人目出来そうな予感もするが、自制してるそうだ。


 おっと話がそれた。

 やっぱり狙いは紫炎さんか。葉爺様の死にも関係してるって話なんだがなーーー。

 あの人を落とすのに華さん狙うの最凶の悪手何だけどな。教えてやる義理もないしいいか。


 何はともあれ卒業迄に上手く丸く収まりますように(合掌)








 あれ?そういやアイツテストどうすんのかなー?








華月と紫炎は瓜二つです

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